
本日Leicaの新製品M EV1が発売されました。
広角や望遠レンズを多用する方、レンジファインダーでのピント合わせに不安がある方などにとっては、M EV1は嬉しい新製品だと思います。
今回は、Leica M EV1に合わせたいレンズとしてLeica アポズミクロン M35mm F2.0 ASPH.をご紹介いたします。
使用するボディにはM EV1と同等の描写性能を持つM11-Pを選択いたしました。

2021年に発売してからずっと高い人気を持つアポズミクロン M35mm F2.0 ASPH.。
ではなぜ発売から今まで人気が続いているのか、作例を交えながらこちらのレンズの魅力に迫っていきたいと思います。


まず、アポズミクロンといえば、なによりも外せないのはその圧倒的な解像力。
非球面レンズや、色収差を軽減するアポクロマート補正によって極限まで収差を排すように設計されています。
風景写真を撮影しても隅々までゆがみが少なく、鉄橋の金属の無機質で硬い質感をよく表現してくれています。

秋らしいコスモスが咲いていました。
通常、逆光やハイライト部分では滲みやパープルフリンジが出やすいのですが流石アポズミクロン。
花びらや細い茎の輪郭を逃すことなく一本一本しっかりと、でも繊細に写し出してくれます。


そして35mmの画角は広すぎず、狭すぎず。
スナップだけを撮影するのであれば50mmのレンズが被写体のみを切り抜いてくれるので好きなのですが、風景もスナップも一本で撮影するなら35mmの方が取り回しがききやすいため、どちらを持っていくか毎回悩みます。今回35mmを使用してみて、周囲の空気感も写してくれるので空間の広がりを感じられるということに気が付きました。
上の二枚の写真はレンジファインダーを覗いて撮影しましたが、ピント合わせは画角の中心部で行う必要があるため、つい被写体を真ん中に置いて日の丸構図にしたくなります。
M EV1では電子ビューファインダーになるのでそういった事も無くなるのでしょうか。実際に触ることができるのが楽しみです。


また、最短撮影距離も大きく変わっています。
M型ボディはレンジファインダーの仕組みにより、従来であれば70cmまでしか寄ることができませんでしたが、ライブビュー撮影やビゾフレックスの登場で70cmよりも近くでピントが合わせられるようになりました。
アポズミクロン M35mm F2.0 ASPH.もなんと30cmまで寄ることが可能です。
近接で今が見頃のダリアを撮影。少し絞ることで背景は滑らかなボケを作りながらも、狙った花は際立たせることができました。

最短撮影距離においたサンドイッチを開放F2で撮影してみました。
被写界深度がかなり浅くピント合わせがシビアではありますが、M型でテーブルフォト等も撮影できるようになったことは撮影できる表現の厚みに繋がっています。


癖が少なくシンプルながらも写すもの全てよく描写してくれるレンズ、アポズミクロン M35mm F2.0 ASPH.。
コンパクトな見た目とは裏腹にライカの持つ技術がぎゅっと凝縮されているのを実感しました。
M EV1を手に入れた方も、M型デジタルボディを既に持っている方も一度は試していただきたいレンズです。
新品に関しては、2025年11月現在、少しずつ納期が短くなってきてはおりますが依然として入荷までにお時間をいただたいている現状ですが、中古の商品であればMAPCAMERAで数点ご用意がございます。ぜひ、ご検討いただければ幸いです。
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