
いよいよ季節は夏真っ盛り。
日々暑さにうんざりしてしまうような気候でなかなか外で撮影をするのが億劫な季節ではありますが、それと同時に毎夜のように各地で花火の音が聞こえてきます。
今回は様々な花火の撮り方を、Map CameraのWebマガジン「StockShot」の豊富な作例を交えながらご紹介いたします。
難しい印象があるかもしれませんが、実はコツを押さえるだけで簡単にできる花火撮影。ぜひ撮り方の参考にしていただければと思います。
準備編

花火撮影は準備が肝心です。撮影前に事前に用意しておく機材について紹介していきます。
1.カメラ・レンズ

カメラやレンズについては、特にこれでなければいけないということはありません。特にレンズは高級なものを使う方がいいと思われがちですが、花火撮影でよく使用する設定ではF値を絞り込むことが多いので、カメラを購入する際に一緒に買うことのできるキットレンズでも問題なく撮影可能です。

こちらはCanonのキットレンズ「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM」で撮影した写真です。
ボディもAPS-Cセンサーを搭載した「Canon EOS 7D MarkII」を使用しています。
2.三脚

場合によっては1分を超える長時間露光をすることもある花火の撮影では、カメラを強固に固定することが重要になります。
三脚は大きく分けて「脚」と「雲台」の2つの部品で構成されています。三脚と言われて想像するような、3本のチューブが生え伸びているのが「脚」、その上に取り付けられている、カメラの構図を調節するための部品が「雲台」です。
脚も雲台も耐荷重が存在しており、載せるカメラに対応した大きさのものを選びます。
また雲台には「3Way雲台」や「自由雲台」などといった種類が存在しています。主にカメラの動かし方に違いがありますが、どちらでも撮影をすることができます。
3.ケーブルレリーズ

花火の撮影では特に、シャッターボタンを押して撮影すると写真がブレてしまう原因になります。またバルブモードでの撮影はシャッターを押し続ける必要があるため、これを防ぐために遠隔でシャッターを切ることのできるケーブルが重要です。無線タイプと有線タイプがありますが、無線タイプは花火会場は多くの人で賑わい混線によってシャッターが切れなくなってしまうことがあるので、有線タイプがおすすめです。
使用するカメラによって対応するケーブルレリーズが用意されているので、ご購入前にご確認くださいませ。
各メーカー用の代表的なレリーズがこちらです。同じメーカーでも異なるレリーズケーブルを使用する場合がありますので、対応機種をご確認ください。
4.NDフィルター

夜間の撮影といえばISO感度を高くしてF値を小さくするイメージがありますが、実は花火撮影はその逆で、いかに光量を抑えるかが写真の出来栄えに関わってきます。というのも花火の閃光は目で見る以上に明るく、普段の夜間の撮影と同じような設定で撮影するとあっという間に写真が真っ白になってしまいます。
F値を極端に絞り込んで撮影する手もありますが、回折現象によって画質が低下してしまいます。そのため花火撮影では、露光量を減らすNDフィルターをレンズに装着するとワンランク上の写真が撮影できます。
画像で使用しているのはMARUMIから発売されている「MAGNETIC SLIM」シリーズのNDフィルターです。通常フィルターはレンズに切ってあるフィルター枠にねじ込むことで装着するのですが、こちらは事前にアダプターをレンズに装着しておくことで、磁石の力を使ってワンタッチでNDフィルターの着脱ができるというアイテムです。撮影する花火の種類によって、例えば単発の花火はNDフィルターを外しスターマインの演目時だけはNDフィルターを装着するなど柔軟に対応することができます。
現在62mmから82mmまで5種類のフィルター径に対応したものが発売されています。こちらもお使いのレンズのフィルター径に合ったものをお買い求めください。

NDフィルターの濃度については、撮影する花火の規模やカメラの設定などにもよって変わってきますが概ねND4(2段分)からND16(4段分)程度のものがおすすめです。
作例はND8(3段分)フィルターを使用して撮影したものです。白飛びを防ぎながらも、回折現象による画質劣化を抑え高画素機ならではの高精細な描写を実現しています。
レンズ選び編
花火と言えば広角で撮るイメージが強いですが、実は撮影場所次第では標準レンズや望遠レンズで狙うことも可能です。
撮影場所を決めたら、それに合った画角の撮れるレンズを準備していきましょう。
1.広角レンズの撮り方

花火と言えばまずは広角レンズ。眼前に広がる花火の様子をダイナミックに捉えることができます。
2.標準レンズの撮り方

標準レンズで花火を撮影すると、遠近感と圧縮効果がちょうど打ち消しあい、肉眼で見たような自然な画になります。
ただし標準レンズの画角で花火だけを撮影すると単調な写真になりがちなので、画角中に花火以外の風景を取り入れると画が一気に華やかになります。
3.望遠レンズの撮り方

遠くから俯瞰するような構図で花火を鑑賞する際は望遠レンズが最適です。望遠レンズならではの圧縮効果を活かした写真を撮影できます。

一発の花火にクローズアップして撮影すると、また違った視点が得られます。
撮影編
では実際に撮影をしていきます。
1.カメラの設定

おすすめ設定
・撮影モード:B(バルブ)もしくはM(マニュアル)
・シャッタースピード:5秒から1分程度
・ISO感度:最低感度
・F値:露光時間や使用しているNDフィルターによって調整
・フォーカスモード:MF(マニュアルフォーカス)
もちろん花火の規模などによって設定は変わりますが、まずは三脚を使用する場合はこちらの設定から撮影して微調整してみるといいと思います。
バルブモードはシャッターを押している間露光し続けるというもので、シャッタースピードを自由な長さに調節することができます。花火を画面内にどのくらい入れるかなどを調整できます。
2.撮影のコツ
・花火だけでなく風景も写し込む

特に規模の大きくない花火の場合、花火だけを撮影すると何か物足りない画になってしまうことがあります。そこで、近くにある建物や周囲の人々など、地上の様子も広角レンズで合わせて写しこむと、写真に立体感が生まれます。その土地ならではの被写体を合わせると自分だけの1枚に仕上がります。
・打ち上げ会場の風上で撮影する

花火撮影では実は風向きも重要な要素の一つです。花火を打ち上げる際に発生する煙は、写真に写りこむと花火の光を反射して白く光るので目立ちます。それだけでなくコントラストを低下させてしまうこともあるので、極力花火は打ち上げ場所に対して風上の、煙が流れてこない場所で撮るのがおすすめです。また風下で撮影する場合レンズ表面に花火の燃えカスやチリが乗ってしまうことがあるので、プロテクトフィルターなどを装着したうえで定期的にブロワーなどで清掃してあげると綺麗に撮影できます。
・暑さ対策は忘れずに!

良い構図で撮ろうとすると必ず付きまとうのが場所取り。特に夏場の開催が多い花火大会は常に暑さとの闘いです。
花火大会自体は日の沈んだ夜間に行われることがほとんどですが、場所取りについては人気の大会では日中から行うことになります。その際、何よりも重要なのが暑さ対策です。水分・塩分補給はもちろんのこと、日傘や椅子など、万全の対策をして頂ければと思います。
まとめ:この夏こそは花火を写真で思い出に!
いかがでしたでしょうか。レンズの画角や種類、カメラの設定によって一口に花火といっても様々な様子を撮影することができます。
この夏こそは花火撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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