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【HASSELBLAD】デジタルバックという選択肢~907Xの誘惑~

HASSELBLADをフィルムカメラ時代から使ってきた方も、そうでない方も、
非常に気になっている方が多いHASSELBLAD 907X 50C。

本日ご紹介するのはそのデジタルバック部分であるCFV II 50C です。
往年の500シリーズに装着するだけで、デジタルカメラに早変わり!そんな夢のようなアイテムです。

~使用機材~
HASSEL BLAD 907X 50C(CFV II 50C)
500C/M
Planar C80mm F2.8 シルバー
(通称6枚玉と呼ばれる初期型。有名なT*コーティングが施される前のモデル。)
S-Planar C T*120mm F5.6 ブラック
エクステンションチューブ16
エクステンションチューブ56

はたして数十年前のレンズでもCFV II 50Cを楽しむことが出来るのでしょうか。

では早速ご覧ください。

今回はすべてJPEGで撮影しました。
HASSELBLAD 500C/M + Planar C80mm F2.8 non T*(6枚玉) + CFV II 50C

早くもピント合わせの壁にぶつかります。
アキュートマットではないスクリーンでの撮影。ルーペも駆使しますが、思った以上にピントが合わない!
いかに日頃からライブビュー撮影に甘えているかを思い知らされます。

もしかすると、知らない間にミラーの角度がズレていたのでは?と懐疑的になってしまいます。
HASSELBLADがオーバーホールを勧める理由はこういったところにもあるのでしょうか…。

ちなみにこちらの CFV II 50Cはライブビュー撮影が可能です。
熟練のHASSELBLADユーザーの方なら直ぐに分かるかもしれませんが、ライブビュー撮影をするには、
露光している状態 = レンズのシャッターとバックシャッターを開き、ミラーが上がっている状態をライブビュー中キープし続ける必要があります。

私も頭に?を浮かべながら悪戦苦闘したので、簡単にご説明を。

~ライブビュー手順~
☆Cレンズ×500シリーズボディの場合
(巻き上げた状態から)
1.レンズ側のシャッタースピードをBにセットします。
2.画面下の方にあるライブビューアイコンを押します。
(1と2は入れ替わっても大丈夫です。)
3.シャッターボタンの根元に付いているレバーをTの位置に動かします(503CXまでの機種限定。503CXi以降では指やレリーズケーブルなどを用い押し続けます。)
5.シャッターボタンを押す。

☆CFレンズ×503CXなどのミラーアップ機構搭載ボディの場合
(巻き上げていない状態から)
1.レンズのシャッタースピードをFに合わせ、巻き上げる。
2.ミラーアップする(巻き上げクランクの下にある平たいボタンをクランク側に押し込む)
3.ライブビューボタンを押す。

この後は、ライブビューを解除し、絞り・シャッタースピードを適正に合わせシャッターを切りなおすという手順になります。
そのため、この機能を使うには三脚の使用が前提になると思われます。
また、ライブビューが中断されてしまうハプニングが多発しましたが、ライブビューアイコンを押すことで再開できました。

手順を鑑みても三脚に据えて静物を撮る際に重宝する機能かと思います。
ちなみにライブビューをしても測光はできませんので、単体露出計か、勘で測ることになります。
私はアジャスタブルフラッシュシューというアクセサリーにVoigtlander VCメーターIIを装着して撮影しました。
アジャスタブルフラッシュシューについてはこちらをご覧ください。

さて、ピントが合ってなくても気を取り直して撮影していきましょう!
デジタルなら何枚切っても大丈夫ですから!
(とは言ったものの、JPGでも20MBを超えることがあります。容量の大きいSDをお勧めいたします!)

HASSELBLAD 500C/M + Planar C80mm F2.8 non T* (6枚玉) + CFV II 50C

T*コーティングではない時代のレンズだからか個体差か、最新のデジタルバックを用いても、色味は落ち着いていて、優しい印象です。
それにしてもマンションの壁面など、50年代のレンズでもここまで細かく緻密に写るのかと驚きました。

HASSELBLAD 500C/M + Planar C80mm F2.8 non T* (6枚玉) + CFV II 50C

やはり古いレンズは光源の影響を受けやすい気がします。
光源次第では、優しい色合いと抜けの良さ(場合によっては悪さ)をいい塩梅で楽しめます。
ハイライトや空の色がやや弱い気もしますが、シャドウの粘りや階調はオールドレンズと中判センサーのなせる技でしょうか。

HASSELBLAD 500C/M + Planar C80mm F2.8 non T* (6枚玉) + CFV II 50C

日差しが強く、肉眼でも霞んで見えた新宿のビル群。
距離とともに霞んでいく風景や、手前の松と笹の色の差も出ていることに驚きました。
やはり中判の魅力は引き伸ばし耐性や解像度だけではありません。

HASSELBLAD 500C/M + Planar C80mm F2.8 non T* (6枚玉) + CFV II 50C

ウエストレベルのカメラを持つとついつい撮ってしまう定番カット。
もう少しスタイルがよければエルスケンのようなセルフポートレートがしたいですね。(エルスケンはローライですが。)
潰れそうで潰れない、豊富なグレートーンに驚かされます。

