
冬と春が交互に訪れるような今の時期、まさに三寒四温といったところでしょうか。
この頃は野鳥撮影のため、ひと昔前を考えれば軽くなったとはいえ比較的大きく重たい機材を持ち運ぶことが多いのですが、やはり軽い機材でぶらぶら散策したくもなるもの。というわけで今回はFUJIFILM X-E5 XF23mm F2.8 R WRレンズキットを使用し、オールマイティに使えるフィルムシミュレーション「REALA ACE」で早春スナップと洒落こんでみました。
12月や1月は木々も足元の植物も枯れたように勢いをなくして煤けたような風景でしたが、2月も立春を過ぎて早春ともいうべきこの季節、よく見てみれば植物が芽生えてきたようです。
毎回の通り道でもある緩い坂、左側の枯れ木のように見える紫陽花たちも細い枝の先に小さな葉を伸ばし始めています。右側はハーブ園となっており、もう少しすれば青々としたハーブとその花が咲いて虫たちで賑やかになることでしょう。
こちらもハーブの一種。年月を感じさせる看板の品名は残念ながら判読不能でしたがアーティチョークでしょうか。ぎざぎざとした厚みを感じさせる大きな葉が特徴的です。
小川沿いに差し掛かったところで本日の目的のひとつであったカワヅザクラを発見。山を背にしたような小川沿いで日当たりがあまり良くはない場所だからかまだつぼみが膨らんできた段階です。ほぼ最短撮影距離である0.2m付近で木漏れ日を玉ボケとしてみました。
見ごろを間近に感じさせたサクラを撮影してから小川にもレンズを向けてみます。35mm判換算で35mmは広すぎず狭すぎないほど良い画角でトラベルフォトにもおすすめ。やわらかい日差しの空気感や、水位の低くなった水面のリフレクションも写し取ってくれています。
小川沿いを歩いて数分、大きな池がある場所へたどり着きました。この池では冬鳥でもある数種類のカモやサギ、街中でも見かけるポピュラーな野鳥など多くの姿を見かけることができます。
ちなみにほぼ中央部分の木の上にチュウサギの姿がありますが見つけられたでしょうか。
明るい水辺から山の方面へ。だいぶ自然を生かした階段はしっかりした作りですがなかなかに急です。こういう場面では特に軽いボディとレンズの組み合わせに安堵を覚えます。ちょっとした運動不足でも、短くて急な階段も、足場の悪い水辺も落ち着いて散策可能です。
薄暗い林の中、シダ植物に差し込む光が綺麗で思わずシャッターをきっていました。ネガフィルムが苦手にしていた、紫や黄緑のように複雑な色の再現性が特徴の「REALA ACE」は、深く軟らかなシャドウと硬めのハイライトを持つオールマイティなフィルムシミュレーション。何気ないシーンも澄んだ奥行きを感じられるような、大げさになりすぎない描写が魅力的でスナップに最適だと思います。
ちょっとした山の散策を終えて向かうは今回の最終目的地である梅園です。
すっきりとした青空に白くて小さい梅の花、あたりを漂う梅のいい香りに思わずカメラを置いて深呼吸していました。落ち着いたところでカメラを構えてああでもないこうでもないとファインダーを覗くのはとても楽しいひと時でした。
太陽の光を透かす花びらに着目、まだまだつぼみも多く暫らく楽しめそうです。平日の午前中でしたが他に人の姿もなく、聞こえてくるのは木々の騒めきと鳥のさえずりのみ、撮影が楽しいのはもちろんですがこういった時間はリフレッシュに最適です。

思う存分梅を楽しんだ帰り道、普段はパンジーばかり植えられている花壇にそっとうつ向きがちに咲く花を見つけました。屈みこんで花の高さに合わせて撮影する際には X-E5のチルト式液晶モニターが便利です。遠目には普通の白い花びら、内側はなかなか特徴的なこの花はクリスマスローズ、品種によりますが12月から咲き始め、ちょうど今の時期が見ごろのようです。

X-E5は精密なアルミの削り出しのみで加工したカメラ軍艦部を採用した、クラシックかつ高品位な佇まいが魅力的なカメラです。個人的に好きな部分がこの窓付きのフィルムシミュレーションダイヤル部分。選択中のフィルムシミュレーションを示す指標プレートが見えるデザインはシミュレーションの切り替え以外でもただ回してみたくなってしまいます。
ボディとレンズを合わせても約535gという軽さで、レンズ自体も最小・最軽量クラスの控え目なサイズ感とちょっとしたコンパクトデジタルカメラのように持ち歩けます。所有する悦び、撮影体験の楽しさを味わえる幅広いユーザーにおすすめのカメラです。



