GFX50Rと過ごした1年間
2020年を思い返すと様々なことがありました。
写真が好きな筆者としては思うように外出できないのが心苦しくはありましたが、心穏やかに自宅での撮影を楽しんだり工夫しながら過ごした一年でした。
さて、そのなかで一番触れる機会が多かったカメラがGFX50Rです。
昨年もたくさん使用したのですが、今年の6月末にはフィルムシミュレーションの追加という素敵なサプライズもあり、より一層お気に入りのカメラとなりました。
GFX50Rと共に一番よく使用したのはGF 50mm F3.5 R LM WRです。
ラージフォーマットの大きなイメージセンサーをカバーするGFレンズの中ではとても小型軽量に作られています。
フォーカス時にレンズの繰り出しがないインナーフォーカスによりどんな時でもコンパクトに持ち歩くことができます。
今回はそんな機材で撮影した1年間を振り返ってゆきたいと思います。
2020年は家でじっとしていることが多かったのですが、その中での楽しみがちょっと贅沢なおやつでした。
特に心惹かれたのは「あんみつ」でした。
近所のスーパーでお気に入りの甘味処のあんみつを手に入れることが出来ました。
いざお店で食べるとなると少し足を伸ばさなくてはいけないので、手軽に手に入るのはとてもうれしいことです。
料理の写真を撮る前に食べてしまう筆者ですがあまりの感動に珍しく写真を撮っていました。
筆者は蜜を寒天にかけてから豆を加えます。ひとしきり「みつ豆」の状態を楽しんでから具をのせて「あんみつ」を食します。
歯切れのいい寒天と滑らかなこし餡、モチモチの求肥が堪りません。とても幸せな気持ちになります。
少し行儀が悪いですが、片手でGFX50Rを持ちながら黒蜜を注いでいるところを撮影しました。
中判デジタル機を片手で持ちながら撮影できるというのはとてもすごい事であると感じながらあんみつを食べました。
室内という限られたなかで自然光を取り入れながら写真を撮るのも楽しいと思いました。
予定を最小限にとどめ、すこし足を伸ばして京都へ訪れる機会がありました。
河原町から祇園にかけて歩くだけで好奇心を刺激されます。
京都市は住んでみたい街のひとつです。自転車があればどこへでも行けるのではないかと思ってしまいます。
今回の写真は全てクラシックネガのフィルムシミュレーションで撮影したものです。
クラシックネガはX-Pro3で初登場し、現在発売されているX100V、X-T4、X-S10にも搭載されています。
フィルムカメラで写真を撮るのが好きな筆者としては、これをGFXで使ってみたい…。と思っていた矢先のアップデートでGFXシリーズにも追加されたのでした。
あまりに嬉しかったのでアップデートがきた日のことを鮮明に覚えています。
夕飯の買い物に出かける前にアップデート情報を発見しそのままインストール、食材を抱えつつスナップ撮影をしながら帰りました。
カメラのアップデートでこれほど胸が熱くなったのは初めての経験でした。
『とある50R ~GFXでクラシックネガ編~』 では興奮冷めやらぬまま、過去のRAWデータに追加されたフィルムシミュレーションをあてるという荒業を駆使してクラシックネガの良さを語っております。
FUJIFILMの『X-Pro3 Stories, #2 銀塩フィルムから学ぶ』にもある通り、少し露出をオーバー目に撮影することでクラシックネガらしさが最大限に出ると感じます。
このカットでは空の色は微かに残り、朱色が際立つ立体感のある色が表現されています。ビビットになりすぎない優しい色味も綺麗です。
GFX50Rは5000万画素級の高画素モデルに位置付けられますが、センサーが大きいため画素ピッチにもゆとりがあり、それゆえ豊かな階調を得ることができます。
京都の帰りがけに寄った雨の伊勢神宮、傘をさしていたのでつい有名な写真家のカットを意識してしまいました。
ボディ、レンズ共に防塵防滴の組み合わせであるので多少の小雨程度であれば問題なく使用できます。
ちょっと出かけた時にうれしい機能です。
こちらはGFX100 + GF250mm F4 R LM OIS WRにて撮影したコウノトリです。
1億画素という信じられない画素数をもつGFX100はGFX50シリーズとはまた違った印象を受けました。
撮影したデータをどんどん拡大してもまだいける…まだいける…とトリミングの幅が驚くほど広いのです。
それでいてノイズも気にならない。AFもGFX50シリーズより格段に速く素晴らしいカメラだと感じました。
「1億画素で写真に残す」という魅力に引き込まれそうになりましたが、RAW現像作業中にうなりを上げる自宅のパソコンを見て我に返りました。
作業環境をを考えてみても筆者にとってはGFX50Rがベストチョイスだと改めて感じます。
『まさに圧倒的、FUJIFILM GFX 100』では、うなりを上げながらも編集したGFX100の写真をご紹介しています。
筆者が思うGFXを持ち出したくなるシチュエーション第一位は海です。
特にクラシックネガが登場してからそう思うようになったのですが、解像感、階調、立体感、どれも最高であると思います。
広大な海はどんなカメラで撮っても素敵な写真になりますが、このカメラで撮る海は特別お気に入りです。
今年も横長の写真を好んで撮影していました。
横長写真の魅力は『横長写真同好会』にてお伝えしております。
ふと見た景色も映画の一コマのようになります。
一年も残すところあとわずか。やり残したことを探す日々ですが、今年の写真を振り返りながらのんびり過ごすのも素敵なことです。
GFXで撮影した写真は実際にプリントすると改めて良さを実感することができます。
ご購入の際にはぜひプロラボクリエイトのプリントもご体感ください。
それでは、来年も良い年になりますよう。