いつもマップカメラスタッフブログ「The MapTimes」をご覧いただきまして誠にありがとうございます。
6/1は「写真の日」ということで、6月中は連日特集ブログを掲載していこうと思います。ぜひお楽しみください。
ヴァイオリンでいう「ストラディバリウス」のような。
ピアノでいう「スタインウェイ」のような。
一つの文化に触れるとき、その中で至高とされている存在がある事に気が付きます。歴史と実績、幾多のプレイヤーに愛されてきた不変的なアイコン。いつか手にしたい「憧れ」。
そしてカメラの文化に足を踏み入れた時、同じような引力を持っている赤いバッジに目が留まりました。カメラ愛好家の憧れと羨望を一身に浴びるライカという存在。
ライカの機材を目にしたとき最初に抱いたのは「どういう所が良いのかまだ分からないな」という気持ちでした。
単にスペックで比較したのであればもっと高性能なものが沢山選択肢にあり、当時の私は全容が知れないその様子にある意味おびえていたと思います。
LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC
そんな折、先輩方の熱烈な後押しもあって初めてライカのカメラに触れる機会がありました。そのカメラの名前は『Leica M10-P』。諸兄姉からすれば「初めてがM10-Pとは贅沢な」という意見もごもっともですが、私にとっては偉大過ぎる一台におののくばかりです。四の五の言っていても始まらない、と街に繰り出して撮った正真正銘一枚目の試し撮りがこの写真です。作例と言うにはあまりにも拙いカットですが、この一枚が私を驚かせました。
「これがライカなんだ」という説得力が確かにあるのです。それは立体感なのか、色なのか、まだわからない何か。
LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC
LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC
慣れないレンジファインダーに苦戦したこともあり、この日はさらに1~2時間撮影を行って帰路に付きました。
ライカの持つ熱量に浮かされて興奮気味で写真を確認し、構図が甘いなぁと自分の未熟さに反省しつつも「ライカには何かある」という収穫があったのです。
Leica X Vario (Typ107)
その後、もっと造詣を深めたいといくつかのカメラに触れてきました。自分がモノクロスナップが好きという事もあり、ライカが描いてくれるモノクロームの表現が好みにストレートに刺さったためそんな写真が多いです。
Leica X-E (Typ102)
Leica X-E (Typ102)
Leica X-E (Typ102)
色が取り除かれた世界は自分の目で見るよりも世界を鮮明にしてくれます。あらゆるディティールが鋭く立ち上がり、鮮明な印象を与えてくれます。カメラを通して覗く東京のカタチはとても複雑で愛おしい。そんなことを気づかせてくれたのもライカのおかげでしょう。
Leica CL + バリオ・エルマー TL18-56mm F3.5-5.6 ASPH.
先日、学生時代の大切な友人が結婚式を挙げました。招待してくれたことが何よりも嬉しく、せっかくだから少しでもいい写真が撮れればと思いながら遠路をたどります。
そんなに大仰な機材は持っていけないと思い選んだのが『Leica CL』です。小柄かつクラシカルなデザインも相まってスーツにも合うなぁと俗なことを考えながら会場へ。横切る富士山もこの晴れの日をお祝いしてくれているようです。
Leica CL + アポ・マクロ・エルマリート TL60mm F2.8 ASPH.
色々と上手くいかないことがあった学生時代、悔しくて泣いていた私の近くで同じように頬を濡らしてくれていた友人。十数年の時が経って、今度は嬉しい涙を共に流すことが出来ました。
凛々しくも優しい新郎新婦の姿に見惚れてしまいシャッターを切る回数は控えめになってしまったのですが、幸多き未来を送れるようにという願いがふわりと写真に溶け込んでくれたようです。
LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM
LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM
自分はまだまだ初心者で、いくらでも失敗します。落ち込んだりもします。それでも写真は確かに写っていて、その時風景に、被写体にどんなことを思っていたのかを教えてくれます。そしてそのチカラがライカは特に強いのではないかと思いました。気づいて、学んで、また撮りたくなる。探求心が続く限り何度でも一緒に向き合うことが出来る。憧れたライカの大きな器をこのタイミングで振り返ってみました。
Leica TL2 + エルマリート TL18mm F2.8 ASPH.
6月も折り返しを迎え、【写真の日】と銘打った本シリーズも残すところ半分です。
今後もスタッフの写真への思いをゆっくりお楽しみください。