
【Nikon】他社のカメラでは替えが効かない!Nikonだけが持っている長所が凄かった件。
ここ数年のミラーレス一眼の進化には、目を見張るものがあります。
特にAF関連のブレークスルーはすさまじく、被写体認識の精度がぐんぐん上がり、画面内で豆粒のような大きさの人や多数の選手が入り乱れるスポーツの試合でも一瞬で認識・追尾してくれるようになりました。
こういった超高性能なAFに加え、プリ撮影※が搭載されている機種では「事が起こってからのあと出しじゃんけん」で勝負をすることまでできます。
(※シャッター半押しで撮影をはじめ、全押しした瞬間から〇秒前までの画像を記録できる機能)
鳥が飛翔する瞬間や、ゴルフクラブにボールが当たった瞬間といった、今まで限られた人しか撮れなかったものがいとも簡単に撮影できるという事実。
一眼レフでAFポイントを選択し、撮影した結果に一喜一憂していたあの頃に懐かしさを覚えつつ、「もう戻れないな」と感じるようになりました。
そんな2025年に思うのは、各社のミラーレスの実力がどんどん横並びになりつつある、ということ。
大なり小なりの違いはあれど、どのメーカーのカメラでも一定以上の水準が確保された上で、その中で様々な特徴や優劣があるように思うのです。
例えば、エモい色ならFUJIFILMやSIGMA、Panasonicが人気です。
超高速・高精度AFならCanonやSONYが強いでしょう。
しかし筆者の個人的な考えを述べるのであれば、Nikonの長所だけは替えが効きません。
それはファインダーの“見え”、つまりEVF内の視界に広がる美しさと、撮影された写真の“色味”=ホワイトバランスの見事な調律。
更にはボディの造りやフィーリングと言ったところで群を抜いて優れているのではないでしょうか。
今回の記事では、その中でもファインダーと色味に関してご紹介いたします。
選んだカメラはZ8。ぜひご覧ください。

まずはファインダーから見てまいります。
Z8のライバル機となるであろう他社の高画素機を用意し、ほぼ同位置から同設定で構えたものをスマホで撮影いたしました。
スマホとカメラを固定した厳密な比較ではないので、反射の違いは一旦置いておくとしても・・・。

この解像感の違いは驚きです。(他社ファインダーの中央部が少し曲がっているのは、筆者がスマホのカメラをファインダーに真っ直ぐ当てられなかったためです。その部分の収差はご放念ください)
何と他社カメラの方がファインダーの解像度自体は高いのですが、それを覆してしまいました。
Zシリーズが始動した当初より、光学ファインダー並みの“見え”を実現したという触れ込みをよく見てきましたが、本当に桁違いによく見えます。
1000万近いドット数を誇るファインダーも登場してきていますが、それらとも互角以上に戦えるのではないでしょうか。
続いては色についてです。
デジタル一眼レフ時代のNikon機は、写真の色が様々に転びがちでした。
それが世代ごとの味にもなっているので、筆者としては魅力だと思っているのですが、「正確性」に話を絞ると少し変わってきます。
特にプロとして被写体の色を忠実に出す必要がある場合、誇張のない色味やホワイトバランスの正確さが重要になってくるのではないでしょうか。
D850やD780あたりから色味の正確性(=色かぶりの少なさ)が大きく進化したイメージがありますが、その長所はZシリーズになりさらに先の領域へたどり着いたと思います。
元々の色味が誇張が少ない現実的なものであることに加え、ホワイトバランスの調整が実にうまいのです。
(オートの中にも3パターンが用意されており、[白を優先する]、[雰囲気を残す]、[電球色を残す]の中から最適なものを選ぶことができます)
論より証拠、実際に撮影してまいりましたので、ぜひご覧ください。
※これ以降の写真は全て、記載がない限り撮って出しです。



空の半分が雲り、もう半分が晴れという複雑な光線状況下での色味です。
冷たさと暖かさが同居している状況で、なかなかどうしてよい塩梅に出力してくれています。
特に3枚目の階段の絵では正確な色を実現したうえである種のエモさも持っていると感じました。

