
【Leica】なぜ、M11 monochromはあえて色を奪うのか。そこに残るのは、鮮やかな「心象」だけだ。
2026年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは13周年を迎えます。
1925年、記念すべき「ライカI」の誕生によって写真の世界に革命が起きてから、「101年目」となる今年のテーマは『継承』。
新たな一世紀へと歩み出した今、私たちが改めて見つめ直したいのは、その長い歴史の中で脈々と継承されてきた精神です。
時代が変わり技術が進化しても決して揺らぐことのない『ライカが受け継いだ哲学』とは何か。
本連載では現行モデルそれぞれに宿るその本質を、独自のキーワードとともに紐解いていきます。
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日本海側を中心に大雪になっていた1月のとある日、この日は東京にも寒波が訪れ、冬の乾燥した冷たい風が頬を撫でる。
それなりに着込んで家を出たつもりだったが、いざ歩き回ってみると寒波の影響もあってか、強いビル風が吹き荒れる都内にはやや心許なかったように感じる。
M11 monochrom + Summilux-M 1.4/35 ASPH. 11726
最初はフォトグローブ越しに握っていたカメラを、指先の感触が鈍くなるの嫌い素手で握る事にした。
革張りされた部分はいくばくか優しいが、金属剥き出しの軍艦部や底部は否応なしに冬の冷たさを手に伝えてくる。
M11 monochrom + Summilux-M 1.4/35 ASPH. 11726
光は巡っているはずなのに、どこか突き抜けた明るさはなく、温かな屋内であれば微睡んでしまいそうな柔らかな光。
冬の路地裏はこういう緩く満たされた光に溢れているような気がする。露出を決め、そっと掬い上げるようにシャッターを切る。
M11 monochrom + Summilux-M 1.4/35 ASPH. 11726
様々なメーカーから敢えてモノクロのみに絞った機種がリリースされていると思うが、その先駆けが1800万画素のCCDセンサーを搭載していた頃のMモノクローム。
世代を重ね約6000万画素にまでその性能を高めたM11モノクロームは4世代目。変わることなくその光の機微を余すことなく読み取っているが、以前にも増して階調の情報量が増えているように感じる。
M11 monochrom + Summilux-M 1.4/35 ASPH. 11726
その時付けているレンズの特性や、画角、カメラボディのクセなどもちろんそういった事も考えながら撮影する事が常ではあるが、信頼のおけるレンズやボディだからこそ時には無茶なアプローチが出来たり、一挙手一投足までコントロールをせずともイメージ通りの画が出てくるのだ。
M11 monochrom + APO-Summicron 2/75 ASPH.
ピントはショーウィンドウの更に奥。行き交う人々とは打って変わって、来客を待つスタッフ。静と動の対比が面白いと感じた。
手前に落ちる光と、日陰も対比になっているのではないかと思う。
M11 monochrom + APO-Summicron 2/75 ASPH.
ショーウィンドウの向こう側に見えるワインボトルやグラス達。ちょうど良い光のタイミングで出くわす事が出来た。
半順光で当たった光が輪郭やディティールをわかりやすくしてくれている。フリンジなどの色滲みが出てしまうとモノクロでも線が太ってしまう原因になるので、レンズがアポクロマートである事も良い要因であったと思う。
M11 monochrom + APO-Summicron 2/75 ASPH.
改めてこうして記事として書き起こしていて気付いた事ではあるのだが、撮影前半と後半で光の探し方が少し違うようだ。
寒さを感じていた事も一因していると思われるが、前半はややネガティブな感情の中撮影に臨んでいたように感じられる。
時間的に日が昇りきっておらず、光が回りきらない街中の撮影であった事も要因していると思われるが、どちらかといえば影の中に光を求めている節がある。
M11 monochrom + Summilux-M 1.4/35 ASPH. 11726
後半はといえば、光を探しているのだ。面白い当たり方をしている光はないか、光の中に落ちる影はどうだろうかと。
歩き回った事で心も身体も温まり始めていた事も要因していると思われる。きっと上向きな感情の中、撮影していたはずだ。
M11 monochrom + Summilux-M 1.4/35 ASPH. 11726
M11 monochrom + APO-Summicron 2/75 ASPH.

最後の写真は前半に撮影していた1枚から。最後から2番目、3番目辺りの写真と見比べると雰囲気の違いが見て取れるのではないだろうか。
心や気持ちの移ろいは、その時々の断面で内面と向き合わなければ、どうだったかを明確にする事は難しいと思う。
写真にする事でその時の記録を後から見返すことになるわけだが、それがなんとなく滲み出ている事に今回気付くことが出来た。
心の琴線に触れた光や影を写真に収めていると考えると、その機微を最もダイレクトに記録しているモノクロ専用機こそが「心象」を表していると言っても過言ではないだろう。
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その手に、「継承」された確かな眼差しを。
ライカを選ぶということ。それは、長きにわたり磨き上げられてきた哲学を、あなた自身の表現の一部として迎え入れることに他なりません。
Leica Boutique Mapcamera Shinjukuは100年の歴史が凝縮された運命の一台との出会いを、お手伝いさせていただきます。
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