
【SONY】ポートレートの撮影で見つけた、“いい光”と“不思議なボケ”
マップカメラのカメラ×ファッション 特別コンテンツ「LOOKBOOK」から、第2回「SONY×Fashion」の撮影の裏側をご紹介します。

今回メインで使用したのは「α1」と「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」。
撮影ではクリエイティブルックの「FL」を使用しています。
LOOKBOOKに掲載している写真は現像していますが、このブログでは撮って出しの作例をご紹介します。
FLは、撮って出しでも色がまとまりやすく、少し落ち着いた発色とコントラストの効き方が個人的にかなり好みです。
最近の機種では「FL2」や「FL3」も登場していますが、私は今のところ従来のFLで十分満足しています。今回のような夏の強い光にもよく合いました。
モデルの方には「α1」と「FE 24-70mm F2.8 GM II」を持っていただきました。

この日は、立っているだけでも汗がにじむほどの暑さ。
アスファルトからの照り返しも強く、モデルにも撮影者にもなかなか厳しい一日だったのを覚えています。
そんな真夏の光を活かしながら、LOOKBOOK用の撮影を進めていきました。

手前の植物を大きく取り入れ、前ボケ越しにカメラを持つ姿を撮影しました。
ピントが合った手元やカメラ、シャツの生地は細部までしっかり描写されていますが、手前の植物は輪郭を残さず、やわらかな色の面として大きくボケています。
前景、人物、背景と距離の異なるものを重ねることで、画面にも自然な奥行きが生まれました。
FE 70-200mm F4 Macro G OSS IIは、解像感の高さだけでなく、ボケが素直で扱いやすいところも魅力です。シャープなピント面とやわらかな前ボケを一緒に取り入れたい場面でも使いやすく感じます。

夏の青空を背景に、階段を上る後ろ姿を撮影しました。
明るい空から人物、日陰になった階段までが一枚の中に入る、明暗差の大きなシーンです。
人物の髪やワンピースのシワ、手すりや階段の質感まで細かく残り、少し離れた位置からでもすっきりとした描写になりました。
青空と手すりのような明暗差の大きな境界でも目立った色にじみが少なく、強い日差しの中でもクリアな印象です。
近くのものを大きく撮るだけではなく、こうして少し距離を取ったスナップでも使いやすい一本です。

撮影中、たまたまハトが目線の高さまでやってきたので、そのままカメラを向けてみました。
目のまわりやくちばしはもちろん、首元の緑や紫に光る羽まで細かく写っています。
普段は何気なく見ているハトですが、こうして大きく写してみると、羽の色や質感が思っていた以上に複雑で驚きます。
背景はやわらかくボケ、ピントを合わせた目元や羽毛が自然に浮かび上がりました。
こうした偶然出会った被写体にも、そのままズームして対応できるのは70-200mmならではの便利さです。

この日はマップカメラのオリジナル商品の撮影も兼ねていたため、ハーフマクロの性能がある、FE 70-200mm F4 Macro G OSS IIを使用していました。
このレンズはズーム全域で最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影に対応しています。
カメラを構える手元へぐっと寄り、マウント周辺の文字や金属部分までしっかりと描写してくれています。
開放とは思えないほど、細かな部分はしっかり描写される一方で、手前の葉や背景は大きくボケています。
通常の望遠撮影とはまた違った、浅い被写界深度も楽しめます。
70-200mmの望遠ズームとして使いながら、気になるものを見つけたらそのままハーフマクロまで寄れる。
レンズ交換をせずに撮れる範囲が広いのは、実際に一日持ち歩いてみるとかなり便利です。
またこの日は、少しクセのある描写を撮影するために「voigtlander PORTRAIT HELIAR 75mm F1.8」も持ち出しました。
球面収差コントロールリングを搭載し、ボケ方を変えられる75mm F1.8の中望遠レンズです。やわらかいボケから輪郭の強いバブルボケまで表現を変えられます。

