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【Canon】気分が昂まればスナップの機材は大きくても良い

【Canon】気分が昂まればスナップの機材は大きくても良い

気温が涼しくなり少しずつ秋の気配が近づいてきました。重たい機材を持って街に繰り出しても夏の季節ほどは汗をかきにくい。であれば街ぶらスナップには自分が撮っていて気分が昂まるカメラやレンズを持ち出した方が満足度は高いというもの。そこで今回、筆者はCanon「EOS R1」と「RF85mm F1.2L USM DS」を持って撮影に出かけて参りました。

EOS R1は2024年11月に発売したキヤノンのフラッグシップミラーレス一眼カメラです。まず目を引くのがカメラ背面にある大型の液晶ビューファインダーです。パッと見で大きく盛り上がったアイカップはのぞく前から見え味の良さを期待させます。スペックも現行モデルのEOSミラーレス一眼では最高のスペックを持っておりファインダー倍率は0.9倍、ドット数は944万ドットあります。レンズを通して見るファインダー越しの世界はどこまでも広大で、街のあちらこちらにカメラを向けて被写体探しに夢中になってしまいます。

「RF85mm F1.2L USM DS」 は2019年12月に発売したRFマウントの中望遠の単焦点レンズです。RF85mmF1.2には2種類のラインナップがあり、今回使用したレンズはDS(Defocus Smoothing)コーティングが施されたモデルになります。DSコーティングとはレンズの中心部から周辺に向け、徐々に透過率を下げながら光を遮る効果を持つ蒸着技術です。DSコーティングがない場合、玉ボケに輪郭が出るのが一般的ですがこのコーティングがあるとボケ像の輪郭を柔らかくぼかし、滑らかで美しいボケ描写になります。

単焦点レンズを使って街ぶらスナップをする場合、何mmの画角のレンズをお使いになるでしょうか。撮影する方それぞれの好みの画角や撮りやすさはありますが、一般的には28mmから50mmを使う方が多いと想像します。また、その画角帯のレンズは極端な明るさのレンズでない限り、おおむね小型で軽量なレンズが多いでしょう。筆者も何年か前まではそのようなレンズを使っていましたが、近年は75mmから85mmの画角がむしろ使いやすいと思うのです。それは仮に標準ズームレンズを持っていたとしても28mmから75mmもしくは85mmのうち、テレ側付近で撮ることが多く、被写体との距離も5m以上離れていることが多いからです。85mmの画角は人間の視界でいうところの一点を注視する距離感で撮影者の視線のどこを切り取りたいかシーンが明確です。焦点距離的に歪みも少なく、ボケ感も出しやすいので画面の整理もしやすくなります。

EOS R1の重さはバッテリーとメモリーカードを含めて1125g、RF85/1.2DSは1195gとほぼ同じ重さです。そのためカメラを構えた時の重量バランスが良く、EOS R1の手に馴染むグリップとRF85/1.2DSの太い鏡胴を左手でレンズを下から支えた時に安定感がとてもあります。さらにEOS R1の中心最大8.5段、周辺最大7.5段の手振れ補正も合わさって、暗いシーンでもブレを最小限に抑えて撮影することができます。EOS R1の縦位置グリップ部分は横位置で構えた時と同じボタン配置であり、高さのバランスがEOS 1系の方が均等なこともグリップ分離型のカメラよりも一体型ボディを筆者が好む理由です。

撮影する時のモチベーションを高めてくれることもEOS 1系のボディが好きな理由です。大型のカメラを持って街を歩く時は、小型軽量のカメラをぶら下げている時よりも被写体を見つけよう、切り取ろうとする意識が昂まる気がします。それは物理的な重さが心理的な緊張感につながって、ただ街を散歩するよりも撮影に集中できるからかも知れません。また、できるだけ視覚と感覚をシャッターを切る手に集中させたいので、街ぶらスナップをする時はヘッドホンをつけて街や人の喧騒等の筆者にとっては一種のノイズを遮断します。人によっては街中でグリップ一体型ボディのような大型カメラを構えることに心理的なハードルを感じる方もいるかも知れませんが、街に溶け込むことを意識しすぎて小型軽量カメラを持つことの方が却って、目立たずに撮ろうという方に意識が向いたり、今は撮らなくていいかな、とカメラを構えることを躊躇してシャッターチャンスを逃してしまうことがあります。

筆者はEFマウントの時代からEF85mm/1.2L IIが好きなレンズでした。当時はポートレートをメインに撮っていたこともありますが、出てくる描写が好みなのはもちろん、ガジェットとしても吸い込まれるような大きな前玉と、ガラスをまるで表面張力のようにギリギリまで配置した後玉、レンズ後群にかけてのくびれのような滑らかな造形にうっとりしていました。RF85/1.2DSのデザインはより現代的ではありますが大きな曲線を描く前玉にロマンを感じます。描写もEF時代よりもすっきりとしたクリアなボケ感、色のりが良くコントラストも良好です。撮影した写真を見て肌感覚でもそう感じますが、実際にメーカー公式HPでそれぞれのレンズのMTFを比較してみると、2006年に発売したEF85/1.2L IIよりも明らかにRF85/1.2DSのMTFの方がコントラスト、解像度ともに性能が向上しています。AFのスピードと精度もEOS R1の性能と合わさって、より快適になっています。

一方でガジェットとしての作り込みの良さは、たまに重厚感溢れるEOS 1D系のボディを触ると今でも良いなと感じることがあります。ガラスプリズムを通した大型の光学ファインダーの見え味と大きなミラーが上下に動いて奏でるシャッター音は、撮影体験そのものの気分を高め、気がつけばシャッター枚数も増えています。EOS 1D系はEOS R1シリーズへとバトンを渡すことになりましたが、EOS R1の実用性と見やすさを兼ね備えた電子ビューファインダーは間違いなく今後のミラーレス一眼カメラ時代の新たなフラッグシップとして、長く愛用されていくことを確信しています。

いかがでしたでしょうか。今回はカメラやレンズの細かい性能や描写面での話は少なかったかもしれません。筆者はスナップ撮影だから街に溶け込むような小型軽量の機材が必ずしもベストとは限らないと思います。自分が撮っていて楽しく、モチベーションが上がるのならば、スタジオ機材のような縦位置グリップ一体型のボディと大口径レンズの組み合わせの方が撮影体験として満足すると思いました。「EOS R1」は動体から静物までどんな被写体でもシャッターチャンスを逃さない優れたAF性能を持ち、「RF85mm F1.2L USM DS」はシチュエーションを選ばず、撮影機会を逃さないF1.2の明るいレンズはボケ味も良好で、スナップからポートレート撮影まで最高の仕上がりを出してくれます。EOS R1の優れた電子ビューファインダーと良好な大型グリップは筆者の重い腰を上げ、次の街へとまた足を運んでくれることでしょう。

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▼撮影に使用した機材はこちら▼

[ Category:Canon | 掲載日時:26年09月17日 18時30分 ]

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