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【Leica】記憶よりも「克明」に。色鮮やかな世界に疲れた私が選んだ、白と黒だけのカメラ

【Leica】記憶よりも「克明」に。色鮮やかな世界に疲れた私が選んだ、白と黒だけのカメラ

2026年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは13周年を迎えました。

1925年、記念すべき「ライカI」の誕生によって写真の世界に革命が起きてから、「101年目」となる今年のテーマは『継承』。
新たな一世紀へと歩み出した今、私たちが改めて見つめ直したいのは、その長い歴史の中で脈々と継承されてきた精神です。
時代が変わり技術が進化しても決して揺らぐことのない『ライカが受け継いだ哲学』とは何か。
本連載では現行モデルそれぞれに宿るその本質を、独自のキーワードとともに紐解いていきます。

・・・

街を歩けば、デジタルサイネージやスマートフォンからあふれる極彩色の世界。そんな色鮮やかすぎる世界に少しばかり疲労感を覚えていた筆者が、あえて手にしたカメラがあります。

筆者が手に取ったモデルは、Leica Q3 モノクローム。
以前より気になっていた、Qシリーズのモノクロ専用機の最新モデルです。
Q3 モノクロームのキーワードは、ずばり、「克明」です。

 

Q3モノクローム外観1

Q3モノクローム外観2

まずは外観から見ていきましょう。
ライカの象徴ともいえる、赤バッジは潔く取り払われています。
通常モデルでは、黄色が使われている、焦点距離や距離指標がモノクロモデルらしく、薄いグレーに統一されています。

使用されている、レザーに関しても、カラーのQシリーズやM EV1で使用されているダイヤモンドパターンではなく、
Mシリーズや、Q2 モノクロームと同様のシボ感があるレザーが使用されています。

 

海のモノクロ写真

海と太陽のモノクロ写真

Qシリーズといえば、「Q3 43」が発売されました。3世代目にして新たな焦点距離の選択肢が生まれ、かつてない盛り上がりを見せています。
Q3 43に搭載された、最新かつ専用設計のアポ・ズミクロンの描写に世間の注目が集まる中、新型のモノクロ機については噂すら聞こえてこない沈黙の状態でした。
しかし、その沈黙は突如として終わりを迎えることになります。
昨年の11月、念願のQ3 モノクロームが発表されました。
モノクローム専用機という非常にニッチな機種ですが、筆者と同じく心待ちにしていた方は少なくないのではないでしょうか。
ライカ特有の、赤いロゴを持たないマットブラックのストイックな佇まいを見た瞬間、Qのモノクロが還ってきた。と感じました。

 

小舟のモノクロ写真

釣りをする親子のモノクロ写真

階段のモノクロ写真

日が差し込んでいるモノクロ写真

誰もが鮮やかな写真を簡単に共有できる時代。世界が色鮮やかに進化していく一方で、あえて「白と黒」だけの世界を選ぶ。その理由は様々あると思います。
例えば、色という写真の大きな要素を取り除くことで、「光の当たり方」「被写体の質感」「線や形」などに集中でき、普段とは違った撮影体験を得ることができます。EVFを覗き込んだ瞬間から、そこにはすでにモノクロの世界が広がっており、現実の風景のディテールが立体的に浮かび上がるのを感じる事ができます。

同じライカのモノクローム専用機でも、M型の場合は少し事情が異なります。M型ライカ特有の素通しの光学ファインダー越しに見る世界は、「カラー」のままです。撮影者は眼前の色彩を頭の中で白黒の階調へと変換し、仕上がりを想像しながらシャッターを切る必要があります。
モノクロの世界に没頭するという意味では、QシリーズのEVFの方が向いているかもしれません。

 

マクロのモノクロ写真1

マクロのモノクロ写真2

M型ライカとQシリーズの使い勝手を決定的に分かつ要素がもう一つあります。それは「マクロ機能」の存在です。

M型ライカはその構造上、最短撮影距離が70cmと非常に長いです。(最近は70cmよりも寄ることができるレンズが発売されていますが、ファインダー使用時に制約があります)
しかし、Qシリーズは違います。レンズ鏡筒のマクロリングを回すだけで、最短17cmのマクロモードへとシームレスに移行します。レンズを交換する必要すらないのです。
このマクロモード、決しておまけ程度につけられているわけではなく、非常に切れ味よく写ります。

また、マクロモードはモノクロと組み合わせることでその真価を発揮します。
ただでさえ、キレキレの写りに、モノクロ特有の解像感がプラスされます。
植物の葉や木の皮、アスファルトのざらつきといった「質感」が、恐ろしいほど克明に浮かび上がってくるのです。

 

雪の東京駅のモノクロ写真

影が印象的な雪の渋谷駅

雪のスクランブル交差点

先日、首都圏を大寒波が襲い、東京では珍しく雪が積もりました。
吹き荒れる冷風と舞い散る雪。本来ならば機材を案じて外に持ち出すのをためらうような過酷な状況ですが、筆者は躊躇いなく、Q3 モノクロームを持ち撮影にでかけました。
Q3シリーズが誇るIP52相当の防塵防滴性能という「タフさ」と、いつでも身軽に持ち歩ける「携帯性の良さ」に対する絶対的な信頼がありました。
M型ライカだと持ち出すことを躊躇する、そんな場面でも問題なく被写体に挑むことができます。
純白の雪と、深く沈み込む都市の暗がり。色がないからこそ、雪の冷たさや空気の張り詰めた感覚までが、その克明な描写によって写真からダイレクトに伝わってきます。

 

雪の東京駅2

色という圧倒的な情報をあえて排すことで、眼前の情景は、のちに振り返る自分自身の記憶よりもずっと「克明」に写し出される。それこそが、白と黒だけのカメラが持つ最大の魅力ではないでしょうか。
私と同じように、色鮮やかな世界に少し疲れを感じている方に、ぜひこのカメラをおすすめしたいと思います。

・・・

現行モデルそれぞれに宿る哲学を独自のキーワードで紐解いてきた本連載も、今回が最終回となります。時代が移り変わり、デジタルという最新の器になっても、決して変わらない「写真の本質」を追究する姿勢。それこそが、私たちが次の100年へ語り継ぐべきものなのだと思います。

その手に、「継承」された確かな眼差しを。
ライカを選ぶということ。それは、長きにわたり磨き上げられてきた哲学を、あなた自身の表現の一部として迎え入れることに他なりません。
Leica Boutique Mapcamera Shinjukuは100年の歴史が凝縮された運命の一台との出会いを、お手伝いさせていただきます。

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[ Category:etc. Leica | 掲載日時:26年02月28日 19時30分 ]

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