Inter BEE 2013
音と映像と通信のプロフェッショナル展である「Inter BEE」へ今回もマップカメラスタッフが多数行って参りました。
6~7年の時間をかけてデジタル一眼でのムービー撮影機材や、GoPro、などを取り扱ってきた銀一ブース。Steadicam(ステディカム)の新製品「Solo」という、ステディカムと一脚を融合したモデルが特に印象的でした。独特の浮遊感ある映像効果が得られるスデディショットと三脚・一脚を使用したフィックスショットは織り交ぜることによって映像全体にメリハリが付くと思いますが、それを機材を載せ換えることなく一つの特機で完結できるとは驚きです。
こちらはCINEVATE(シネベイト)のスライダーです。カメラを振動させることなく安定したスライド移動が可能なので、フィックスショットのような安定感を持たせつつも、飽きの来ないスムーズな動きを映像に与えることができます。
こちらはもうお馴染みでしょうか。Steadicam Merlin(マーリン)2です。230g~2.27Kgとライトユーザー向けのビデオカメラからデジタル一眼レフカメラまで積載可能なステディカムです。写真では今回のInter BEE会場の至る所で目に付いたカメラ、「Blackmagic Pocket Cinema Camera」です。カメラについては後ほど改めてご紹介します。
こちらは新製品、「GoPro」専用のステディカムCURVE(カーブ)です。ウェイトの調整ができないためまさに“専用”となりますが、その分調整のことを考えなくてよいのでとてもユーザーフレンドリーな製品ともいえます。
こちらはCineroid(シネロイド)の電子ビューファインダー、レティナ解像度を持つ高精細モデル「EVF4RVW」を頭上に載せ、Chrosziel(クロジール)製のマットボックス、フォローフォーカスを装着したリグに身を包んだNikon「D800」。
KPI(ケンコープロフェッショナルイメージング)ブース。
edelkrone(エーデルクローン)の「スライダープラス」は、全長はコンパクトにしながらも独自の可動方式により2倍量の移動距離を稼げる非常に魅力的なスライダーです。
MOVCAMのフルボディケージを身にまとった「Blackmagic Pocket Cinema Camera」です。うーん、洗練された金属ケージにウッドタイプのグリップが映えていますね。このルックス、HASSELBLADのレンズ交換式デジタルカメラ「Lunar(ルナー)」を彷彿とさせますね。
こちらはTokinaのシネレンズ群。絞りの無段階化と絞り、ズーム、ピント各リングにフォローフォーカス用のギアを組み込んでいます。
こちらはSAMYANG(サムヤン)のシネレンズです。写真用レンズでも低価格でありながらシャープネスなど画質に優れていましたが、光学設計は変わらずシネレンズ仕様となっています。
昭特製作所ブース。クレーンやトライポッドドリーなどフルラインナップが展示されておりました。
SONYブースでは4Kライブ制作をはじめとした高画質映像制作機器や、ワークフローソリューションなどを提案。その他、他社ブースには11/15発売されたミラーレス一眼新製品「α7」「α7R」の展示が目立ちました。初のフルサイズミラーレス一眼でありつつも、4K動画収録などSONYの技術力の高さが伺える製品といえます。
BlackmagicDesign(ブラックマジックデザイン)は今年もさらにブースを拡大。
映像撮影用のカメラの中で特に注目を浴びていたのが、このBlackmagicDesign(ブラックマジックデザイン)のシネマカメラ製品だったのではないでしょうか。ようやく国内にも在庫が流通し始めた「Pocket Cinema Camera」は電子制御に対応したマイクロフォーサーズマウントを採用。幅広いレンズを装着可能な超小型シネマカメラとして関心を集めています。11/12に待望のRAW動画撮影に対応するアップデートがリリースされ、さらにこれから人気を集めていくのではないでしょうか。また、もう1つの主役はそろそろ出荷開始が囁かれる「Production Camera 4K」。¥432,800-で4K/RAW収録が可能という破格の製品です。映像製作の流れを変える可能性を秘めた、こちらも注目株ですね。
