【Nikon】Z9体験レポート / 動画あり
2021年11月2日 10:00、ニコンのフラッグシップ機「Z9」のご予約が開始されました。
発売日は未だ2021年内予定とされているものの、「ニコンプラザ東京」で実機の先行展示が始まったとの情報を聞きつけ、早速フラッグシップ機の魅力に触れてきました。
実機の体験は予約制で専用のコーナーで行われていました。
まずは外観のレビューから。特別にお願いして、他モデルとの比較も行わせてもらいました。
左から「Z7 II +パワーバッテリーパック MB-N11」、「Z9」、「D6」です。
Z7 IIのバッテリー付きとさほど変わらない高さですが、横幅が若干大きく作られているため置いた時の安定感があります。レンズマウント周りのボタン配置はD6に似ており、D6との併用もズムーズに行えそうです。
続いて上部です。厚さはZ7IIとD6と中間といったところでしょうか。これまでのモデル同様、グリップ部がしっかり作られているので、持った感じでの違和感は一切ありません。
上部液晶がZ7IIより大きくなり多くの情報が表示できるようになった他、D6と同様に電源OFF時でもメモリーカード残量が表示されるようになりました。大きいデータを扱うモデルなだけに、電源投入前に分かるカード残量表示は嬉しいポイントです。
背面はD6同様、縦位置撮影でも横位置と同等の操作感で扱えるような配置がされています。
その中で唯一気になったのが左上のボタン。これまでの機種は全て再生ボタンが置かれていましたが、Z9では鍵マークのロックボタンになっていました。幸いファンクション機能によるボタンの割り当てが可能でしたので、ニコン機を複数台使い分けている方は、カスタマイズしても良いかもしれません。
アイピースもフラッグシップ機の伝統とも言える丸型に変更。ただしコネクター部は専用の形状をしており、これまでのモデルとのアクセサリー共有は難しそうです。
続いてZ9の機能的な部分を見て行きましょう。
まず、Z9の大きなポイントと言えば、シャッターユニットを持たない完全な電子シャッター機になったことが挙げられます。
結果、より高速な連写が可能になった他、シャッターユニットの耐久回数を気にしなくてよくなったなどのメリットがありますが、速い被写体でのローリング現象に不安が残ります。
この辺りをスタッフの方に質問してみると、下の作例写真でも分かるように新開発の積層型CMOSセンサーや新画像処理エンジンEXPEED 7の搭載による高速処理で心配はないとの事でした。
確かにゴルフクラブのシャフト部にもローリング現象による歪みは生じていません。
一方で、シャッター音は撮影のモチベーションを上げるサウンドとして重宝していた筆者。これは、3段階に調整可能な電子シャッター音がカバーしてくれていました。
音量1はささやく程の音。音量3はシャッターユニット搭載機と同等の音量といった感じです。撮影シーンによってぜひ使い分けたい機能です。
シャッターユニットが無くなったZ9ですが、代わりにセンサーを守るセンサーシールドを搭載。
一見シャッターのようにも見えますが、電源OFF時に閉じるよう設定しておけば、写真の様にセンサーを保護してくれます。
またセンサー自体にも特殊なコートを施す事でゴミが付きにくい構造に。高精細なモデルなだけに強力なゴミ対策は嬉しいポイントです。
液晶モニターは縦横4軸チルト式になりました。
従来の横位置に加え縦位置でもモニターの角度が変えられます。背の低い筆者はこのように頭上で構える事が多く、情報表示も合わせて縦表示に切り替わるのはとても便利に感じました。
続いて被写体を識別し其々に合った動きをするAFを体験です。
ニコンプラザ内では大きなテレビ画面にそれぞれの被写体が映し出されており、映像からAFの動きを試すことができました。
明るい照明下のテレビ画面は反射が強く、厳しい条件下となっていましたが、動物、人物問わずしっかり瞳を追い続ける様子が確認できました。
メモリーカードスロットは、CFexpress Type B対応のダブルスロット。スロットの蓋部分はやや硬めのロックが付いており、グリップ中に誤って開くことはまず無さそうです。
反対面にはネットワーク用のスロットやHDMI、USBポートが。HDMIはフルサイズなっているので、ケーブルの汎用性が広がりました。
最後に多くの方も気になっていると思われる動画機能を確認。実機でのデータの持ち帰りが出来なかったため、今回はメニュー画面を紹介します。
最長125分の8K UHD/30p動画の内部記録に対応し、ProRes 422 HQ 10ビット、 H.265(HEVC)10ビットおよび8ビットでの内部記録を実現しました。
用途に応じて階調モードSDR、N-Log、HLG(H.265 10ビットの際に選択可能)を選べます。
「ProRes 422 HQ」は8K収録時には選択が出来ませんが、映像業界で広く使われるフォーマットなので編集時の互換性向上も期待できます。
また今後ファームウェアのアップデートで、8K UHD/60p(12bit)のRAW動画の内部記録にも対応するなど、発売後の動向にも注目です。
別の場所には、同時発表の交換レンズ群も展示されていました。
Z9との組み合わせは叶いませんでしたが、Z7IIなどでその実力を試す事ができました。
まずは NIKKOR Zシリーズ待望の超望遠ズーム「NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S」です。
400mmの超望遠レンズということで迫力満点の外観ですが、実際に持ち上げてみると見た目ほどの重さは感じません。ズームリングを望遠側に回すと前方に大きく伸びますが、内部のレンズが逆方向に移動する構造になっているので、重心の移動はさほど感じませんでした。
また本レンズはテレコンバーターにも対応。「Z TELECOVERTER TC-2.0x」との組み合わせなら800mm相当まで拡張できます。
一眼レフカメラの場合、内蔵のAFセンサーがF5.6対応などレンズの明るさに制限がありましたが、ハイブリッドAFになったZシリーズは暗部でのAF精度も大幅に向上。-6.5EV対応のZ9なら800mmの超望遠でも快適なAF操作が可能です。
続いては便利な標準5倍ズームレンズの「NIKKOR Z 24-120mm F4 S」。ナノクリスタルコートやアルネオコートの採用でSラインに相応しいクリアーな描写が楽しめるとのこと。Fマウントの同スペックレンズと比べ80gも軽量化したレンズは、とても扱いやすく旅行のお供などに重宝しそうです。
最後はリニューアルされたFマウントレンズアダプター「マウントアダプター FTZ II」です。
三脚座が無くなったことでボディに装着したまま卓上に置いた時の安定感が大幅に向上していました。
最後に4K撮影した外観動画レビューもご用意しました。
高画質映像でZ9の魅力をご覧ください。
いずれもZ9はもちろん、Zシリーズ愛用者なら是非手に入れたいレンズ群。今から発売が楽しみです。
マップカメラでのご予約をお待ちいたしております。