【FUJIFILM】GFX x あの銘玉。其の二
令和の響きにも慣れ、平成の二文字が懐かしく感じられる今日この頃、
あの銘玉を現代の高性能カメラに装着したらどうなるのか。
100Sの登場で盛り上がるフジフイルムGFXシリーズ、本連載では中判フィルムカメラ用レンズとの組み合わせで新たな可能性を探っていきます。
第2回は『FUJIFILM GFX50R』と『CONTAX Planar 80mm F2 645』という組み合わせ。
コンタックス645の代名詞ともいえるプラナーの80mm、外観だけで既に100点満点ですが写りは如何に。
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冒頭の椿やこのカットにもみられるとろけるような前ボケ・後ボケ、
これが見たいからプラナーの80mmを使っているといっても過言ではありません。
この写真がファーストカットだったのですが、リバーサルフィルムを覗いたときの高揚感がそのまま写し出されたようで思わずため息がこぼれました。
前回【FUJIFILM】あのレンズと共に。其の一で画角に変化をもたらそうと採用した65:24
換算約64mmとなる今回のレンズとの相性は良好、気付けばほとんどのカットをこの画角で撮影していました。
今回はレンズの特徴とともに、各フィルムシミュレーションの特徴についてもお話しできればと思います。
ここから横長写真が続きますがご了承ください。
プラナーの80mmの特徴でもある赤いゴースト、絞り開放付近・真逆光の時に強く現れます。
個性的な色・形、良く言えばこのレンズを使っている証拠と言えるでしょう。
太陽右側のハイライトに盛大なパープルフリンジ。
そこは1999年に『コンタックス645』との標準セットで発売されたレンズ、大目に見てあげてください。
ポートレートに適しているプロネガハイで近所の猫を撮影してみました。
クラシックネガやベルビアに比べ落ち着いた色味と豊かな階調、彩度やコントラストに頼りがちなときにハッとさせられるフィルムシミュレーション。
シネマライクなエテルナは人のいる風景撮影にぴったりではないでしょうか。
個人的には各シミュレーションのなかで眼で見ている映像に最も近く感じました。
動画撮影での使用が楽しみです。
ベルビアとは対照的なアスティア。
上品さと柔らかさを兼ね揃えた、人物撮影でも試してみたいシミュレーションの一つです。
筆者がフィルム撮影を始めたときには終売となっていたリバーサルフィルム、一度でいいから使ってみたかった。
最後は定番のクラシックネガ、盛り過ぎない良い塩梅ですね。
マウントアダプターにはフリンガーのFR-C6GFを使用しましたがオートフォーカスはゆったり、被写体のほとんどが植物ということもありマニュアルで合わせることが多かった印象。
撮影データは勿論、レンズ名までしっかり記録されている点には驚かされました。
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絞り開放から見事に描写するプラナー80mm、逆光時のゴーストやハイライトの滲みなど甘さもありますが生かすも殺すもあなた次第。
筆者自身、まだまだ使い込む必要がありそうです。
次回は中判カメラ界の雄ともいえるあのレンズが登場、お楽しみに。