
【FUJIFILM】X-E5と4本のレンズで巡る夏の桐生。最新コンパクト機と楽しむ一人旅
マップカメラは日頃より多くのお客様にご愛顧いただき、今年で32周年を迎えることができました。
創業祭にあわせて毎年お届けしている、マップカメラスタッフによる特別企画。2026年のテーマは「夏旅」です。
旅に出るなら、どんな機材を持って、どこへ行きたいだろう。
いつか使ってみたかったカメラやレンズを手に、スタッフそれぞれが思い描く場所へ向かい、夏ならではの景色や出会いを撮影します。
憧れの機材を実際に使って感じた魅力や、旅先で気づいた新たな一面。写真とともに、撮影の楽しさを余すことなくお届けします。
この夏、皆さまもお気に入りの機材を持って旅に出たくなる。
そんなきっかけとなるシリーズを、どうぞお楽しみください。

カメラを持つようになって、旅に出かける機会が増えました。写真を撮るのも旅の醍醐味の1つです。
今回は一泊二日の一人旅。
人と一緒に旅するのもにぎやかで好きなので、初めて一人旅をした時は少し寂しい気もしていましたが、のんびりと自分の好きなペースで休憩を取ったり、じっくりと見学したりできる心地よさを今では気に入っています。
今でこそ多様なメーカーのカメラを触ることが増えましたが、今回は創業祭のブログということで、私自身が「カメラって楽しい」と思うきっかけになったFUJIFILMのカメラを連れていくことにしました。
選んだモデルは最新の「X-E5」。そのクラシカルな佇まいとコンパクトさから前モデルのX-E4を気に入っていたのですが、どのような進化を遂げているのかが気になり手にとりました。
普段は極力荷物を減らすスタイルですが、今回は選びきれず、持って行ったレンズは4本。
FUJIFILM純正レンズから「フジノン XF23mm F2.8 R WR」「フジノン XF35mm F1.4 R」「フジノン XF16-50mm F2.8-4.8 R LM WR」の3種類、そしてLeicaのオールドレンズ「ズマール L50mm F2」を携えて出発します。

都会の喧騒から離れ、電車に揺られること約3時間。JR桐生駅へと到着しました。
天気にも恵まれ、暑いくらいの快晴に見守られながら、絹織物で有名な桐生の町へと繰り出します。
CONTENTS / 目次
宝徳寺|四季折々の美しさを感じるお寺

宝徳寺は、室町時代の宝徳年間に開山された臨済宗建長寺派の歴史ある禅寺です。


水が張っているのかと見まがうほどに磨き上げられた床の美しさに思わず息を飲みます。
季節ごとに異なる表情を見せるこちらの「床もみじ」。特別公開中の奥の間には、涼しげな和傘が飾られていました。
夏は新緑が眩しいこの場所も、秋には鮮やかな紅葉へと変貌するそうなので、ぜひまた訪れたいお寺です。
「フジノン XF16-50mm F2.8-4.8 R LM WR」は、単焦点レンズでは届かない広角側をカバーしてくれるため、室内空間の広がりをダイナミックに表現することができました。
ズーム時にレンズが伸びないインナーフォーカス構造なので撮り回しが良く、旅先で非常に使い勝手のよい1本です。


夏は床もみじの他に風鈴まつりが行われており、カラカラと涼しげな音が耳に心地よく響きます。
日本屈指の暑さを誇る桐生ですが、心なしか体感温度が下がったように感じられました。
ガラス製のカラフルな風鈴に、他の参拝者の方々と並んで願いを込めた短冊を結びます。
柔らかく大きなボケを楽しむことができる「フジノン XF35mm F1.4 R」は、純正レンズの中では筆者の最も好きなレンズでもあります。
2012年の発売から15年近く経った今なお現行モデルとして愛され続けていることからもその描写力の高さがうかがえ、明るいF値だからこそ得られる立体感のある描写は神レンズと呼ばれることにも納得です。


境内を歩くと、あちらこちらに愛らしいお地蔵様の姿が。
夏の強い日差しから守るかのように麦わら帽子が被せられており、その微笑ましい姿についカメラを向けてしまいました。
桐生明治館|和と洋の合わさる明治の擬洋風建築


医学校を併設する衛生所として、当時の前橋市に建築された桐生明治館。
純粋な西洋建築ではなく、屋根に瓦が使用されていたりと、日本古来の技術と融合した「擬洋風建築」ならではの味わいがあります。
衛生所から始まり、学校や役場など様々な用途を経て、現在の姿に修復されました。


