
日差しが日に日に強くなり、春が過ぎ去っていく感覚を味わっているこの頃。
私は夏が近づくにつれてフィルムを使いたい欲が沸いてくるので、その季節が完全に来る前にフィルムカメラに慣れておこうと今回は世界最高峰の微粒子を誇る「kodak Ektar 100」を手にしました。
今までオート機能のついたフィルムカメラを使用しており「とりあえずISO400あれば大体どうにかなるか…」なんて気持ちからISO400のGoldやPORTRAばかり選んでいましたが、今回は完全機械式フィルムカメラの「Nikon S2」と「NIKKOR-S (S) 50mm F1.4」を使用するためせっかくなら開放で撮りたい気持ちが勝り、初めてISO100のフィルムを選びました。
さらに完全機械式での撮影は久しぶりのため、「SEKONIC フラッシュメイト L-308X」を忍ばせて撮影へ。
ご紹介する写真は、業者に現像とスキャンを依頼し、受け取ったデータをそのまま使用しています。


まず見て驚いたのはコントラストと彩度の高さ。
最近のスマートフォンなどで加工するようなフィルム調の写真はコントラストが低いものも多く見られますが、これはくっきりとした輪郭を持っているのに驚きました。

散歩している時に植物を撮ることが多かったのですが、葉の輪郭や樹木の骨格がしっかりと描写され目の前でいきいきと生い茂っている印象を与えてくれます。
昨今、フィルムは価格的にも手が出しにくいですが、この描写を見てしまうと「少し奮発してもこの夏はこのフィルムで撮りたい」と思わざるを得ない迫力と価値を持っているように感じます。
また実際に撮影した時よりも少し明るく、そして彩度が高く残るため記憶色に近いような感覚で臨場感を楽しめます。

これはシダレヤナギを見上げた時に撮ったもの。
Ektar 100特有の粒子が細かいおかげで、ボケている部分も枝の一本、葉っぱの一枚までディティールがよくわかります。
そしてこのみずみずしい空の青さと草の緑から、すぐそこまで来ている夏の訪れを感じました。


噴水や水面でもISO100の粒子感が感じ取れます。
特に噴水の水滴や中央部分の諧調が綺麗に出てきていて、フィルムで噴水を撮るのにすっかり魅了されてしまいました。


街灯と看板が写っている写真はしっかり晴れた時に撮った写真、次の白いお花の写真は曇りの時に撮った写真です。
今回の写真では晴れの時に撮ったものが多く比較的暖色よりの印象。しかし曇りに撮ると写っている被写体の色にもよりますが少し寒色に偏った印象に。
個人的にはどちらの色味も発色がはっきりとしていて好印象ですが、それよりもその場の空気感も写し出すようなこのフィルムの表現力がそもそも気に入りました。
そして同時に1935年にkodakから発売された映画用カラーフィルムが、現代まで追求されデジタルに負けない表現力を保っていることに驚きます。
ぜひフィルムを始める方にも一度は選んでいただきたいフィルムです。
フィルムはフィルム代や現像代がかかる上に、すぐに共有することができない等、手に取りにくい存在ではあると思います。
ですが撮れば撮るほどフィルムの描写や表現力、そして撮影体験に魅了されて、フィルムがある限りは続けていきたいと思わされます。
だからこそ、どの機材でどのフィルムで撮るかにはこだわりたいもの。
今回使用したフィルム「kodak Ektar 100」はフィルムの中でも高価ですが、その価値、感動を感じました。
そして初めてISO100のフィルムを使用しましたが、レンズの表現力を最大限引き出し開放F値の明るいレンズほど使いたいフィルムの一つになりました。
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