

「FUJIFILM GFX 100RF」の発売から早半年以上が経ちました。ラージフォーマットセンサーを搭載したレンズ一体型コンパクトカメラが約735gと1kgを切る軽さで楽しめるとして、好評を博しています。今回はそんな「GFX 100RF」のマルチアスペクト「65:24」や「17:6」に注目してみたいと思います。アスペクト比 「65:24」や「17:6」はフジフイルムの歴代カメラで使用されていたアスペクト比です実焦点距離以上の広がりを感じることができるので、レンズ一体型の「GFX 100RF」にとっては重宝するアスペクト比となっています。ただ、写真として見せようと思ったときに、そのままの細長い写真のままでは物足りない気も。そんなわけで上下に黒帯を取り付けてみました。「GFX 100RF」のアスペクト比のベース「4:3」ではなく、最も一般的なアスペクト比にしています。「4:3」では 縦8736pixelだったので「17:6」では4112pixelと半分以上のカットです。そのかわりに得たパノラマかつシネマティックな画をぜひご覧ください。
手前から画面外まで続いていく道路の線。横長にしたことでこの線を強調することが出来たと思います。タクシーのマットな感じのイエローカラーがよく出ていて、気に入りました。こういう渋い色がちゃんと出てくれて嬉しいです。フィルムシミュレーション「PRO Neg.Std」も繊細な色感を出すのに非常に適したフィルムだと思います。

このカット、RAW現像時にハイライトのパロメーターをほぼ左端になるくらいまで下げてみました。室内に露出を合わせているのでやはり窓の外は真っ白。ここまで丁寧に情報が残っているということにラージフォーマットセンサーの情報量の豊富さを実感します。そして、実はシャドウも左に半分くらい上げています。あまりやりすぎると違和感が出てしまうので、ギリギリのところで止めました。グラスの光沢感や見事。現像を前提にした思い切った露出の調整が出来るのは「FUJIFILM GFX 100RF」の強みだと思います。

ストリートピアノのように偶然出会える音楽が好きです。ホールのような場所で音が響いていく感じが良く、結構聴き言っていました。横長のマルチアスペクトが、映画みたいな印象を与えます。ダイヤルですぐにアスペクト比を変えることが出来る造りが気に入っています。

1つ1つの椅子の脚の金属の質感。クローズアップすれば細かいところまで描写するのは分かるのですが、この引きの画でもカッチリと写すところが「FUJIFILM GFX 100RF」の凄いところです。1億画素とラージフォーマットセンサーの組み合わせは、空間における被写体の位置関係をより厳密に描いてくれている気がします。それが奥行きがあるということになるのでしょうか。中判らしさ、というものを感じるのはこういう描写でもあります。

この写真もハイライトを下げて、シャドウと黒レベルをガンガン上げて現像しました。手前の持ち上がっている板は真っ黒なシルエットでした。ハイライトを調整することで、ときおり小雨の降る曇り空の輪郭もうっすら見えてきています。ここまでやるとHDRっぽくなってきますが、それでも強烈な違和感をあまり感じません。

この写真はRAWからストレート現像です。遥かむこう、すこし靄がかかっている対岸を繊細な描写で描きます。解像感がないというわけではありません、巨大看板の文字ははっきりと読み取れます。同じ状況で他のカメラで撮ったわけではないので比較できることではありませんが、難しいシチュエーションでも実力を感じることが出来るカメラです。

安定・安心のクラシックネガ。この「イイ感じ」な仕上がり具合はクセになります。RAW現像で調整する必要がなくなる、というのも人気の一つじゃないかなと思っております。実際にはかなり強めに調整されていると思うのですが、それでもなお全体のトーンに余裕を感じるのは私だけでしょうか。私だけかもしれません。

照明の光が滲むステンドグラス。この滲みをちゃんと滲みとして表現してくれることに信頼が生まれます。繊細な光を表現するならフィルムも繊細なものを選んだほうがいいはず。そう思っての「PRO Neg.Std」です。

実は「65:24」「17:6」の写真が入り交じっているのですが、黒帯だけでは判別するのが難しいと思います。実際に撮影した中にはもちろん普通のアスペクト比で撮ったものもありますが、その中から横長写真だけを取り出して並べるだけでも、十分に楽しいカメラです。後処理でアスペクト比を変えるのとは違う、細長い画だからこそ、撮りたくなる画というのがあります。こんな風に黒帯をつけるには、どうしても後処理は必要になってしまうのですが、当てはめて写真を作っていく作業がまた楽しかったりします。RAWデータがあれば、元のアスペクト比にも戻せるので、ぜひどんどん使ってみてください。





