
【Leica】装備は撮影スタイル。大型ザックと28mmで歩く私なりの山行
MILLET SAAS FEE NX 60+。山に入る日の装備は、その日の撮影スタイルそのもの。
ファッションに詳しいかと聞かれると、正直なところ自信はありません。
流行のブランドや服の合わせ方を語れるわけでもなく、普段から装いに強いこだわりがあるタイプでもありません。
けれど、山に入る時だけは少し違います。
どのザックを背負うか。
どの靴を履くか。
どのカメラを持っていくか。
それらは単なる道具選びではなく、その日の行動を決める大切な要素です。
歩く距離、天候、荷物の量、撮りたい景色。
そうした条件に合わせて身につけるものを選んでいくことも、自分にとってはひとつのファッションなのではないかと思います。
Camera is Fashion。
そう考えるなら、登山装備もまた、写真を撮る人のスタイルを表すものなのだと思います。
山で撮るなら、まずは歩けること
登山での撮影は、基本的にはLeica Q3をメインにしています。
28mmという画角は、山道の雰囲気や稜線の広がり、休憩中にふと見上げた空まで、その場にいた感覚ごと残しやすい焦点距離です。
レンズ交換を考えずに歩けることも、山では大きな安心感につながります。
Leica Q3で撮影。28mmの画角は、木道の先に広がる景色まで、その場の空気ごと残しやすいと感じます。
もちろん、登る山や目的によって装備は変わります。
野鳥や遠景まで狙うならNikon Z9にNIKKOR Z 28-400mmを組み合わせることもありますし、星が狙えそうな山行であれば、NIKKOR Z 20mm F1.8 Sや三脚も持っていきたくなります。
山小屋泊となれば着替えや防寒具も増えます。
撮影機材だけでなく、生活道具まで含めたパッキングが必要になります。
大型ザックを背負って歩く時は、容量以上にフィット感と重心の整え方が大切になります。
山で写真を撮る人間にとってザックは、単に荷物を運ぶ袋ではありません。
歩くための服であり、撮影のための機材庫であり、天候変化に備える安全装備でもあります。
沢沿いの緑も、歩いている途中でふと立ち止まりたくなる景色です。Q3はそうした瞬間にすぐ構えられる身軽さがあります。
装備としてのザック、撮影道具としてのザック
私が愛用しているのは、MILLETの「SAAS FEE NX 60+」です。
MILLETのロゴ。使い込んだ生地の表情も含めて、山で使う道具らしさを感じる部分です。
60Lクラスのザックなので、日帰り登山だけを考えると少し大きく感じることもあります。
けれど、カメラ機材を持って歩く場合は、単純な容量以上に「どう荷物を収めるか」が重要になります。
これらをただ詰め込むだけでは、山では歩きにくくなってしまいます。
大切なのは、重心です。
カメラ機材はどうしても重量があります。
重いものを背中に近い位置へ寄せ、歩行中に揺れにくいように収める。
着替えやレインウェアは取り出しやすい位置へ。
すぐ使わないものは下の気室へ。
そうやって荷物の位置を整えるだけで、同じ重さでも背負った時の印象は大きく変わります。
日帰りではやや大きく見えるサイズでも、カメラ機材や着替えまで含めると、この余裕が安心感につながります。
このザックは腰まわりのホールド感がしっかりしていて、荷物の重さを肩だけに預けずに背負える安心感があります。
機材が増えた日でも、腰で支えられる感覚があるだけで、登りの疲労感はかなり変わります。
ファッションというと見た目の話になりがちですが、山では身体との合い方が何より大切です。
自分の身体に合っていて、長時間背負っても違和感が少ない。
そういう道具は、自然と使い続けたくなります。
決め手は、気室の分かれ方とアクセスのしやすさ
このザックを選んだ大きな理由が、気室が分かれていることです。
登山中にカメラ機材を入れ替える場面は意外と多くあります。
レンズを替えたい、上着を出したい、レインウェアをすぐ取り出したい。
そうした時に、いちいち上部の雨蓋を開けて荷物を掘り返す必要があると、どうしてもテンポが落ちてしまいます。
撮影したいと思った瞬間に、必要なものへアクセスできるか。
これは山で写真を撮るうえでかなり大事なポイントです。
SAAS FEE NX 60+は上からアクセスできるだけでなく、サイド、あるいはフロント側からも荷室にアクセスできます。
山道の途中でザックを下ろし、必要なものだけを素早く取り出せる。
