
【Nikon】REDとのシナジーによって生まれた全く新しいシネマカメラ「ZR」先行レポート
本日9/10に発表となったNikonの新製品、「ZR」。
Nikonとしては初となる、動画特化型のミラーレス一眼カメラです。
今回は東京・新宿にある「ニコンプラザ東京」にて先行体験してまいりましたので、ニコンフロアスタッフの目から見た新機種ZRについて、早速レポートさせていただきます。
『Nikon ZR』のスペック
まずはカタログスペックを抜粋して一部ご紹介いたします。
・撮像素子:35mmフルサイズ部分積層型CMOSセンサー
・有効画素数:2450万画素
・記録メディア:CFexpress TypeBカード/MicroSDカード
・画像モニター:バリアングル式4.0型、約307万ドット
・重量:約630g(バッテリー・メモリーカード込み)
センサーなどの性能は既に発売されているNikon Z6IIIに準拠していますが、スペックを見ていても気になる部分が非常に多いです。
ではここからは、ニコンフロアスタッフが実際に触って、特に注目したポイントをいくつかご紹介します。
『Nikon ZR』注目ポイント
外観
やはり気になるのはその特徴的な外観です。
ファインダーや大型のグリップが廃され、代わりに各種ボタンが備わっています。レンズマウント部にもRECボタンが設けられているのはシネマカメラならではです。
本格的な動画撮影では手持ちよりもジンバルやリグと併用することが多く、そのような撮影スタイルを強く意識しています。
一方でグリップがほとんど平らになりましたが、レンズを装着した状態でも握りづらいという印象は持ちませんでした。わずかに段差になっている部分が手にうまくかかってくれます。
バリアングル液晶を閉じた背面には「Nikon」と「RED」の文字が見えます。
背面側の操作系に関しては最低限のマルチセレクターとMENU、再生ボタンだけで構成されており、大きな液晶でのタッチパネル操作とも併用すると操作がしやすいです。
これまた目を引くのは背面のほとんどを覆うほどの大きな液晶モニターです。
通常ミラーレス一眼カメラに搭載される液晶モニターは3インチほどのものが多いのですが、こちらは4.0インチとなっています。
またアスペクト比は16:10と通常よりやや横に長く、16:9での撮影が多い動画では撮影画面の下に露出情報など主要な情報を表示することができます。
画面自体も1000cd/㎡と高輝度で屋外での撮影でも見やすく、かつDCI-P3の色域を100%カバーしており色再現も申し分ありません。
上面にはカスタマイズ可能なボタンが3つとデジタルアクセサリーシュー、そして電源ボタンと静止画/動画セレクターなどが配されています。
今回ZRから新たな形状のデジタルアクセサリーシューが採用され、対応するアクセサリーを装着することでより高速・大容量の通信が可能になっています。
またRECボタンの周囲に設けられたズームレバーはアイレベルで構えた時はもちろん、バリアングル液晶を使用してウエストレベル付近で構えた際にも使いやすいよう2つのレバーがついています。触れば触るほど、実際に使う際のことを考えて設計がされていると感じます。
バッテリーにはZ6IIIなどNikonのフルサイズミラーレス一眼カメラで広く使われているEN-EL15cを、記録メディアにはCFexpress TypeBとMicroSDカードを採用しています。
動画の録画には高速なCFexpress TypeBカードを、静止画などの記録にはMicroSDカードをといった使い分けが可能です。
機能
さてNikonとREDのシナジーによって生まれた「Nikon ZR」。REDのカメラに搭載されている機能も多数搭載されています。
最大のポイントがR3D NE(「NE」はNikon EXPEEDの略となります)での記録が可能な点。REDのカメラで採用されているものと同じ拡張子で、REDのシネマカメラと同じカラースペース「REDWIdeGamutRGB」とガンマカーブ「Log3G10」に対応することでREDのシネマカメラと同じような色味を表現することが可能です。REDのカメラと併用してのマルチカメラ撮影の際の色合わせもしやすいです。
R3D NE形式選択時の最高画質は6.0K、59.94pの12bit記録となります。
また従来からNikonのミラーレス一眼に搭載されている軽量でデータの取り回しがしやすいN-RAWや、プロフェッショナルの現場でよく使用される「Apple ProRes RAW HQ」も記録可能です。
そして6K59.94pのRAW動画をカメラ内部収録するために使用されているセンサーが、Z6IIIでも採用されている2450万画素部分積層型センサーです。高速処理回路により、フルHDでは239.76pというスロー撮影も可能となっています。
RAWに関しては沢山の形式を選択することができますが、撮って出しでも高いクオリティの動画を撮影することができます。特に注目したいのが「シネマティック動画」モードです。このモードに設定するだけで、フルHDの23.976p、そしてピクチャーコントロールがシネマティックな雰囲気に仕上がる「CineBias_RED」となります。
またRED監修のイメージングレシピも公開され、ダウンロードしカメラに登録して使用することで、撮って出しでもシネマクオリティーの動画を撮影することができます。
『Nikon ZR』を「Z6III」「Z30」と比較
新たに発表となったZRを、既存のZマウントボディと比較して見ていきます。
まずはNikon Z6IIIです。先ほどから何度か名前を挙げており、センサーなどの基本スペックが共通となっている2機種です。
しかし外観という点ではこうして並べると大きく印象が異なります。
やはり全体としてはZRのほうが、ファインダーが無くすっきりとした印象があります。
背面は特に液晶の大きさの違いが目立ちます。
続いてはZRと同じくファインダーレスで動画撮影に適したZ30と比べてみます。
ZRがフルサイズセンサーなのに対しZ30はAPS-Cセンサーと一回りセンサーサイズが異なりますが、センサーサイズの違いの割に大きさはそこまで変わりがない印象です。
また天面に設けられたマイクなど、似ている部分も見られます。
『Nikon ZR』まとめ
全く新しいZマウントボディのラインナップとして登場したZR。
これまでZ CINEMAシリーズはどちらもREDの「V-RAPTOR [X] Z Mount」と「KOMODO-X Z Mount」が発売されていましたが、どちらも本格的な動画撮影専用カメラで、なかなか手の出しづらいカメラでした。
そんな中で登場したZRは、REDのカラーサイエンスをNikonの操作性、そして信頼性で手軽に使うことができる、まさにNikonとREDのシナジーによって生み出された、革新的なミラーレス一眼カメラです。
シネマカメラとして求められる基本的なスペックを押さえつつ簡単に使いやすくしたボディは、ひいては今後のシネマカメラの在り方すらも変えてしまうのではないかと思います。
Nikon ZRとともに、新たな世界へ飛び込んでみてはいかがでしょうか。
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