
千葉県の銚子へと行く機会があり、その際に撮影も楽しんでまいりました。
撮影がメインではない旅に持って行くカメラは荷物を圧迫しないコンパクトなものを選びたい、でも描写にも妥協したくない、そう思って選んだのはFUJIFILM GFX 100RFです。
フルサイズの約1.7倍という大きなセンサーを搭載していながら、質量はバッテリー込みでわずか約735g。
レンズ一体型のコンパクトデジタルカメラのため、レンズも込みの重量だと考えれば中判カメラの中ではとても軽量な部類に入ります。
また、35mm F4のレンズはとても薄く、かさばらずに持ち運べるのも嬉しいポイントです。

この日の天気は、あいにく雨が降ったりやんだり。
雨が落ちついた隙に外に出ると、露に濡れたブルーベリーが目に留まりました。
35mm判換算で約28mm相当のレンズで広角ではありますが、最短撮影距離が0.2mと被写体にしっかりと寄ることができるため、狙ったところを際立たせるのも難しくありません。

銚子と言えば日本屈指の漁港町。新鮮な海鮮が豊富に集まる町です。
夏が旬の岩牡蠣をいただきました。身は大きくつやつやと輝いており、ジューシーな磯の香りが口いっぱいに広がります。
撮って出しでもこってりとした濃厚な発色は、フルサイズではなかなか出しにくく、まさに中判ならではの表現力だと実感します。
また、100RFにはデジタルテレコンバーターが搭載されており、35mm判換算で35mm、50mm、63mm相当の画角が選択可能です。
クロップによって画素数は減少するものの、約1億200万画素という圧倒的な高画素センサーのおかげで、デジタルテレコンを使用しても高い解像感を残してくれます。
操作面に関してもメニュー画面の奥に入るような煩わしさはなく、ボディ正面の切換レバーで簡単に選択できるので直感的な操作ができます。


宿泊するホテルへ到着し、目の前に広がる夜の海を撮影しました。
風が強く海は少し荒れ気味で、白波が立っています。
沖合の方は明かりがほとんどないかなり暗い環境でしたが、建物の明かりのおかげで海の中の大きな岩まで描写することができました。
ライトの光が暗闇にじんわりと広がっていく様子からも、中判の大きな魅力である階調の豊かさがよく分かります。



GFX 100RFにはアスペクト比切換ダイヤルがついており、9種類のアスペクト比を変更することができます。
カメラのトップ側から、自分が今どのアスペクト比を使っているかをひと目で確認できるのも便利です。
筆者のお気に入りは17:6。100RFから新しく採用された比率であり、映画のワンシーンのような物語性や雰囲気を演出してくれます。
車の助手席から写真を一枚。
青田が広がる風景は小さい頃に祖母の家によく行ったことを思い出しますが、年々田んぼが減ってしまっているのを寂しく思います。


犬吠埼にある灯台へ。
高さ約32メートルのレンガづくりの西洋式灯台であり、全国で16基の登れる灯台のうちの一つです。
また、犬吠埼は本土では関東最東端に存在しているので、島を除いては日本で最も早く日の出を見られる地でもあります。
せっかくなので上まで登り、風景を撮影することにしました。99段のらせん階段を登りきる頃には息が切れてしまいましたが、上からの景色は壮観です。
あいにくの曇り空で海と空の境界線が曖昧でしたが、換算28mmの広角な画角が活き、目の前に広がる海の雄大さをしっかりと写真に収めてくれました。


灯台の中には船の模型などが展示されており、隣接する資料展示館ではこの灯台が辿ってきた歴史を学ぶことができます。
灯台自体が円柱形のため、一見すると背景の煉瓦に歪みがあるようにも見えますが、実際のレンズは周辺減光や歪曲収差の少ない、すっきりシャープな描写力を誇っています。



こちらには灯台の電球とレンズが展示されていました。
てのひらサイズの小さな電球でも、前にフレネルレンズを配置することで光を増幅させ、遥か遠くまで照らすことができるそうです。
これまでは大きさと重さを理由に、どれほどその写りに惹かれても選択肢から外していたラージフォーマットのカメラ。
プロの方が仕事で使う機材というイメージも強く、実際に使うまでは「日常的にGFXを持ち歩く」という姿が想像できていませんでした。
ですが、GFX 100RFを手にしたことで、その印象は大きく変わりました。
「最高の画質を、もっと身近に持ち歩く」という贅沢な写真の楽しみ方を教えてくれる魅力的なカメラです。