BlackmagicDesignはもともと放送局などで使用されるような映像のコンバーターや、スイッチャー、ソフトウェアなどを多岐に渡り安価に提供し、勢いを伸ばしてきたメーカー。そんなメーカーが突如シネマカメラを発売して話題を掻っ攫うのだからわからないものですね。
ATOMOSのブース。
こちらの「NINJA 2」はカメラのHDMIからの映像信号を外部収録する、モニタリング機能付きのレコーダーです。非圧縮の映像信号がHDMIから出力される仕様となった、Nikonの「D4」「D800」が発売されたことからさらに注目を集めています。
HDMI端子で接続する先ほどの「NINJA 2」よりもより業務用途向けのSDI端子を備えた「SAMURAI BLADE」という製品のモニターをキャリブレーションするための測色器も参考展示。
これだけ並ぶと圧巻です。
マンフロットのビデオ向け製品ブース。
デジタル一眼など向けの動画撮影サポート製品「SYMPLA(シンプラ)」の新型2.0シリーズが展示。左側は現行のショルダーサポートシステムですが、パーツ構成を変え、軽量化かる比較的華奢な日本人の体格にも向いたモデルが登場しました。
CanonのEOSデジタル一眼をリモート操作が可能なリモコンも引き続き展示。REC開始/終了だけでなく、ライブビュー開始、3段階のスピードでのフォーカス送りにも対応しています。上位のDXモデルではISO感度やホワイトバランスまで手元で操作が可能です。
アクションカムといえば「GoPro」。
エクストリームなイメージが伝わるコンセプト展示がされていました。
レッドディジタルジャパンブースではダイナミックレンジ 16.5Stopsの6K RED DRAGONセンサー搭載「RED EPIC-M Dragon」を国内で初公開。
Canonブースでは4Kディスプレーを展示。
もちろん「CINEMA EOS」システムも多数展示。
最近はこういったモーター駆動のジンバル機構を搭載したハンドヘルドのスタビライズシステムが多数出回ってきました。
写真に写っていなくて申し訳ないところですが、「CINEMA EOS」の最廉価モデルとなる「C100」が有償サービスにて、「EOS 70D」と同様のデュアルピクセルCMOS AFの対応することが判明!実機を触りましたが、非常にスムーズかつ違和感のない速度でコンティニュアスAF作動をしておりました。
Canonオンラインショップ直販モデル、置き撮りムービーカメラ「iVIS mini」も展示。
ツァイスブース。
こちらは「COMPACT ZOOM CZ.2」。広いイメージサークル、スチルマウントに対応。ツァイスならではの頑丈堅牢な筐体設計、精確な指標、対フレア性能を備えており、既存のツァイスシネレンズと同様の操作感で高品質な映像を得ることができます。焦点距離15-30mm、28-80mm、70-200mmの3本をラインアップ。
ミラーレス一眼向け交換レンズ「Touit」シリーズの第3弾、「Touit Makro-Planar T*50mm F2.8」も展示。フルサイズモデルのα7に装着されていますが、イメージサークルはAPS-Cまでをカバー。
35mm判フルサイズ対応の大口径単焦点レンズ「Otus Apo-Distagon T*55mm F1.4」も展示。こちらはマニュアルフォーカスモデル。
標準単焦点レンズとしてはかなり大柄な印象を受ける分、どれほどの性能を誇るのか期待が膨らみます。
他にも数多くの魅力的な製品が紹介されており、まだまだ趣味一般的な知名度の点では低いといわざるを得ない動画機材・撮影補助用品ですが、そのバラエティに富んだラインナップに今回も驚かされます。4K動画とういう言葉を耳にしはじめてまだ間もないような気持ちもありますが、ようやく撮影だけでなく配信・編集についてもワークフローが確立し、当たり前のように4K映像を目にする未来も近いのではないかと肌で感じることができました。 デジタル一眼レフを中心にスチルカメラの動画撮影機能のさらなる充実、手に届くようになったデジタルシネマカメラ、そして4K映像時代が間近に迫っていることなど、技術進歩の早さに心躍る展示会でした。