
【SONY】FE 100-400mm F4.5 GM OSS実写レビュー|進化を遂げた新・超望遠で迫るサーキット&航空機撮影

絞り:F20 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
SONYから発売された新作レンズ『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』をレビューいたします。銘玉として知られているFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSが発売されてから約9年経過してからの新作GMレンズで非常に期待が高まります。今回は数日をかけて航空機・サーキット場での自動車を撮影いたしましたのでそれらの作例を中心にレンズの性能をご紹介いたします。ボディはα9IIIを使用し、全てRAW現像を行なっております。
絞り:F20 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
まずは航空機の流し撮りから。あまり本格的な流し撮りや動体撮影をしない筆者ですが、いとも簡単に被写体の動きを止めて撮影が出来ました。今回使用したα9III自体の被写体認識精度が高いのでその組み合わせもあって普段の半分程度の撮影時間で満足するカットを撮影出来ました。『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』は20群28枚というなんとも豪華なレンズ構成でその中にED XA(特殊低分散超高度非球面)レンズと超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズの計2枚の非球面レンズに加え、スーパーED(特殊低分散)ガラス2枚、EDガラス3枚の搭載というSONYの本気度を感じさせられます。

絞り:F25 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
ズーム全域で開放F値がF4.5であり、望遠側にしてもシャッタースピードを稼ぎやすくさまざまなシーンで活用が可能です。また、レンズ本体にドロップイン型のフィルターを採用しています。40.5mmのフィルターを用意することによってNDフィルターをはじめとした効果フィルターを使用することが可能です。
多くの場合、ドロップインフィルターを採用しているレンズの場合フロントレンズ径が100mmを超える巨大なフィルター径であることが多いですが、なんと『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』は95mmというこのような大口径超望遠レンズカテゴリーでは非常にコンパクトなフィルター径です。そのため、95mmのC-PLフィルターといったフィルターワークをドロップインフィルター以外でも活用が可能です。

絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:10000 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS

絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:2500 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
F値の明るさを活用して夜のターミナルを撮影しました。『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』にはレンズ内光学手振れ補正が搭載されています。ボディ側との協調作動にももちろん対応しています。実際に使用した体感としてはかなりの補正効果があると感じました。特に望遠側でシャッタースピードを落とした状態でもブレることなく撮影出来ました。上記の作例はシャッタースピードを1/60に設定し、焦点距離は400mmです。通常であれば三脚に据えなければブレてしまいますが、手持ち撮影でも全く問題なく対応出来ました。

絞り:F5 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:10000 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
こちらは更にシャッタースピードを落として1/30で撮影しています。手振れ補正効果が非常に強力な事もあり、少しだけ絞って光条を発生させました。少し派手に見えますが綺麗な光条です。
まさに開放F値が明るいからこそ出来る表現と言えるでしょう。こちらの画像は現像ソフトのAIノイズ低減を使用しています。

絞り:F5 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:12800 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
夜間の飛行機の流し撮りも挑戦しました。この時は午後8時過ぎで肉眼ではほぼ何も見えない状態でしたがAFが迷うことなく合い続けてくれました。ノイズがかなり発生していますが、ほぼ何も見えない状態からここまで写っているので十分でしょう。

絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
場所を変えてサーキット場で撮影した作例をご紹介いたします。まずはシャッタースピードを上げて撮影しました。

絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
望遠レンズにありがちな望遠端でコントラストが低下するといった事もなくズーム全域で非常に安定した画質を有しています。特に誇張しすぎた解像感ではなく適度で自然なコントラスト・シャープネスで非常に高い現像性能です。


左 絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:640 / 右 絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:640
車体の質感となだらかなボケが美しいです。両方の画像もシャドウ部を持ち上げていますが破断がなく非常に安定しています。今回の使用では明らかな色収差はなく流石GMレンズと感じさせられました。

絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:320 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS

絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:250 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
レース中に給油している車両も撮影しました。『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』はインナーズーム方式を採用しており、重量も2kgを下回る1,840gに抑えられています。サーキット場で撮影する際、筆者は休憩中の車両や急遽ピットインしてメンテナンスを行っている車両を撮影することもありますが、そのような場面でも気軽に移動できました。
インナーズーム方式を採用している点も大きなメリットです。移動中にズームが垂れ下がる心配がなく、周囲にぶつけるリスクも最小限に抑えられます。会場によっては各ポイントに飛散防止ネットが設置されている場合がありますが、そうした場所でも咄嗟のズーム操作でレンズを傷つける心配がなく、安心して撮影に取り組めました。

