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【Leica】新製品発表会『M EV1』国内最速レポート

【Leica】新製品発表会『M EV1』国内最速レポート

先日ライカ表参道店にて行われた新製品発表会に参加しました。

簡単ではありますが、発表会の様子をレポートさせていただきます。

今回の発表会では、ライカカメラ社の上級副社長である、ステファン・ダニエル氏が登場し、直々に説明をしていただきました。

まずは、1954年のフォトキナで発表されたM3から順にM型ライカの歴史を振り返ります。

これまで世に送り出されたM型ライカは30種類を超え、それぞれ個性に溢れ、人々の記憶に残る機種ばかりだったかと思います。
そんな数あるM型ライカの中から、初代M型ライカのLeica M3、アナログM型ライカの完成形とも言えるLeica M6、世界初のフルサイズセンサーを搭載したM型ライカであるLeica M9などがフィーチャーされ紹介されました。

現在M型ライカは大きく分けて2種類存在しています。MPやM6に代表されるアナログモデルと、Leica M11-PやLeica M11-Dといったデジタルモデルです。また、24本のユニークなレンズも存在しており、オールドレンズも含めるとその数は膨大です。これらはM型ライカが誕生してからの70年の歴史であり賜物であると言えます。

そんなM型ライカは新しいチャプターへと向かいます。

世界初のEVFを搭載したM型ライカの誕生です。

その名も「LEICA M EV1」

そしてダニエル氏はこう強調しました。「これはレンジファインダーを代替するものではない。これからもOVFのレンジファインダー機は作り続けていきます」と。

つまりLeica M EV1はこれまでのM型ライカの次世代機ではなく、全く別のコンセプトの新しいM型ライカラインナップだということです。

EVFには576万ドットの高精細なOLEDが使用されています。また色表現に関しても、自然になるような機構を採用し、EVFとモニターの切り替えもスムーズに行え、視度補正ダイヤルも搭載されています。

OVFのモデルとは違い、実際に撮影されるものと同じ画像を確認しながら撮影ができ、各種MFアシストも搭載されています。
MFアシストは(デジタルズーム、フォーカスエイド、フォーカスピーキング)の3種類が用意されていますが、従来の機種ではフレームセレクターレバーとして機能していたレバーを用いて操作が行えるようになっており、MFアシストのON/OFFや、どのMFアシストを使用するかの切り替え操作が行えるようになっており、被写体や撮影方法から適切なものを選択して使用することができます。

センサーは裏面照射式の6000万画素、プロセッサーはマエストロIII、内蔵メモリー64GB搭載など、などLeica M11から多くを継承している形となります。もちろん、「トリプルレゾリューション」や「コンテンツクレデンシャル」といった機能も引き継がれています。

レザーに関しては、Leica SL3やLeica Q3シリーズなどで使用されている、ダイヤモンドパターンとなっており、同じパターンのハンドグリップなども用意されています。


ノクティルックス M75mm F1.25 ASPH.の作例

そして続いては写真家の佐藤健寿氏によるセッション。

Leica M EV1はノクティルックス M75mm F1.25 ASPH. やアポテリート M135mm F3.4、ズミルックス M24mm F1.4 ASPH.といった、OVFでは使用しづらいレンズを使用する際の強い味方に。
ノクティルックス M75mm やアポテリート M135mmなどのレンズを使用する際、これまでは置きピンをして撮影する場面が多かったが、Leica M EV1の場合はより動的に撮影が可能になり表現の幅が広がったそうです。

また、広角レンズである、ズミルックス M24mm F1.4 ASPH.はブライトフレーム、外付けファインダーが無く、レンジファインダーとの組合わせづらいレンズですが、EVFであれば、パララックスなどもなく思いのままにフレーミングができるためLeica M EV1では使いやすいレンズになったそうです。


ズミルックス M24mm F1.4 ASPH.の作例


アポテリート M135mm F3.4の作例

他にも多数の写真と共に、撮影時の所感を語っていただいておりましたが、Leica M EV1の登場で旧来からのレンジファインダー機が全て置き換わってしまうのではなく、
35mmや50mmといった標準域に近い焦点距離については引き続きLeica M11シリーズを使い、超広角や望遠、ピントがシビアな明るいレンズなどを使用する場合はLeica M EV1を使用するという、使い分けを考えていると佐藤氏も語っておりました。

・・・

トークショーが終わると、店舗内を使用してのハンズオンが開始となりました。


左:Leica M EV1 + APO-Summicron 75mm F2 ASPH.    右:Leica M11-P + Summilux 35mm F1.4 ASPH. 11726