紫陽花の咲く場所で、カメラを持つ二人を少し離れた位置から撮影しました。
まずはノーマル寄りの設定で撮影。
手前の植物を大きくぼかして入れながら、背景の紫陽花や葉もやわらかくぼかしています。
人物だけを切り抜くように写すのではなく、前後に緑を重ねることで、その場所の空気まで一緒に写し込めたように思います。
75mmという画角も人物との距離を取りやすく、背景を整理しながら被写体を自然に浮かび上がらせてくれました。
このレンズは単に「よくボケる」というより、どんなボケ方にするかを撮影者自身で選べるところがおもしろいです。

木漏れ日がネックレスを照らしているのを見つけ、思わずカメラを向けました。
PORTRAIT HELIAR 75mm F1.8で撮影すると、強い光が当たった部分も輪郭がカチッと硬く出るというより、わずかにやわらかさを残した描写になりました。
75mmという中望遠の画角も相まって、人物から距離のある背景は自然にぼけ、光の当たった胸元やネックレスへ視線が集まります。
このレンズは、球面収差コントロールリングによってボケだけでなく、ピント部分や光の見え方まで変化するのがおもしろいところ。こうした木漏れ日のある場面では、その独特な描写をより楽しめるように感じました。
続いて、球面収差コントロールリングをオーバー側に振って、描写がどのように変わるのか試してみます。

紫陽花を撮影している姿を、少し後ろからオーバー側に設定して撮影しました。
オーバー側にすると、ピントの芯を残しながら後ボケの輪郭が強くなり、特徴的なバブルボケが現れます。
背景の紫陽花や葉を見ると、滑らかに溶けるというよりも、ボケの輪郭がところどころ残っています。
細かな花や葉が重なった場所だったこともあり、このレンズらしいクセのあるボケが分かりやすく出ました。
一般的には滑らかなボケが好まれることが多いですが、あえて輪郭を残して背景そのものに表情をつけられるのも、このレンズならではです。

木漏れ日の多い場所では、オーバー側の特徴がさらに分かりやすく出ました。
木々の間から差し込む光がリング状になり、背景いっぱいにバブルボケが広がっています。
人物をシンプルに切り取った構図ですが、背景の光がこれだけ形を持つと、ボケ自体が写真の大きな要素になります。
少しざわつきのある個性的な描写ですが、木漏れ日との相性がよく、どこか幻想的な雰囲気になりました。

最後は球面収差コントロールリングをめいっぱいアンダー側へ。
先ほどのオーバー側とは大きく印象が変わります。
ピントの芯がやわらかくなり、ハイライトには光がにじむようなフレアが現れました。人物や木々の輪郭もくっきり分離するのではなく、周囲の緑や光の中へ溶け込んでいくような描写です。
特に木漏れ日の変化が分かりやすく、オーバー側ではリング状に残っていた光が、アンダー側では輪郭を失い、ふわっと広がっています。
同じ場所、同じレンズでも、球面収差の設定を変えるだけでここまで雰囲気が変わるのはおもしろいところ。
ピントの鋭さだけではなく、「どんな空気で写すか」まで自分で選んでいるような感覚で撮影できます。
今回の撮影は、とにかく暑さとの戦いでした。
それでも、強い日差しや木漏れ日、夏の濃い緑など、この季節だからこそ撮れる光もたくさんあります。
α1とFE 70-200mm F4 Macro G OSS IIでは、人物からスナップ、ハーフマクロまでテンポよく撮影。
PORTRAIT HELIAR 75mm F1.8 では、同じ場所の光やボケを少し違った方向から楽しむことができました。
LOOKBOOKでは現像後の完成した写真を掲載していますが、今回ご紹介したのはほとんどが撮って出しの作例です。
仕上がったLOOKBOOKと見比べながら、「撮影時はこんな色や光だったんだ」と楽しんでいただけたらうれしいです。
“Camera is Fashion”カメラと服は、どちらも自分の暮らしに寄り添うもの。お気に入りの装いで町へ繰り出し、心惹かれたものにシャッターを切る。マップカメラが魅せるLOOKBOOKシリーズ、ぜひご覧ください。
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