撮影機材を持って歩く身としては、この“開けやすさ”がそのまま撮影のしやすさにつながります。
登山道の脇に咲く紫の花。すぐにカメラを構えられることが、こうした小さな出会いを写真に残すきっかけになります。
Leica Q3で残す、山の距離感
Leica Q3を山に持っていく理由はシンプルです。
小さく、よく写り、迷いが少ないからです。
28mm単焦点という仕様は、レンズ交換式のような自由度とは違います。
ただ、山ではその制限がむしろ心地よく感じることがあります。
広がる景色を前にした時も、足元の小さな花に気づいた時も、カメラを構えるまでの動作が少ない。
歩きながら撮るカメラとして、その身軽さは大きな魅力です。
山小屋と青空。28mmの画角は、風景の広がりとその場の空気感を自然に残してくれます。
山では、広い景色を見上げる時間もあれば、足元の木道を一歩ずつ進む時間もあります。
Q3の28mmは、その両方を自然につないでくれる画角です。
森の中の木道。明るい稜線だけでなく、少し暗い登山道の空気も山行の大切な記録です。
足元の小さな発見も、山の記録になる
山で写真を撮っていると、遠くの景色だけでなく、足元の小さな存在にも自然と目が向きます。
登山道の脇に咲く花。
雨上がりの葉。
沢沿いの緑。
そうしたものは、急いで歩いていると見落としてしまうものかもしれません。
けれど、カメラを持っていると、ふと立ち止まる理由になります。
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足元に咲く白い花。大きな景色だけでなく、小さな被写体に立ち止まれることも、山で写真を撮る楽しさです。
レンズ交換をしなくても、広い風景から足元の被写体まで一台で向き合える。
Q3を持って歩く楽しさは、こうした撮影のテンポにもあります。
歩いている途中で見つけた小さな花。山行の記録は、足元の発見からも生まれます。
柔らかな緑の重なり。山の中の静かな時間を感じる一枚です。
水の音、雪の残る道、雲の流れ
山の表情は、歩いている間にも少しずつ変わっていきます。
沢の音が近づいたり、雲の切れ間から光が差したり、残雪が登山道を横切ったり。
そうした変化を写真に残す時、Q3の28mmは自分がそこに立っていた感覚を残しやすい画角だと感じます。
残雪のある登山道。足元の状況が変わるからこそ、装備の安心感が大切になります。
もちろん、遠くの被写体を大きく引き寄せることはできません。
野鳥や遠景を狙うなら、Z9とズームレンズの出番です。
けれど、山行全体を記録するならQ3の身軽さはとても大きい。
「今日は何を撮るか」よりも「今日はどこまで歩くか」が大切な日には、Q3の存在がちょうど良いのです。

残雪の山並みと低く流れる雲。大きな景色を前にした時、28mmの素直な広がりが心地よく感じます。
装備を選ぶことは、撮影のスタイルを選ぶこと
登山装備は、すべてに理由があります。
なぜそのザックなのか。
なぜそのカメラなのか。
なぜその重さを背負ってまで山に入るのか。
見た目だけで選ぶものではありません。
けれど、機能だけでもありません。
背負った時にしっくりくること。
自分の撮影スタイルに合っていること。
山の中で不安を減らしてくれること。
そういう道具は、自然と自分の一部になっていきます。
Camera is Fashion。
その言葉を自分なりに受け取るなら、ファッションとは“どう見せるか”だけではなく、“どう行動するか”を表すものでもあるのだと思います。
山に入る日のザックとカメラ。
それは、写真を撮る自分のスタイルそのものです。
終わりに
ファッションに詳しくなくても、装備にはこだわりがあります。
登山用のザックも、カメラも、選んでいる理由がある。
その理由をたどっていくと、結局は自分がどう動き、何を撮りたいのかに行き着きます。
MILLETのSAAS FEE NX 60+は、荷物を背負うための道具です。
Leica Q3は、山で出会った景色を残すためのカメラです。
けれど、その二つを身につけて山に入る時、そこには自分なりのスタイルがあります。
見た目のためだけではなく、歩くために。
撮るために。
そして、山の中で安心して過ごすために。
私にとってのCamera is Fashionは、そういう装備の選び方なのだと思います。
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