上記の設定のまま、日陰へと移動しました。
正直こう言った場所を写して上手く行ったためしがない※ので、「まあダメだろう」と思っていたのですが、Z8に関しては当てはまらないようです。
(※大体のカメラの場合、どれも似たような緑色になるか、べたっと潰れた色味になって画にならないのです)
未だかつて見たことがないほど上手に緑を描き分け、画として成立させてしまいました。
植物の種類による違い、日差しが当たっているかどうかの違い、対象までの距離による違い、その全てを完璧に再現しないとこうはなりません。
正確無比からくるリアルさ、言ってしまえば肉眼で見たものと同じレベルの情報量を持っているのではないでしょうか・・・。

先ほどに引き続き、日陰の写真です。
こうして見ると、文字にすれば同じ「日陰」でも、実際には様々な日陰があるのだなと実感します。
頭上を木などで完全に覆われているのか、木漏れ日が差しているのか、半分だけ陰になっているのか、などなど。
Z8はそこの描き分けもばっちりです。明るめの日陰を写せば、ちゃんとそれらしく華やぎのある写真に。
優しい温かみを感じます。


今度は2枚とも晴天の日陰です。
青みがかった場所であっても、それに引っ張られることなく青や赤を見たままの色で再現します。
・・・普通に言っておりますが、これはかなり凄いことです。
色かぶりが少ないことで被写体があるがままの色で見える。
本来であればどの物体も同じような色が乗ってしかるべきなのに、それが無い。
つまりリッチな写真に見えるからです。



電球色が強い屋内でもこの通り。
3枚目の写真は液体の色やガラス管表面の色の正確さに注目ください。
壁や照明の黄色を上手くいなし、本来の色をしっかりと表現しています。
はたしてここまで「正確な上に良い色」を出せるメーカーがあったかというと、筆者は思いつきません。
ただ正確なだけでなく、もしくはただエモいわけでもない。その中間の、丁度良い所をついてくる。
これはそう簡単に真似できそうもありません。



最後はコントラストについてです。
これはアクティブD-ライティングの設定如何によって結果が変わる部分ではありますが、申し上げたいのはもっと本質的なところです。
画像編集でコントラストを弱くすれば軟調な写真になり、強くすれば硬調になります。
そうやって自分の好きな調子にしていくのですが、その過程で大なり小なり、何かしら失うものがあるのではないでしょうか。
例えば「ある一部を見たら編集前の方が良かったけれど、そのほかの全体的な印象は編集後の方が良い」といった具合です。
(画像編集ソフトの部分選択で特定の箇所だけ細かく調整することや、HDRなどは一旦置いておきます)
何もせずに撮って出しで理想のコントラストになれば最高で、そしてNikonはそれに最も近いところにいるのではないかと思うのです。(Panasonicもかなり肉薄しているとおもいますが・・・)
そこに加えて、暗部も解像しきるレンズ性能の高さと、優秀なホワイトバランスにより色濁りがないという点が相まって、「わずかに色や情報を残したシャドウ部が澄み切って抜けが良い」という状態になるわけです。
おまけにシャドウ部のノイズが少ないのでこの長所を最大限に生かせます。
Zシリーズに流れる哲学は、職人気質なNikonのプライドを感じます。
例えば、Zレンズを個々のレンズではなく「レンズ群」として見た時。どれを比較しても均一に近い性能やカラーバランスを持っていると感じます。
もちろん個として見ても、昨今普通になりつつあるボディ内補正に大きく頼ることなく、光学的に最高の性能を発揮するように作られている。
これはやはり光学のNikonだな、と感じさせます。
ボディに関しても称賛は尽きません。
例えばファンクションボタンの配置の良さやフェザータッチなシャッターボタンといったユーザビリティを始めとして、前述した色味の正確さや、どこまでも伸びるようなシャドウのトーン。
電池持ちの良さや各パーツのチリが合っている事などなど。
これらは理想をひたすらに追い求めてきたからこそ、為し得た性能なのではないでしょうか。
やはりローマは一日にして成らずなのだなと、深く納得した体験となりました。