絞り:F16/ シャッタースピード:1/20秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
最後にシャッタースピードを落とした流し撮りの作例をご紹介いたします。『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』は開放F値が明るいことから用途としては背景をぼかした撮影や暗所での撮影にニーズがあると思われますが、F値を絞り込んだ撮影も非常に素晴らしく感じました。まず筆者が驚いた事が絞りすぎる際に発生する回折現象がほとんど確認されなかったことです。普段の撮影では回折現象を防ぐためにNDフィルターを装着して流し撮り撮影を行いますが、今回はレンズそのものの特性を知るべく使用していません。

絞り:F16/ シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
筆者の場合、レース序盤に当日の車両の挙動やコーナー侵入速度に慣れるためにシャッタースピードを1/125に設定します。その後おおよその感覚をつかんで1/60・1/30と段々に落として撮影をしています(調子が良ければ1/20まで落としています)
今回は少しだけ1/125で撮影してすぐに1/30に設定して撮影出来ました。レンズに搭載されている手振れ補正モード2が非常に優秀で流し撮りに苦戦する事なく撮影出来ました。

絞り:F22/ シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
被写体が柵にかかってしまうシーンでも十分に追従し続けてくれました。稀に手前の柵にフォーカスが引っ張られてしまうシーンもありましたが、搭載している4基のXDリニアモーターが非常に優秀で一瞬で狙いたい被写体にフォーカスが合ってくれました。今回は使用しておりませんが、より確実な方法としてレンズに搭載されているフォーカスリミッタースイッチを活用することでより正確なフォーカシングが可能となっております。

絞り:F14/ シャッタースピード:1/60秒 / ISO:125 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS
望遠端400mmで撮影しました。普段だと被写体から若干引き目で撮影して後から必要な分だけトリミングするスタイルを行っておりますが『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』は手振れ補正の優秀さとレンズ自体の取り回しが良く被写体に限りなく近づいて流し撮りを行ってもかなりの確率で成功しました。


左 絞り:F14 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 右 絞り:F14/ シャッタースピード:1/125秒 / ISO:320


左 絞り:F16 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 右 絞り:F14 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:250
全てのカメラが苦手とする手前方向に迫りくるシーンで撮影しました。F1やSuper GTも撮影したことがある筆者ですが、ここまでAF速度・追従性能が高いレンズは初めてでほぼ完ぺきな追従でした。α9III自体のAF性能も関わってくると思いますが、筆者の意見としてはどのボディを使用してもかなり精度の高いAFを実現できると感じました。


左 絞り:F16 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:125 / 右 絞り:F16 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:250
縦構図でも撮影しました。ボディの特性かもしれませんが被写体認識AFを使用していると車両中央部又は後方部にピントが合うケースが多く感じました。撮影者の表現にも依存しますが、個人的には車両のフロント部にピントが合った写真が好みなのでこの挙動には若干苦戦しました。
ですが、AFゾーンやAF設定を詰めて車体のフロント部になるべくフォーカスを合わせられるようにも出来たので撮影者の意図に合わせた表現が可能とも言えるでしょう。

絞り:F6.3/ シャッタースピード:1/126秒 / ISO:250 / 使用機材:α9III + FE 100-400mm F4.5 GM OSS


左 絞り:F11 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:250 / 右 絞り:F10 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:250
レースの途中でスコールのような大雨が降りました。ここまでの雨量ですとレンズ専用のカバーが必要になりますが、小雨程度であれば十分に使用できるだけの防塵・防滴性能を有しています。レンズ表面もフッ素コーティングがされているため、雨水や簡単な汚れも簡単に除去が可能です。
今回は『FE 100-400mm F4.5 GM OSS』を飛行機やレースカーの作例を中心にご紹介いたしました。ズーム全域で圧倒的な解像感と非常に高速なAF性能はこれまでのFEレンズの頂点とも言えるレンズだと感じました。先代レンズのほぼ2倍の価格ですが、十分に購入する価値があると思います。
このほかにも下記弊社スタッフブログにて風景撮影や動物の撮影も行っております。合わせてご覧ください。
【最速レポート】SONY α7RVI × FE 100-400mm F4.5 GM OSS「外観・スペック・描写」を紹介!




