
【Carl Zeiss】写真の質をワンランク上げる、新生“Otus”
光学性能に一切妥協しない、Carl Zeiss最高クラスのレンズ“Otus”シリーズ。今年、そのシリーズからミラーレス一眼レンズ用「Otus ML 50mm F1.4」が新たに発売され話題となりました。
そして只今9月にOtus MLシリーズ第2弾となるレンズ「Otus ML 85mm F1.4」が発売される予定となっています。Otusシリーズの中望遠レンズなので、期待を胸に筆者も待ち望んでいるところです。
そんな中、今回紹介するOtus MLシリーズ第1弾となるレンズ「Otus ML 50mm F1.4」を使用する機会がありましたので、Zeiss Otus MLの写りを堪能しながらレビューが出来ればと思います。
今回使用した「Otus ML 50mm F1.4」。発売される前は、Canon EFマウント・Nikon Fマウントの一眼レフカメラ用として「Otus 55mm F1.4」が標準レンズとしてあり、現在も現行品として販売されています。焦点距離は少し違いますが、違いとして分かりやすいのが大きさと重さ。「Otus 55mm F1.4」が約1000gだったのに対し、「Otus ML 50mm F1.4」が約700gとマウントによって多少重さは違いますが、約300g程軽く更に小型化もされています。これによって、機動性はかなり上がったような印象を撮影していて感じました。
小型軽量化した上で、Carl Zeissの画質に妥協しない最高クラス“Otus”の名を持つレンズ。今回は筆者お気に入りのミラーレス一眼カメラ「SONY α7SⅢ」と共に使用しましたので、作例も一緒にご覧いただければと思います。
筆者は「Otus」シリーズのレンズに関しては今回が初めての使用。まず、持った印象として金属製の外装やレンズフード、文字の部分はOtusらしいイエローの文字で他のCarl Zeiss製レンズとは一味違うような高級感を感じました。ワンランク上の写真が撮影できそう、というようなモチベージョンにも繋がり、写欲を満たしてくれるレンズだと感じました。





使用する前は「Otus 55mm F1.4」はMFレンズですので、写真を撮影するスピード感は遅くなるかと思っていましたが、MFリングは滑らかに動き、ピントがかなり合わせやすい印象を受けました。合わせたいところにスッとピントが合焦し、なかなかスピーディーに撮影することが出来ました。
MFレンズではありますが電子接点が搭載されているので、ピントリングを回すと自動的に拡大されたり、レンズ情報(Exif)も記録されます。





そして肝心な写りの面。今回はSONYのクリエイティブルックを使用して撮影を行いましたが、それでもCarl Zeissのレンズらしいコントラストの高い写りは健在。青や緑の発色が良く筆者好みの写り。そしてピントが合った部分はよりシャープに、ボケ感は絵画で描いたようなボケ味ながらもすっきりとしており、2次元の写真にも関わらず奥行き感のある写りで、何気なく撮った写真なのに立体的でその写真の中に引き込まれるような印象にも感じました。




解像力の高いレンズですので、SONYのカメラだと「α7RⅤ」のような「Otus ML 50mm F1.4」と組み合わせて使用する方も多いとは思いますが、画素数の少ない「α7SⅢ」でも十分に描写の違いを感じることが出来ました。「α7SⅢ」特有のダイナミックレンジの広さも相まってか、より色や明暗の諧調もしっかり描写されているようにも感じました。
今回使用してみて、新しくなった「Carl Zeiss Otus」の良さを更に実感することが出来ました。写りに対してかなり良いという声は耳にしてきましたが、実際に使用するとピントの合った部分の解像感と背景のボケ感が上手い具合に立体感を出し、何気なく撮った写真がワンランクもツーランクもクオリティが上がっているように見えてしまう。そのような描写を叩き出すこのレンズに、より魅力を感じました。
筆者もその後「Otus」に興味を持ち、一眼レフ用の「Otus 55mm F1.4」も使用。「Otus ML 50mm F1.4」と比べると重くは感じましたが、そのレンズもかなり描写力の高いレンズだと思い、改めて“Carl Zeiss Otus”の完成度の高さを感じている次第です。
9月にはOtus MLシリーズ第2弾となるレンズ「Otus ML 85mm F1.4」の発売が控えています。Otusの描写を体感した筆者はどんな写りを出してくれるのか、より楽しみな気持ちになりました。
皆様も一度「Carl Zeiss Otus」レンズを手にして、最高峰の描写を体感してみてください。
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