
今年も航空祭の季節がやってきました。
例年、8月下旬から全国各地の航空基地で航空祭が催されますが、11月3日の文化の日に合わせて行われる埼玉県の「入間基地 航空祭」は、他の航空祭と比較しても首都圏からのアクセスも良いこともあって、20万人以上が来場します。
入間基地以後も、福岡県の築城基地や、茨城県の百里基地などで航空祭が行われます。秋口から冬にかけてのほうが空気が澄んでおり、遠景撮影が求められる航空機撮影においては、下半期のほうが撮影しやすいと個人的に感じます。
今回はせっかくなので1億画素のGFX 100S IIと、フジノン GF500mm F5.6 R LM OIS WRの組み合わせで航空祭撮影に行ってみました。
500mmは、GFX 100S IIの44mm ×33mmのセンサーでは、フルサイズ換算で0.8倍となる400mmに。航空祭では500~600mmくらい欲しいというところなので、ややワイドな仕上がりになるかもしれませんが、はたして撮影できるでしょうか。
この日はところにより曇りの天気。
入間基地は多くの航空機・装備の展示がありますが、目玉はやはりブルーインパルス。
ブルーインパルスの演目までに空一面が晴れることを祈りながら機材をセッティングします。

飛行点検隊所属のU-680A。

遠くの重い雲をバックに遠ざかっていく姿。

2機編隊で離陸する練習機T-4。ブルーインパルスの元となる中等練習機です。

陸上自衛隊のCH-47J。見事なテクニックで吊り下げ輸送の高度なデモンストレーションが実施されました。

「空飛ぶクジラ」とも形容されるC-2輸送機。ダイナミックに空を通過します。

大型機体とは思えないような旋回・急上昇を見せてくれました。
そしていよいよ、ブルーインパルスがテイクオフ!


ダイアモンド編隊で会場を横切ります。やはりブルーはカッコいい!

編隊から一気にブレイク。まさに一糸乱れぬ完璧なタイミング。

編隊を組んだままの急上昇。

6機編隊で大きく空にアーチを描きます。
ちなみに今回のセッティングは、すべてRAWデータで撮影しました。
RAWデータだと1枚の画像あたり約200MB前後と、流石に1億画素では飛んでもない大容量。7コマ/秒の最大連写で撮影していると、デュアルスロットのSDカードもあっというまに満杯になってしまいました。
通常の撮影では、必ずしもRAWデータでの保存ではなく、jpegなどのデータもうまく活用するのが良さそうです。
RAWデータのメリットは、やはり現像時における調整のしやすさなどでしょうか。
ちなみに1億画素あればトリミング耐性も非常に優秀。例えば下記の画像をトリミングしてみましょう。


こんなにトリミングしても情報量がたくさん残っていることが分かります。凄まじいです。
実際に撮影してみた感想について。
AF追従能力は、当初想像していた以上にあり、ピントを外すことは思いのほか少なかったです。
ただ一度外すと、ピント位置が前後するストロークに中々時間がかかる為、いかにピントを外さないように被写体を追い続けるかというテクニックも多少必要になる印象がありました。
また、秒間7コマ連写は現代のミラーレスカメラと比較すると高速の物体を追い続けるのにはやや難しさがあります。何よりSDカードの性能により、バッファーが詰まりやすい問題も。
ただし、「アタリ」の写真が撮れた時の感動もまたひとしお。カメラの高いポテンシャルにより、素晴らしい写真となるやもしれません。
また、500mm F5.6は焦点距離のわりに軽量で取り回しやすく、GFX 100S IIも中判カメラとしてはかなり軽量な印象となる為、組み合わせて持っていてもまったく苦ではありませんでした。
撮りやすい組み合わせは数多くありますが、こだわりを持って1億画素で航空祭に臨めば、もしかしたら特別な体験が訪れるかもしれません。
■今回ご紹介した機材はこちら↓



