
【Leica】色を排して気づいた光の美しさ。私が2本のレンズと歩いた贅沢な一日。
6月に入り、夏の始まりを予感させる強い日差しが街に降り注ぐ季節になりました。梅雨の合間にのぞく青空はどこか瑞々しく、思わずカメラを持ち出したくなる魅力に溢れています。
色鮮やかな景色が広がるこの季節にあえて「色」を排し、光の粒子と陰影だけで世界を切り取る。今回は、そんな大人の贅沢を叶えてくれる「Leica M11 モノクローム」を携えて、初夏の街へと歩みを進めました。
そしてレンズは「Leica ズミクロン M50mm F2.0 2nd」と「Leica ズミルックス M35mm F1.4 11301」の2本を選びました。
カラー写真では見過ごしてしまうような、光の強さ、風の動き、そして空気の湿度。それらすべてがモノクロームの階調の中に凝縮された世界を、ぜひお楽しみください。


現行(2026年6月現在)として手に入る「ズミルックス M35mm F1.4 11301」は、1961年に発売された銘玉として評価されるライカMレンズの1つである「ズミルックス M35mm F1.4」の復刻モデル。ハイライトの滲みや周辺減光、そして逆光のフレアなどオールドレンズの味わい深い描写を楽しめるのが大きな魅力です。
一方「ズミクロン M50mm F2.0 2nd」は1968年から1979年に発売されたクラシックライカを代表する1本です。当時のコーティング技術の進化により、画面中央の高い解像力とメリハリのあるコントラストを実現。ライカらしい描写を誇りながら、非常にコンパクトで扱いやすい万能レンズとして知られています。
どちらもほぼ順光というフラットな光の中で撮影していますが、カラーフィルターを排したモノクローム専用機で捉えることで、2本のレンズが持つ個性の違いがより鮮明に浮き上がりました。
ズミルックスが魅せる「中心部を際立たせる周辺減光」と「周辺に向かってなだらかに変化するボケ味」。そしてズミクロンの「中央部の繊細な解像力」と「クセのない素直な写り」。色情報がないからこそ、それぞれのレンズが描く質感や空気感の違いを、より深く実感していただけると思います。



太陽が高くなるにつれて明暗差が際立ち、光と影で描くモノクロームの本領が発揮されます。
木陰のベンチや光の差し込む室内で撮影したカットでは、シャドー部の豊かな粘りや、ハイライトが浮き彫りにする被写体の美しい輪郭が目を引きます。
また、ズミルックスが捉えた印象的なフレアは、私たちに本格的な夏の訪れを予感させてくれます。

色を排した世界では、光が作り出す「影の形」そのものが立派な被写体となります。
辺の植物がまるでスポットライトを浴びているかのようなこのカット。色がある世界では見過ごしてしまいがちな影が、見事に主役へと昇華されています。
そして、ズミルックスが写し出すハイライトの美しい滲みが、ふと切り取った街角のスナップ写真に、どこか幻想的な雰囲気を与えてくれています。


6000万画素を誇るM11 モノクロームの豊かな階調表現により、穏やかに波打つ水面のなだらかな動きまで、手に取るように感じることができます。
強烈な西日であっても周辺のハイライトが白飛びすることなく、しっかりとディテールを維持しているのはモノクローム専用機ならではの強みです。
また、ズミルックスをあえて絞り込むことで、太陽の周りに広がる雲の流れ、遥か奥に見える建物のシルエット、そして手前の波の細やかな動きまで、これがオールド設計の復刻であることを忘れてしまうほどの、圧倒的な解像力で写し出してくれます。
被写体の質感を誠実に写し出す「Leica ズミクロン M50mm F2.0 2nd」と、光をドラマチックに纏う「Leica ズミルックス M35mm F1.4 11301」。
このキャラクターの全く異なる2本の個性を、美しく描き分けられたのは、カラーフィルターを持たない「Leica M11 モノクローム」だからこそです。
色を排し、光の粒子と陰影だけで世界を切り取る。
M11 モノクロームの圧倒的な階調表現は、見過ごしてしまいそうな日常の1コマを、たちまち息をのむような作品へと変えてくれ、観察し撮影する楽しさを思い出しました。
レンズを交換するたび、光が変わるたびに、新しい感動に出会えるモノクローム専用機。その深遠な表現力を、ぜひあなたの手で体験してください。
▽関連記事はこちら▽



