
【HASSELBLAD】新製品 X2D II 100Cが登場!
1.待望の新製品 X2D II 100C
8月26日に発売となった、HASSELBLADの新製品 X2D II 100C。
高精細な写真撮影が可能なことで定評のあったX2D 100Cに対し、オートフォーカス性能や手振れ補正のさらなる進化に始まり、そのほかにもユーザーの利便性を向上させる多くのブラッシュアップが施されて登場しました。
今回はそんなX2D II 100Cを早速ご紹介いたします。是非最後までご覧ください。
2.X2D II 100C の作例をご紹介
それでは、X2D II 100C の、まずは作例から見ていきましょう。
ややハイキー目なカットから。デジタルカメラのセンサー特性は、通常ハイライト側の情報量が残りにくい傾向がありますが、難しい環境でもこれだけ描き取る力があります。
X2D II 100C + XCD 55mm F2.5 V
この日は夏らしい天気に恵まれました。快晴の日であれば、X2D のころからの魅力的な超低ベース感度を存分に満喫できます。
X2D II のベース感度はX2D 100Cをさらに下回るISO50まで設定可能。さらにダイナミックレンジは15.3ストップまで向上しています。
X2D II 100C + XCD 55mm F2.5 V
X2D II 100C + XCD 55mm F2.5 V
X2D II 100C + XCD 20-35mm F3.2-4.5 E
シャドーからハイライトまでの滑らかなグラデーションと、ディテールの再現性をご覧ください。これぞ中判1億画素センサーの面目躍如といったところ。
X2D II 100C + XCD 55mm F2.5 V
X2D II 100C + XCD 55mm F2.5 V
X2D II 100C + XCD 55mm F2.5 V
近接撮影が続きました。いずれのカットでも、前後のボケの効果を見ることができます。透明感のある描写は、優れた立体感からもたらされるという印象がありますが、まさにこの描写はそれを体現しているかのよう。
3枚目のふと視線を落とした窓際を捉えたカットは、材質の細かな塗装がキラキラと反射していて、さながら肉眼で見ているかのような立体感に息をのみます。こういったディテール再現の妙味も、中判センサーの恩恵のひとつです。
X2D II 100C + XCD 20-35mm F3.2-4.5 E
構造物もコントラストも入り組んだカット。このような複雑な表現も、カメラ任せでも丁寧に描き分けてくれるのが大変使いやすいポイントです。
X2D II 100C + XCD 55mm F2.5 V
一面の倉庫をやや俯瞰するカット。遠くのほうを飛ぶジェット機や、コンテナやクレーンの細かい構造の描写に驚かされるばかりです。
3.X2D II 100C の注目スペック
X2D II 100C を正面から撮影しました。一瞥してのX2Dとの違いは、グリップの皮革パターンの変更と、メーカーロゴが白塗りではなくなっているあたりでしょうか。
従来もあったこのソリッドな外観・・・洗練されたプロダクトデザインだと感じます。
しかし、中身は大きく変化しています。新型センサーによる、15.3ストップへと新たに進化したダイナミックレンジと、16bitもの色深度、そして独自のハッセルブラッド ナチュラルカラーソリューションにより、HDRも大きく進化。中判サイズの高画素センサーからもたらされるこの圧倒的な描写性能こそ、全機種から受け継がれた、X2D II 100Cの神髄と言えましょう。
さらに特筆すべき点として、画像中心部ではCIPA規格で5軸10段の手振れ補正を実現。10段というとなかなか聞きなじみがなくピンとこないかもしれませんが、X2D 100Cとの比較で最大8倍ほどの手振れ補正効果で、広角レンズでは数秒間シャッターを切っても手振れ補正できるとのこと。
実際、普段他社メーカーでフルサイズの機種を使っている私には、オートホワイトバランスである程度カメラ任せにしていても、ここまでカラーバランスの描き分けができるカメラは他に無いという気さえします。一度触ると、背面モニターでもそのカラーマネジメント能力に驚かされるほどです。
X2Dからかなり優れたカメラではありましたが、弱点がなかったわけではありません。X2D 100C、もとい、中判デジタルカメラの世界である程度全般に言えることではありますが、オートフォーカス性能が35mmフルサイズと比較してやや鈍足になる傾向がどうしてもありました。
しかし、X2D II 100Cはここにも大きな進化がもたらされました。
なんと、すでに搭載されている像面位相差AF(PDAF)に加え、LiDAR のフォーカスユニットが搭載されたのです。これにより、従来よりも低照度の環境などにおいても、AF-Sモードではパッシブとアクティブのフォーカスの複合技術でよりスピーディかつスムーズなフォーカシングか可能になりました。
また、あらたにAF-C(コンティニュアンス)が追加されました。人間、車両、猫、犬の被写体検知も可能となり、中判カメラとは思えない迅速なフォーカシングが可能です。
シャッターボタン右側に四角い窓が。これがLiDAR フォーカスのシステムとのこと。
LiDARフォーカスは不可視光線を飛ばし、それが反射した物体までの距離を計測するシステムです。
背面の操作系では、ジョイスティックとファンクションボタンが新たに追加。いままでややシンプルすぎると感じる方も多かった操作感に、フォトグラファー好みのインターフェースを追加することが可能になりました。また、液晶パネルのチルト角度も上下方向で追加され、地味に不便だったローアングル、ハイアングルの撮影が圧倒的に行いやすくなりました。
LiDAR技術や手振れ補正技術は、普段からドローンやハンドヘルドジンバル製品を手掛けるDJI社の真骨頂ともいえる技術力を感じます。
新たに登場したXCD 35-100mm F2.8-4 Eも含め、ますます充実する HASSELBLAD Xシステムから目が離せません!
今まで中判センサーデビューをしたくても、二の足を踏んでいた方にこそ、ぜひ体験していただきたいと感じるカメラでした。
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