さて、手とレンズのグリスが冷え切ったところで、(Cレンズはギザギザが乾燥肌に痛い。)
ここからはおうちで物撮りにチャレンジです。やっと120mmの出番がやってきました。

今回は2つのエクステンションチューブを重ねて使用しました。
エクステンションチューブの使用にもいくつか注意が必要です。
※手前からエクステンションチューブを大きい順に重ねていき、最後にレンズを取り付けます。
外すときは逆の手順になります。
この順番を守らないとシャッターが突然切れてしまい、レンズが外せなくなる原因になります。

物撮りと格好よく言ったものの、大した被写体がないので、身近なものを撮っていきます。

HASSELBLAD 500C/M + S-Planar C T*120mm F5.6 + CFV II 50C

細さ2~3mmの眼鏡のブリッジに刻印された文字です。
古いレンズですが、さすがMacro Planarの前身だけあって健闘しているのではないでしょうか。
肉眼では気付けない汚れやゴミまでもシャープに鮮明に写し出すのに悩まされました。

今回は三脚なし、レリーズケーブルのみ。
卓上にカメラと被写体を置き、高さをレンズキャップなどで調整し、突貫撮影です。
背景紙などがないので、部屋を暗くして背景を黒く潰しています。
ストロボは古い外光オートのものをレンズのX接点にコードで繋ぎ、机に置いてフル発光させ、角度を調整しながら撮影しました。
令和の世に最新デジタルバックを使っているにも関わらず、とってもアナログです。
こういったクロスオーバー感もデジタルバックならではの楽しみのひとつ。
フルでシステムを組んでいる方はそのまま移行できるのではないでしょうか。

HASSELBLAD 500C/M + S-Planar C T*120mm F5.6 + CFV II 50C

購入してすぐ落としキズだらけになった可哀そうなライカフード SOOMP を被写体として採用。
このフードが生まれた当時は、刻印も手作業だったのでしょうか。
拡大して見ると少しずつ彫っていったような痕跡が見て取れます。刻印の原板の凹凸かもしれません。
普段よりも生々しく感じるキズに罪悪感が芽生えました。

HASSELBLAD 500C/M + S-Planar C T*120mm F5.6 + CFV II 50C

こちらもお気に入りのライカフード XOOIM です。
ずっしりとした金属フードで、細かなちりめん加工がとても気に入っています。
しっかり解像しているので、拡大すれば迷路として遊べそうです。
レンズはズマリットL50mm F1.5後期。現代のレンズのシルバーとは少し違うクロームの輝きが、より魅力的に写し出されています。

HASSELBLAD 500C/M + S-Planar C T*120mm F5.6 + CFV II 50C

レンズの根元のローレットをご覧ください。
この細かなギザギザを見事に写しています。
アポレンズではありませんが、フリンジも殆ど見られず、高い描写性能を発揮しています。

HASSELBLADの良いところは、Carl Zeissのレンズが使えること、堅牢なスウェーデン鋼で作られていること、完成されたシステムであることなどが挙げられると思いますが、
個人的にはRolleiなどと対極にあるような、存在感のあるシャッター音が気に入っています。
このシュボッという小気味良い音に乗せられ、バシバシとテンポよくシャッターを切ることができます。
フィルムではシャッターを切るのに躊躇していたシーンでも、デジタルなら怖気ずに撮っていけます。

HASSELBLAD 500C/M + S-Planar C T*120mm F5.6 + CFV II 50C

肉眼では気づけないような塗装のはげ、小さな凹みなど、マクロ撮影をするとよくわかります。
商品撮りという訳ではなく、ひたすら「何か」に寄って撮ってみるというには初めての経験でしたが、楽しくなってきました。
身近なものでもマクロ撮影をしてみると新たな一面を発見できるかもしれません。
ベローズを手に入れてもっと近づいてみたいと思いました!

いかがでしたでしょうか。
古いレンズということや初めてのデジタルバックということで、不安を抱えながらの撮影になりましたが、
マニュアルでのピント合わせ、露出は勘と、最近忘れていた感覚を思い出し、不便さも楽しく感じながら撮影することができました。
このCFV II 50Cにはデジタルバックは取り扱いが大変そう、という心理的ハードルを簡単に取り除いてくれる手軽さ・快適さがあります。
500C/Mは1970年発売。CFV II 50Cより50年ほど前のカメラですが、あたかも最初からこういうパッケージで販売されているかのように扱えるというのは本当にすごいことだと思います。

最後に。
この CFV II 50Cは、とにかく撮影枚数を気にせず現像待ちなしで撮れるのが最大のメリットです。
休みの日に1本120フィルムを使うと、3~4年ほどで CFV II 50C(907X 50C)が買えるくらいといえば、
このカメラのコストパフォーマンスの高さがお分かりいただけるのではないでしょうか。

是非この機会にご検討ください!

 


 

[ Category:etc. | 掲載日時:21年04月10日 14時35分 ]
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