
お魚が水面下から水面上を見上げた場合、水の屈折率の関係で風景が歪んで円形に見えるそうです。
これにちなんで名づけられたレンズがあります。
「魚眼レンズ」そのまんまのネーミングです。

魚眼レンズの最大の特徴である画角は、通常の超広角レンズよりもさらに広く、180度以上もあるものもあります。
広角レンズより、さらに広く強烈なデフォルメ効果が得られ、通常のレンズでは捉えることが難しい広範囲の景色や全景を一度におさめることができるのです。
非日常的な視点が得られるので、これを写真撮影に使用するために各メーカーから魚眼レンズが発売されているのですが、実は、芸術用のコンシューマー的な目的よりも、気象観測や星・オーロラの観測、あるいは自動車の視界確保といった学術・実用的な目的のために開発された経緯があるそうです。
さて、魚眼レンズには大きく分けて全周魚眼レンズと対角線魚眼レンズの2種類があります。
全周魚眼レンズ(円周魚眼レンズ)は、画像を円形に切り取るタイプの魚眼レンズです。
画角は通常180度以上で、円形の映像が円の中心に立体的な世界を写し出します。
死角が非常に少ない為、前述のように当初は学術用途が主とされていました。
このユニークなレンズを写真家が撮影目的で使用し始めたのですが、当然ながら円形の画像はニッチすぎて扱いづらいものとなっていたそうです。
そこからの流れで、主に写真撮影用として考案されたのが対角線魚眼レンズとなります。
対角線魚眼レンズは、対角線上で最大の視野角を持つタイプの魚眼レンズです。
画角は通常180度以上で、非常に広い視野を捉えることができます。
こちらは対角線、つまり写真としての通常のフォーマット内の画像で写し出されるので、写真家の中で使用される機会が広がっていくようになったとの事です。
では、世界をゆがめてみましょう。
今回は風景をメインにかなり広大な景色を撮影してみました。
用意した機材は 「Nikon Z5II 」「マウントアダプター FTZ II 」「Nikon Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm F2.8D」
対角線魚眼レンズにあたる「Nikon Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm F2.8D」は現行のミラーレス一眼カメラにて使用しても十分に使用に耐えうる解像を得られるレンズであるかと思います。
描写される範囲が広い為、判別しづらいですが拡大してみると精細に描写されております。



中心から放射状へ曲線になるのが、このレンズの特徴になります。
俯角を変えると大きくゆがんでいきます。
画角は対角線方向に180°。
今回は、あまりなじみのない魚眼レンズという極端な写りの仕方をするレンズの紹介になりますのでわかりやすく
大きく開けた景色を捉えてみました。左右に遮るものが無い状態で、どの程度まで歪むものかを試しています。
すでに夕暮れを迎え日没まで1時間もない状況でしたので、だいぶあたりは暗くなってきていたのですが
西に向けて沈みゆく夕日に向かい撮影した画像でも、水平線がはっきりわかるほど、明るさが得られています。


足元にある流木に近寄って撮影してみると、表面の荒々しい木目や質感を精彩に捉えつつ、周りの砂浜と広大な空までしっかりとフレームインできます。
被写体の質感と「その場の空気感」を同時に感じられます。


大きく見上げて縦構図でパチリと撮ります。頭上に伸びるススキや電線がダイナミックに湾曲し、まるで異世界に迷い込んだかのようなインパクトのある絵作りになりました。

見慣れた道や草むらも、魚眼レンズを通せばこの通り。直線であるはずの道路や地平線が大きく歪むことで、日常の風景が一瞬でアトラクションのような非日常的な空間へと変貌します。
使いこなすには少しコツがいりますが、自分の意図に合わせて歪みをコントロールできるようになると、写真表現の幅が格段に広がります。

今回、使用した機材は
「Nikon Z5II 」「マウントアダプター FTZ II 」「Nikon Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm F2.8D」
世界を独自の視点で写し取れる組み合わせです。
皆様もぜひご検討してみてください。



