【marumi】Filter’s Note Vol.3 ~ND for movie~
Filter’s Noteは、いつもより変化のある写真が撮りたい方や、現像には抵抗があるが写真にアクセントがつけたい方に向けて、マルミ光機(以下、marumi)の光学フィルターや角形フィルターを用いてその能力を紐解きながら、フィルターの重ね付けをメインに、様々な作例をできる限り紹介していきます。
第3回は、可変NDについてご紹介します。
※通常の固定NDはVol.2をご覧ください。
!Main Note!~可変NDとは~
可変NDは、文字通りNDフィルターの透過率が変動するフィルターです。
2枚の偏光(PL)フィルターを重ね、それぞれに垂直方向と水平方向の光を吸収させれば、理論的に光を完全に遮断することができます。原理としては、この状態で片方のフィルターを回転させると、直交からズレた角度分だけ光を通すことができます。
!Plus Note!~可変NDのメリット・デメリット~
可変NDの実際の効果を動画にしましたのでご覧ください。
Nikon Z6 – Full HD 30p
フィルターを回転させることで透過率を変更できるため、通常の固定NDのような付け替えの手間を省けるのが可変NDの良さです。
静止画撮影というよりは動画撮影向けに作られたのが可変NDです。動画撮影は、フレームレートの関係でシャッター速度が固定され、大半の一眼レフカメラの最低ISO感度は100なので、明るさの調整はF値に依存します。
ご存知の通り、F値は明るさとともにボケ量も変動するため、開放で撮影するとなると、日中での撮影では白飛びは避けられません。
また、Log撮影のようなカラーグレーディングを前提とした動画撮影であれば、ISO感度は上がるため、さらに状況に応じて明るさの調整をするために、可変NDが活躍します。
では、静止画の撮影も可変NDで十分なのでは?とお考えになられると思います。
こちらの写真をご覧ください。
Nikon D800 – AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED – marumi CREATION VARI ND
可変NDの透過率を一番最低にした状態です。
!Main Note!でも記述しましたが、それぞれの偏光膜が垂直になった時、「理論的に」光を完全に遮断することができます。
しかし、製品の特性上、可変の角度を最大角の90度にすると写真のような、X状ムラと呼ばれるものが発生します。
また、PLフィルターを重ねて減光効果を得る仕組みですので、画面上の均一性を保つことが難しく、X状ムラと同様の現象が発生することがあります。さらに、風景撮影のような焦点距離が広角側のレンズになればなるほど、ごの現象は発生しやすくなるので、静止画撮影には固定NDを使用することをお勧めします。
以上を踏まえた上でマルミのCREATION VARI NDを使用した作例動画をご覧ください。
Leica M (Typ240) / Summilux M28mm F1.4 / Summilux M50mm F1.4
DJI Ronin-S / marumi CREATION VARI ND
| FHD 24fps – 1/60 |
!M100 Note!
動画撮影で角型フィルター?という方もいるかと思います。
使用するシーンによっては、marumiのGNDが活躍します。
静止画では海と空の風景写真は多くみられますが、動画もそのシーンが登場することは少なくないと思います。
特に、風景だけのシーンを動画として納めるのであれば、露出の調整を撮影の段階で行うことができます。
marumiのGNDは静止画だけでなく、動画撮影でも活躍する可能性を持っています。
通常のNDとの組み合わせでタイムラプス動画なども画面内で露出を分けることができます。
今回は簡単ではありますが、動画撮影をこれから始める方の一助になれば幸いです。
Vol.4は、StarScapeをご紹介します。
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