やや画像が暗くて申し訳ありませんが、ぱっと見で大きく違うと感じるのは、左肩にあるはずのファインダー窓と、ISOをコントロールするダイヤルがなくなっている事です。
しかしながらシャッターダイヤルの下部にある小窓は残っています。この小窓について先にお伺いしたところ、こちらについてはセルフタイマー用のランプが点灯する場所になっているという事です。
デザインをしていく上で、あまりにも何もないとのっぺらぼうのようになってしまうため、小窓については残してデザインを行っているようです。


左:Leica M EV1 + Summilux 50mm F1.4 ASPH. 11728    右:Leica Q3 43

本題の左肩周りですが、こちらの画像では分かりやすいでしょうか。ライカカメラジャパンの方に伺ったところ、OVFの場合、元々フィルムのM型から続いているように光学ファインダーブロック+フィルムの巻き上げクランクという組み合わせで作られているため、巻き上げの部分にISOのダイヤルを納める事が出来たようですが、EVFの場合ファインダーブロックサイズの関係でISOのダイヤルを省かざるを得なくなってしまったようです。
また、こちらの写真でも分かるように貼り革については、従来のLeica M11シリーズと異なりLeica Q3などで使用されているダイヤモンドパターンの貼り革へと変更になりました。


バッテリーについてはLeica M11シリーズと同様のBP-SCL7を使用しています。Leica M11シリーズとLeica M EV1で併用して運用もしやすくなっているとは有り難いところ。


操作部についてはほぼ同じデザインとなっていますが、ファインダーアイピースの右側にLeica Q3などと同様の視度補正ダイヤルが付いています。
旧来のM型ライカではLeica M(Typ240)までの世代と、Leica M10以降の世代でファインダーアイピースのネジ径に違いがあり、双方別々の視度補正レンズを用意したり、旧型の視度補正レンズにネジアダプターを噛ませて使ったりしていましたが、Leica M EV1はついに本体内で視度補正が出来るようになりました。視度については-4.0~+2.0の範囲で調整が可能との事。視力に合わせて調整が出来るのは大変ありがたいです。


左:Leica M EV1    右:Leica M11-P

また、現行でLeica M11シリーズ用に販売されている別付けのEVFである『Visoflex2』について、Leica M EV1で使用出来るのかを尋ねてみたところ「使用できません」という回答がございました。
説明を受けつつホットシューを確認してみたのですが、Leica M11-Pにはあるシュー最奥部の電子接点、この接点がVisoflex2との通信用の接点という事らしいのですが、Leica M EV1では省かれています。
Visoflex2については稼働式だったためウエストレベルでの撮影などにも適していましたし、使用出来る事を期待していたのですが、内蔵EVFを覗いた事でその感想は一気に吹っ飛んでしまいました。


Leica M EV1 + Summilux 35mm F1.4 11301

前述したようにLeica M EV1では576万ドットの有機ELファインダーを搭載していますが、これがLeica Q3シリーズと同等のEVFである事をLeicaに詳しい方はお気付きでしょう。
この内蔵EVFが外付けファインダーのVisoflex2とは比べ物にならないほど非常に見やすいのです。仮にVisoflex2が装着出来たとしても、内蔵EVFとの画質の差がかなりありますし、描画の遅延等にも大きく差があるように感じます。
そう考えた時に併用出来るメリットはないだろうという事で、接点を省いたのではないかと思われます。
会場へはLeica Q3 43も持ち込みをしていたため、EVFを見比べてみましたがLeica M EV1についても高精細で発色が良く大変見えの良いファインダーでした。
また、気のせいだったかもしれませんが、拡大等行わない通常の表示状態における描画速度等についてはLeica Q3系と同じ速さの体感でしたが、Leica M EV1については拡大表示を行った際の描画がLeica Q3系よりも滑らかだったように感じました。この辺りは改めて発売後にフィールドでもテストをしてみたいところです。

M型デジタルライカとしての新たなチャプターを迎えるLeica M EV1。
トラディショナルなシステムのレンジファインダーに新たなファミリーが加わる形となりました。
既存のユーザーやこれからライカを考えているユーザーが触れ、新たな写真文化の1ページが生まれるであろう歴史的瞬間に立ち会えた事を嬉しく思います。

◆ご予約はこちらから

また、Map Camera ホームページではライカ100周年特設ページも開催中となっており、
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カメラ販売店では初の取り扱いとなるYOSEMITE CAMERA STRAPのオールブラック限定モデル「KARASU」など、気になるアイテム目白押しとなっております。

ぜひご覧ください!

[ Category:Leica | 掲載日時:25年10月24日 10時00分 ]

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