【マップカメラ情報】Nikon COOLPIX S800c 試写レポート
2012年9月27日に発売となったニコン「COOLPIX S800c」。スペック的にはGPSとWi-Fiが搭載された多機能デジタルカメラのように見えるが、システムをAndroid OSにしたことで「シェアする」ことがより便利になり、今までにないコミュニケーションとシステムの応用が新体験ができるデジタルカメラだ。
Nikon COOLPIX S800cというカメラ
スマートフォンでお馴染みの「Android OS」を搭載したニコン「COOLPIX S800c」が登場した。スマートフォンは、撮った写真をSNSやメール、ブログなどへすぐにシェアできる点が便利だが、写真を撮る道具としては光学式ズームレンズがないため撮れる写真が限られてしまう。
COOLPIX S800cは、35mm判換算25-250mmの光学10倍ズームと手ブレ補正機能(VR)、そして有効画素数1602万画素のCMOSセンサーを搭載したデジタルカメラ部分と、システム部分にはAndroid OS 2.3を搭載したスマートデバイスである。COOLPIXとなるカメラ部分は、Android上のカメラアプリとなっておりカメラとして使用しない場合は、いわゆるスマートフォンのような使い方が可能となっている。
カメラ部分は、COOLPIXの基本が踏襲されており顔認識AFや、「おまかせオート」、「シーンモード」、「スペシャルエフェクト」などの撮影モードが用意されている。背面にはCOOLPIXのマルチセレクターやMENUボタンはなく、Androidではお馴染みの「MENU」、「HOME」、「戻る」の3ボタンのみとなっており、項目選択などはタッチパネルを直接操作する仕組みとなっている。
この操作は、COOLPIXに慣れているとやや戸惑うかも知れないが撮影モードの変更などは、画面右に表示されている撮影モードアイコンをタッチすれば撮影モードメニューが表示されるので、思ったよりも直感的に操作できるようになっている。露出補正などもアイコンをタッチしてスライダーを調整するだけなので、ボタン操作を覚える必要がない点が良い。
撮影した画像の再生は、カメラ画面の右下に表示されているサムネイルをタッチするか、HOMEボタンを押してホーム画面に移ってから「再生」アプリで確認することができる。再生では撮影画像のシェア(メールやSNSなどの関連するアプリ)やトリミングだけではなく、画像編集やアクティブDライティング、ミニチュア効果などのフィルター効果など、こちらもCOOLPIXでお馴染みの機能を使うことができる。
Wi-Fiルーターやテザリングが出来るスマートフォンと併用することで、Wi-Fi経由でCOOLPIX S800c単体でメール作成やSNSへの投稿などができる。また、受け手側のスマートフォンにCOOLPIX連携アプリをインストールすることで、COOLPIX S800cで撮影した写真を受け手側のスマートフォンへWi-Fiで転送することも可能となっている。このように様々な方法で、撮った写真をその場でシェアできるので、グループで外出した際の記念撮影に重宝するカメラであると言えよう。
そのほか、Android OSが搭載されているので、Google Playストアからアプリのダウンロードが可能となっている。既にAndroid端末を利用しているのであれば、Googleアカウントでログインするだけで、アプリのインストールも簡単に行うことができる。
デジタルカメラなのに、ゲームやSNS、webブラウザ、画像編集、日本語入力など使いたいアプリをインストールして、より便利に使えるようにカスタマイズできる点がCOOLPIX S800cの面白いところでもあり、これが新しいデジタルカメラの一つの形であるような気がしてならない。
今までは、写真を撮らない時はあまり使うことがないカメラだったが、写真を撮らない時にもGoogleマップで地図を調べたり、カレンダーで予定をチェックしたり、メールでやりとりをするなど、こんなに便利に使えるならもっと早くから作って欲しかったと思えるのではないだろうか。
さらに、SDカードに保存した音楽データを内蔵スピーカーを利用して鳴らしたり、Bluetoothを使用すればイヤフォンを使って音楽を楽しむこともできる。いざというときには望遠250mmの光学10倍ズームで撮影ができる、これぞ頼もしいスマートデバイスと言えよう。
COOLPIX S800cは、カメラがより身近でそして本当に便利な道具になったと実感できるそんな一台だ。