
【Nikon】霞ケ浦の水鳥が異次元の解像度。最新の『鳥認識AF』で化けた、あの望遠レンズの現在地

春先の渡り鳥たちが帰るころに撮影したものとなります。
霞ケ浦は国内第2位の湖面積を持つ湖になります。そこ北浦湖岸に位置する白鳥の里。
こちらの撮影のために用意したのは上位機種の基礎性能と最新の画像処理エンジンを継承し、動体・暗所性能が飛躍的に進化した「Nikon Z5II」、
そして「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」です。
現在、このレンズには次世代モデルである「NIKKOR Z 70-200mm f2.8 VR S II」が発売されています。しかし、光学性能のベースを築いたこの初代になる「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」も、市場での注目度が依然として高い定番レンズです。
今回は、最新の画像処理エンジンを積んだボディと組み合わせることで、水鳥の動体撮影にどこまで迫れるのか、実際に撮影していきたいと思います。


潮来の冬から春にかけての風物詩といえば、「白鳥の里」に訪れる水鳥たち。
毎年様々な種類の水鳥や渡り鳥がたくさん飛来することが知られています。 なかでも、白鳥は昭和56年に6羽訪れてから、例年100羽ほどが訪れているそうで、身近で観察することができ、撮影も気軽に行えるスポットです。
勿論、地元の方の生活の場に近いこともあるので配慮が必要ですし、白鳥にストレスを与えないよう注意は必要になるかと思います。

「Nikon Z5II」はEXPEED 7を搭載し、ディープラーニング技術により、「鳥」を含む9種類の被写体を自動で検出・追尾します。
まずは静止画に近い形で撮影をしていきます。
狙った白鳥の検出精度は高く、鳴いて大きく口を開く瞬間を捉えることができました。
ボディ内に中央7.5段の強力な手ブレ補正が効いているので精緻な描写を得られています。
今回は曇天とあまり撮影状況が良いとは言えなかったのですが、曇り空やコントラストの低い水面などでも、しっかり鳥を検出し、合焦を狙えるのが非常に素晴らしいかと思います。

次に陸地近くの水面でじっと佇むカモの静止画撮影です。
絞りF4にてシャッターを切った一枚。等倍近くまで拡大しても、カモの頭部にある細かな斑点模様や、背中の羽毛が幾重にも重なり合う複雑な質感が、極めてシャープに芯を持って解像しています。つぶらな瞳への周囲の景色の映り込みまで描写されているのには驚かされました。
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」の強みとして、贅沢なレンズ構成(18群21枚)があります。
蛍石 / SRレンズ / EDレンズを贅沢に投入し、逆光に強い反射防止コーティング「ナノクリスタルコート」「アルネオコート」の二つのコーティングを採用しており、これによってゴーストやフレアが徹底的に抑制され、抜けの良い画像を得ることができます。
単焦点レンズに匹敵する解像力と、硬さのない滑らかなボケ味を両立できているのはこの構成によるものと言えるでしょう。


野鳥撮影において、常にクリアな視界が確保できるとは限らないでしょう。
手前に遮蔽物がある状況で、滞空している鳥を切り撮ってみました。
Z5IIに搭載されたディープラーニング技術による「鳥認識AF」は、手前に植物などの遮蔽物による前ボケを的確に無視し、奥にいる主役の被写体を確実にホールドし続けました。
曇天の光量の少ない条件下でもしっかりと精彩に描き出せているかと思います。





勢いよく飛び立つ水鳥を追尾してみました。EXPEED 7による複数羽への高速AFによる追従性能はここまで威力を発揮します。
水鳥の水面からのテイクオフは撮影者にとって魅力的な被写体かと思います。
カモが激しく水面を蹴り、白い水しぶきを上げながら助走を開始。その後、複数羽が並走するように画面内を横切って飛行していく一連の動体カットです。
背景の水面のきらめきや、激しく舞い上がる水しぶきは、カメラのAFシステムにとって大きなノイズとなります。
ここで真価を発揮するのが、Z5IIの心臓部である画像処理エンジン「EXPEED 7」です。フラッグシップ機と同等のアルゴリズムにより、被写体の動きをリアルタイムで演算・予測します。
レンズ側は、2つの動力をシンクロさせる「マルチフォーカス方式(STM=ステッピングモーター)」を採用しています。新型である「NIKKOR Z 70-200mm f2.8 VR S II」に搭載された次世代アクチュエーター「シルキースウィフトVCM(従来比約3.5倍のAF速度)」と比較すると、超高速な初期合焦には多少の差を感じる場面もありますが、一度捕捉してからの並走飛行における「食いつき」は初代でも十分望めます。連写中のピンボケによる脱落を最小限に抑え、水面から大空へ移行するダイナミックな飛行過程をしっかりと記録してくれます。

最後に、無数の鳥たちがひしめき合うエリアでの着水シーンを狙いました。
画面内にハクチョウやカモが密集する中、上空から翼を大きく広げてピンポイントで着水しようとする瞬間を的確に捉えた一枚です。
「被写体が混雑している状況」では、カメラ任せのオートエリアAFだと意図しない手前の鳥にピントが合ってしまうことがあります。
「鳥認識AF」がうまく仕事をしてくれているおかげで、Z5IIの低輝度AF性能(-10 EV対応)も相まって、曇天模様の光量が少ないシーンや、背景と同化しがちな白い被写体であっても、しっかりと合焦させることができます。
2026年4月24日発売の「NIKKOR Z 70-200mm f2.8 VR S II」は三脚座なしで約998g(約26%の軽量化)という圧倒的な軽さと、シルキースウィフトVCMによるAF初期応答性の速さが魅力的なレンズです。
対して、初代となる「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は18群21枚という贅沢なレンズ構成がもたらす、単焦点に迫る圧倒的な描写力。そして新型登場によって中古市場を含めたコストパフォーマンスが極めて高くなっている点は見逃せないかと思います。
撮影重量(約1,360g)が許容でき、今回のように「ある程度水鳥が集まるエリアで腰を据えて狙う」というシチュエーションであれば、初代の描写性能は今でも間違いなくニコンZマウントのトップクラスです。
最新の動体予測AFを備えた「Z5II」と組み合わせることで、「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は、その高いポテンシャルをいかんなく発揮し高打率を叩き出してくれます。
「予算を抑えつつも、画質性能だけは一切妥協したくない」というかたには、この組み合わせは今、最も賢く、そして満足度の高い選択肢の一つと言えるでしょう。
皆様もぜひ、信頼のS-Lineレンズで、一歩先の実写クオリティをご体験ください。



