
先日、ようやっと梅雨明けを迎えたというニュースを耳にしました。
外では待ち侘びたように蝉が鳴きはじめ、曇り続きだった空は一転して晴れ渡っています。
今年もいよいよ夏本番といった塩梅で、カメラユーザーにとっては胸高鳴る季節の到来です。
このところNikon Fマウントレンズに凝っている筆者としては、この晴天にかこつけてまた何かしらのレンズを試そうと画策していました。
最近使った覚えのないレンズでいうと、真っ先にこちらのマクロレンズが思い浮かびます。
まずマクロレンズの定義ですが、被写体をより近く、より大きく写すことに特化したレンズのことです。
単に被写体に寄れればそれで良いというわけではなく、ディテールをつぶさに観察できるだけの十分な倍率というのが必須条件です。
この指標を最大撮影倍率といい、センサー上にどれだけの大きさで結像されるかが表されます。
Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDでは最大撮影倍率1.00倍とされており、いわゆる「等倍マクロ」と呼ばれるレンズにあたります。
等倍鑑賞にも耐え得るシャープネスはもちろん、歪曲収差が極めて少ない光学設計、そしてナノクリスタルコートによりゴーストやフレアを抑制しています。
最短撮影距離が短い単焦点レンズで思いきり寄ればなんでも疑似マクロになるのでは?と考えたこともありましたが、
仕様をそれぞれ見比べたところ、近接撮影にはやはりマクロレンズが必要だと思い直しました。
Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED
最短撮影距離: 18.5cm
最大撮影倍率: 1.00倍
Nikon AF-S NIKKOR 50mm F1.8G
最短撮影距離: 45cm
最大撮影倍率: 0.15倍
Nikon AF-S NIKKOR 35mm F1.8G ED
最短撮影距離: 25cm
最大撮影倍率: 0.23倍
Nikon AF-S NIKKOR 20mm F1.8G ED
最短撮影距離: 20cm
最大撮影倍率: 0.23倍
どのレンズよりも、寄れるし、大きい。
他レンズとは一線を画すことに間違いなさそうです。
なお、一般的には「マクロレンズ」ですが、ことNikonにおいては「マイクロレンズ」と呼ばれています。
これはNikonの長い歴史に依るもので、基本的にはどちらも同義です。混乱を避けるために本記事では「マクロレンズ」表記に統一しています。
それではレンズを試していきます。
組み合わせるボディは、筆者が気に入っているデジタル一眼レフ Nikon Dfです。

まだ少し涼しい7月前半の午前中。
熱中症を避けるために木陰を歩いていきます。

親水公園の水景に出会いました。
ここでは水流に動きをもたせる1/15秒のスローシャッターを。
ボディ・レンズとも手ブレ補正がないため、思いのほか手持ち撮影に苦戦しました。
3枚に1枚は微ブレしてしまう状況で、筆者自身の身体捌きが未熟であることを痛感しました。

マツブサでしょうか。はやくも実を結んでいます。
背景の光源がしっかりと玉ボケになっていて表現力の高さを感じさせます。

こちらは切られて間もない切り株です。
年輪の中心部を最短撮影距離で撮影しました。
あまりにも被写界深度が浅いため、F11まで絞りこみ、シャッタースピード1/100秒で手ブレを抑えました。
年輪を数えると樹齢50~60年程度だったようで、戦後立ち直る東京をここで見守ってきたのでしょう。
当時の植栽も数十年が経ち、空洞化や立ち枯れを理由に伐採されることが増えているように感じます。


大小の花が思い思いの場所で咲いています。
産毛が見てとれるほど思いきり寄ることも、反対に、本来の60mmらしく離れたところから引いて撮ることも自由自在です。

顔を見合わせるオンブバッタとアリ。
近接撮影のピント合わせはシビアなため、元気よく歩きまわる昆虫たちを追いかけるのに必死でした。


都心方面まで歩いてきました。
新旧のビルが密集しているのを眺めながら淡々とシャッターを切ります。
日本屈指のビンテージマンションの前を通ると、年季の入った消火栓が渋い風合いに仕上がっていました。
中望遠でのスナップが好きな筆者は、近接撮影でなければテンポよく撮っていくことができます。

あてもなく歩いてきた筆者ですが、馴染みの専門店に自然と吸い寄せられていたようです。
店に入って眼福な商品を眺めていると、まさに今使用中のNikon Dfの購入を検討されている方に出会って話が弾みました。
こんな出来事もカメラあってこそ。
暑くても外に出てみるものだなとひとりごちたスナップ撮影でした。
近接撮影「だけ」優れていると思われがちなマクロレンズですが、実際にはスナップ撮影や遠景もそつなくこなします。
全長89mmと比較的コンパクトなこともあり、約425gの重量であってもほぼ気になりませんでした。
ただ正直なところ、手ブレ補正機能が欲しくなる場面がしばしばありました。
被写体まであと数センチという距離まで近づくマクロレンズでは、僅かな手ブレすら像面に大きな影響を与えます。
とくに開放絞りでは被写界深度が非常に浅く、奥行き方向の手ブレにも神経を遣います。
安定した撮れ高を期待するならば、手ブレ補正機能のあるボディと組み合わせるか、もしくは当たり前ですが三脚に据えるのが良いかと思います。
ともあれ、被写体にグイグイ寄ってのマクロスナップ撮影、大いに楽しむことができて満足でした。
【Nikon】D850とAF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G EDで清水公園フラワーガーデンを行く
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