
「Leica Q3 43」
それまで28mmというの広角の焦点距離を持っていた「Q」シリーズですが、「Q3 43」は43mmの少々見慣れない数字。
そして、カメラといえば圧倒的にブラックの筐体が多いですが、グレーのレザーを纏った「Q3 43」は見た目だけでもひと味違います。
一体どのような写りになるのだろう、と期待を胸に天気の良い冬日にスナップ撮影に臨みました。

さて何を撮ろうか、と何気なく横になり、ちょうど目の前に映ったカーテンを開放F値で撮りました。
レンズのボケを形容する言葉に「とろけるような」と良く使われます。
「Q3 43」に搭載されている「Leica アポ・ズミクロン 43mm F2 ASPH.」はまさにその通りの印象で、なめらかでいても中心にはしっかりとした芯が残り、その描写力は幻想的な美しさをも感じました。



日に日に冬を意識する時節になってきました。
気温が低く寒いが故に、太陽のありがたさを実感します。
突き刺すような夏の暑さとは違い、ほのかに暖かく、ある種のやすらぎすら感じる冬の晴れ間。
手中にあるのが「Leica」だからでしょうか、気が付くと普段よりもじっくり、ゆっくりと一枚一枚丁寧にシャッターを切っている自分がいます。
この季節の光はとても澄み渡り、いつもより優しい雰囲気の写真が撮れている気がしました。


かつて客船ターミナルがあった場所ですが、今はマンション群が建ち並び巨大な島のようにも見えます。
気に入っていた景色が時間をかけて変貌していく様子には、少しばかり驚きを感じていました。
見た目の雰囲気こそ変われども、海と現代的な建造物のコントラストは撮っていて気持ちが高まります。
時代と共に変化していく光景を記録する。
大げさかもしれませんが、それもカメラにできる楽しみの一つなのかと思いました。



マクロモードの最短撮影距離は26.5cm。
デジタルクロップと合わせ、被写体に寄ってみました。
「Q3 43」が作り出す色彩は画面いっぱいに広がり、優雅な花弁を彩ります。
冬の寒さが日常に侵食するにつれて、枯れ葉が目立ってきますが、それでもこんなにも鮮やかな花々が咲き誇っているのをみると、植物の力強い生命力を感じられずにはいられません。



43mmという焦点距離は人間の目の画角に非常に近いと言われています。
ファインダーを覗くと見えてくる眼前の光景に力みはなく、ごく自然に浮かび上がってくるかのようでした。
気どることや悩むこともなく、自然体のままでシャッターを切ることができるカメラ。
それでいて描写力は極上なのですから、普段に増して撮り歩きが楽しくなります。
写欲を高め、撮影し、結果として手元に残る写真はどれも自分の満足のいくものになりました。
機会があれば「Q3 43」を手に、素直で美しい43mmの世界を味わっていただきたいと思います。
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