
気温も下がり、都内近郊でも徐々に紅葉のシーズンが本格化してきました。毎年なんだかんだで紅葉を撮影している私は、今年も撮影に繰り出すことに。
朝や夜は寒く、日中は暖かく過ごしやすい気候ですが、着る服に迷う今日この頃。こんな日は、KELTYのパーカーに、COLUMBIAのフリースを羽織ってみます。
ボトムスにはLevi’sのワイド目のデニムと、多少秋を意識してClarksのワラビーを合わせてみました。バックパックは、デイユースのアウトドアに最適なGregoryを選択。完全にお散歩モードです。

色づく紅葉の赤色や、イチョウの黄色が美しくなるこの季節ですが、カラーで撮りたい欲をぐっとこらえて、あえてモノクロームで挑みます。
お供のカメラは、Leica Mモノクローム(Typ246)。そしてレンズは、かつて日本光学(現在のNikon)がLeicaスクリューマウントのレンズとして発売した Nikon NIKKOR H.C 50mm F2。
モノクロ専用センサーと、約70年前の社外品レンズの組み合わせは、紅葉の始まりをどのように写し取ってくれるのでしょうか。早速ご覧ください。

Leica M モノクローム Typ 246は、2015年発売と今から10年前のカメラになります。
Typ 246の前にCCDセンサーを搭載したMモノクロームがあり、その後継モデルにあたる本機は、センサー上のカラーフィルター(ベイヤーフィルター)をカットすることでモノクロ撮影に特化したモデルとして仕上がっています。
これにより、フィルターを介さないことで通常のセンサーと比較しより多くの光量が撮像素子上に到達するため、ノイズ耐性などが大幅に向上すると考えられます。
ノイズ耐性が向上する事で、特にシャドー部分のディテールがより改善され、実質的にダイナミックレンジも広く感じられるほか、カラーセンサーで発生する色の補完情報を処理する必要がない為、画像としての解像感も向上するとされています。

今回組合わせたNIKKOR H.C 50mm F2は、前述したとおり70年前のレンズとなるため、現代のような解像度の高いレンズとはいいがたいものですが、モノクロで見ている分にはそこまでや分から過ぎるという印象にはなりません。

上記はISO800で撮影した画像です。被写体が分かりづらいというのもありますが、ノイズらしいノイズは感じられません。
一方でハイライト部はオーバーになっている個所があります。これは実際かなり明暗差が激しいシチュエーションですので、デジタルカメラらしくオーバーな環境では、RAW現像でハイライトを下げても情報が失われている部分はありました。
見かけ上のダイナミックレンジが広くなっていると感じられるとは言え、油断は禁物です。



NIKKOR H.C 50mm F2とTyp 246を組み合わせた狙いは、レンズの光学設計技術やコーティング技術が今ほどしっかりしたものではないことで、低下するコントラストを、Typ246がしっかりと丁寧に描写してくれるだろうと予想したことにあります。
実際に狙いは的中したようで、モノクロだからこそ実現できる豊かなトーンとディテールが、次のカットへと駆り立ててくれます。



人や動物をスナップするのももちろん楽しいですが、モノクロは植物を撮るのにも大変向いていると感じます。
カラーの時や人間の目だけでは着目しがたい、生命力を感じる構造や、表面のテクスチャーに興味がそそられます。



画面全体のシャドーをぐっとさげて、硬い印象にしてみました。NIKKOR H.C 50mm F2も、前ボケ・後ボケともになだらかで、遠近共に使いやすい印象。
中間調の要素の多い柔らかい雰囲気も好きですが、コントラストを上げてメリハリのある写真も楽しいです。

今回の持ち出し機材。ストラップはARTISAN&ARTISTの別注 栃木レザーストラップ ACAM-287 CML キャメルを装着中。
一通り撮影してみて、Typ 246が10年前のカメラだということをすっかり忘れていました。
修理部品などが徐々に払底しはじめている本機は、中古市場でややリーズナブルになっている傾向があります。ただ、性能だけでみると、まだまだ現役といって申し分なさそうです。
また、NIKKOR H.C 50mm F2ですが、実はこのニコンSマウント版のものは個人的に所持しており、ある意味撮り比べ的な要素も期待していました。
もちろんベースとなる光学設計は基本的にマウントが異なっても共通だとは思いますので、撮影結果に大きな違いはありませんでしたが、世代によりコーティングが若干違うのか、いつもより逆光時のゴーストやフレアが気持ち多い印象もありました。
ライカ I型登場から100年を祝って様々なイベントが催されているこの節目。あえて最新の選択肢ではなく、ちょっとハズした組み合わせで撮影するのも、悪くないかもしれません。
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