館内には明治時代に実際に使われていた道具が展示されています。
道具たちが歩んできた長い歴史に思いを馳せながら見学を楽しみました。
FUJIFILMといえば、独自の「フィルムシミュレーション」です。
往年のフィルム名が冠されたそれぞれのルックは、単なる「フィルム風」を目指したものではなく、それぞれのフィルムが目指した色彩表現をデジタル技術でも継承し、フィルムメーカーならではのこだわりを持って一つひとつ設計されています。
色彩の完成度が高く、写真を見ただけで「FUJIFILMで撮られたものだ」と気づくことも少なくありません。
また、X-E5では、ボディ天面に「フィルムシミュレーションダイヤル」が配置され、ダイヤルを回すだけで直感的にシーンに合わせた色味へ切り替えられるようになりました。
メニュー画面に入る煩わしさがなくなり、より撮影そのものに没頭させてくれます。
桐生天満宮|桐生の街を見守る歴史ある神社

国指定重要文化財に登録されている桐生天満宮。
学問の神様として有名な菅原道真公と、公の御先祖である天穂日命を奉斎している神社です。


マニュアルフォーカスレンズ、特にオールドレンズが好きです。
初めてマニュアルフォーカスのレンズで撮影したときは、ピント合わせに苦戦しながらもなんだかとても「写真を撮っている」という実感があり、心躍ったのを覚えています。
ここではライカのスクリューマウントレンズ「ズマール L50mm F2」を、マウントアダプターを介して使用しました。
ライカで有名なズミクロンの前身とも言えるレンズで、1933年から1940年に生産されていたモデルです。
今回は持ち運び時にコンパクトに収まる沈胴式のモデルを使用しましたが、ミラーレス機に装着する際はセンサーを傷つけるのを防ぐため沈胴させずに使用するのが安全です。
クラシカルでアイコニックなレンズの見た目はもちろん、ソフトフィルターを重ねたかのような幻想的な描写がたまりません。
特に今回使用したのは「ズマール L50mm F2」の中でもコーティングなしのモデルのため強い光の影響を受けやすく、夕方の柔らかい差し込む光を優しく捉えて神社の静けさと神聖さを引き立ててくれました。


X-E5のセンサーはAPS-Cサイズのため、50mmレンズを装着すると35mm判換算で約75mm相当の中望遠画角になります。
レンズのおいしい中央部分だけを使うことになるため、オールドレンズ特有の周辺減光やぐるぐるボケは穏やかになりますが、フィルムシミュレーションとの相性は抜群です。
ハイライト部分に光がじわりと滲むような、情緒あふれる写真をたくさん残すことができました。
絹織物参考館“紫”|織物の歴史を体感する生きた織物博物館



蚕の繭から美しい織物ができるまでの工程をじっくり学べる「絹織物参考館“紫”」。
ノコギリ屋根が印象的な館内には、数多くの機織り機や糸車などが展示されています。
実際に電動の機織り機が稼働しており、ガシャガシャと力強い音を響かせながら美しい模様を織り上げていく様子には圧巻の一言でした。


また、事前予約をすれば機織りや藍染め体験ができるのもこちらの魅力。
鮮やかに染め上がった布はよく目にしますが、その原料となる藍の植物にも触れることができ、新たな発見がありました。
有鄰館|文化発信地として生まれ変わったレンガ倉庫

有鄰館は、かつて酒・味噌・醤油を醸造・保管するために使われていた歴史ある煉瓦造りの倉庫群です。
現在では街並み保存の一環として整備され、演劇の舞台やギャラリーなど、地域の文化発信地として広く活用されています。


ここでメインで使用したレンズは「フジノン XF23mm F2.8 R WR」。
X-E5のレンズキットとしても用意されているパンケーキレンズですが、その描写力はあなどれません。
ボケ感こそ控えめなものの、35mm判換算約35mmという画角は非常に素直で、建築物の質感をシャープかつ歪みなく捉えてくれます。
また、薄型・軽量でバッグのスリットにもすっと収まる携帯性の高さもあり、今回の街歩きで最も出番の多かった頼れる1本です。
グルメ|旅の満足感を高めてくれるご当地の味


その地の風土から生まれたご当地グルメも旅の大きな楽しみの1つ。
地元の人に愛され、その土地に根付いたお店の味に舌鼓を打ちます。
桐生ではソースカツ丼とひもかわうどんが有名ですが、今回はうどんではなく喉越しの良いそうめんをいただきました。
ソースカツ丼は揚げたてのカツに甘辛いソースがしっかりと染み込み、噛むたびにジュワッと旨味が広がります。
旅を振り返って

あっという間に過ぎ去った一泊二日の小旅行。
それぞれのレンズが非常にコンパクトなため、ボディとレンズ4本をバッグに詰めても最後まで身軽に桐生の町を巡ることができました。
操作性がシンプルで初心者にも扱いやすいX-E5ですが、優れたレスポンスと高い表現力を備えており、カメラを使い慣れた方でも決して物足りなさを感じさせない1台です。
「カメラと共に旅をする」ということは、旅先での空気感や心動かされた瞬間を、いつまでも色鮮やかに見返せる宝物として残してくれるのだと実感しました。




