【マップカメラコレクション】Ernst Leitz M2-M
現在ではフィルムのモーター巻き上げは当たり前になりましたが、半世紀も前になるとそのような物が無いほうが当たり前で、電気の技術も当然今よりは進歩していませんでした。
ライカM型に関しては、1976年にやっとワインダーが市販され取り付けられるようになったものの結果としてはお粗末な物でした。ですが、ライカM型用モーターの歴史はそれより以前から存在していました。
M3が発売されてから、特に報道関係者など速写を必要とするユーザーからライカのモーター仕様の要望がありましたが、ライツ社はなかなかそれに対応することなく最初にこの要望に応えたのが当時の輸入元だったアメリカのニューヨークライツ社でした。ニューヨークライツ社では独自に開発したモーターをM2に取り付けて販売したのが始まりで、仕組としてはカメラにモーター部と電池室を合わせて使用します。
まず、ボディにモーター部を取り付け、その下にさらに電池室を取り付けるのですがこれがまたとてつもなくデカイ!!この2つを合わせるとボディより大きく、そして重いです・・・実際に取り付けたものを首からぶら下げたことがありますが完全に筋トレ状態ですね。体格のいい人でもキツイんじゃあないですかね・・・
このカメラは通常に市販されていたわけではなくごく1部の限られたユーザーのみへの供給だったそうです。それゆえ当然数は多くはありません。しかも多くない割にいくつかのバリエーションがあります。
まず、M2のモーター仕様モデル。これはニューヨークライツで生産され、カメラボディにモーターを示す記入はありません。生産台数は不明です。このモデルは通常シルバークロームのみですが、極少数ブラックペイントもあります。大珍品です。
次に、モーター仕様を示す「M」の文字をカメラボディのトップカバーにある製造番号の前に記した「M2-M」モデルがあります。このモデルはドイツのみで生産されたモデルで総生産台数は275台の記録があります。
そしてもっとも珍しいのが「MP-2」というモデルで、総生産数10台あるかないかという位の超珍品です。市場に出ることはほぼ皆無で、本物を見ることができた人はとてもラッキーだと思います。
現在ではフィルムのモーター巻き上げは当たり前になりましたが、昔は大変だったんですねぇ。
ライカ M2-M
シリアルナンバー 1163771~1164046
総生産台数約275台