
フィルムの楽しさについて、この記事をお読みいただいている皆様はどのように感じているのか、いつかお尋ねしたいと思っている日々です。
かく言う私も、なかなか手に入りにくくなった今もフィルムを撮り続けている一人なのですが、マメな性格ではないため1本撮りきって満足して現像に出すのを忘れるという事もしばしば。
ですが数か月後に現像した写真達を見て思い出に浸るのも、私が考えるフィルムの楽しいところの一つです。
そんな今回は、猛暑続きだった昨年夏、「Kodak TRI-X 400 135 」で撮影した写真と共に紹介していきます。

使用したのは「FUJIFILM TX-1」というフルパノラマが撮影できるフィルムカメラです。レンズには「TX 45mm F4」を使用しています。
このカメラは35mmフィルムを装填でき、通常24×36mmの縦横比ですがフルパノラマになると24×65mmと横が約1.8倍になります。そのため、36枚撮りのもので約20枚の撮影可能です。
フィルムが見つけにくい現在、一枚一枚が大切過ぎてシャッターを切れない私には、少なすぎず多すぎず丁度良い撮影可能枚数でした。
デジタル機ではなじみの深いパノラマ機能ですが、例えば本機においても36枚撮りフィルムの1コマ(36×24)の1.8倍の横面積(65×24)を使用して撮影を出来る機種になっています。
この65×24という数字を見て「おっ」と気付いた方はGFXシリーズがお好きな方でしょう。実はGFXにも同様のアスペクト比選択が行えるようになっており、パノラマ撮影が出来るようになっているのです。
GFXで選択出来る普段馴染みのない65:24というアスペクト比は、かつてのパノラマ撮影が出来るフィルムカメラから来ていると思うと感慨深いです。
またこのフィルムカメラはHASSELBLADと共同開発したもののため、HASSELBLADの製品でもXpanという名称で同じアスペクト比が選択できます。



ISO感度400と様々な環境下でも使いやすい感度をもち、細かい粒子やシャープネスが質感を上手く表現してくれています。
そしてこの絶妙なコントラストは、多少のレタッチはしてくれていると思いますが現像から帰ってきたデータを見た時に編集を必要としないほどの満足感をもたらしてくれます。
フィルムが手に入りずらいこの時代に、モノクロフィルムは入手のしやすさの面で見ると穴場なのではないでしょか。


私がフィルムを始めた時、モノクロフィルムで撮ろうとは全く思っていなかったのですが、
ワークショップで始めて暗室に入りモノクロフィルムを引き延ばし、現像液に入れて像が浮かび上がってきた時の感動が今でも心に残っています。
この経験が今でも私をモノクロフィルムに夢中にさせています。
こういった暗室での作業は、慣れれば暗室の中でも順応して辺りが見えるようになるため、撮影以外の楽しさがあるのもフィルムの魅力です。

モノクロ写真では諧調表現を重視されますが、逆光でも電柱の影とアスファルトの濃淡が出ていて、画に迫力を与えています。また空の諧調も鮮明に写されています。
この写真を撮った時正直不安があったものの、想定以上に映し出されていて驚きを隠せませんでした。
いかがでしたでしょうか。
今回使用した「Kodak TRI-X 400 135 36枚撮り」は、解像度の高さや質感の表現が繊細で一度は使ってほしいモノクロフィルムです。
コントラストも程よく出てくれるので、モノクロフィルムが初めての方や気軽に撮りたい方にもおすすめです。
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