Panasonic 『LUMIX S5』発売直前! 開発者インタビュー Vol.3
LUMIXのハイエンドモデル、といえば動画性能の高さにも定評があるように思います。 今回のDC-S5においても、4:2:2 10bit内部記録(30pのみ)や、14+ストップ V-Log/V-Gamutといった 高度な機能が搭載されておりますが、他社のミドルクラス機ではこうした動画機能を省いた製品が多い印象を受けます。 敢えて、ミドルクラス機にもこうした機能を搭載するというのは、貴社のどのような想いからですか。
角氏: 安価に揃えられる映像編集環境が整ってきたこと、また、SNSなどでのアウトプット機会の増加などにより、動画撮影の垣根は非常に低くなり、一方で、よりこだわったアウトプットを求めているクリエイターが急増していると考えております。当社は従来、映像制作のハイエンドに向けて、GHシリーズや、S1、S1Hなどを提供してまいりましたが、上記のような環境変化を受け、ミドルクラス機にもお求めやすいお値段で、トップクラスの動画性能をお届けしたいと考え、S5を開発してまいりました 。
※デジタルシネマカメラVARICAMやLUMIX S1Hと同⽔準となる、14+ストップの広いダイナミックレンジ。
静止画のみを撮影するユーザー層がまだ一定層いらっしゃる一方で、 動画にも興味を持つ方、並行して撮影されている方は増えつつある印象です。 ここ近年は特に、プロビデオグラファーのような専門家の方のみならず、 YouTuberのようなライトユーザーの方も大いに増えてきました。 先程のような、高度な機能を備え、編集を前提とした膨大なデータを扱う機材と、 専門知識が少なくても「撮って出し」撮影が可能なカメラ(最新ではDC-G100のようなカメラ) の位置づけ上の共通点とすみ分けについて教えてください。
開発者: S5は4:2:2 10bit動画記録などのハイエンドな動画性能を持ちながらも、シネマのようなルックを手軽に得ることができるシネライクD2/V2などを搭載し、撮って出しの機動性も両立した一台として開発をしております。そのため、動画エントリーの方が、さらなるクオリティを目指し、ステップアップしていっても、末永くご使用いただけると考えております。
パナソニックでは「GH4」の頃からアナモフィックレンズに対応した撮影機能を設けてきました。 今回のDC-S5にも搭載している機能ですが、搭載機種が増えることでこの機能を楽しみたいユーザーも多くなると思います。 こうした需要に対して今後アナモフィックレンズの開発・発売の検討はされていますか。
角氏: 今回、レンズロードマップ にて公表しました通り、まずはS5を中心とした最適なレンズシステムを開発してまいります。アナモフィックレンズなどについては、市場のニーズを鑑みながら、随時検討してまいります。
※Sシリーズ 交換レンズ ロードマップ
DC-S5はどのような方に手に取ってもらい、使ってほしいカメラですか?
角氏: 主に静止画、動画問わず、新たなクリエイティビティを切り開いていくクリエイターや、低予算化する映像制作現場で活躍されるビデオグラファーの方々にご使用いただきたいと考えております。
S1とS5で迷われている方もいらっしゃると思いますが、 こういった方にはS5がおすすめ、逆にこうした方にはS1がおすすめ、という アドバイスをお願いいたします。
角氏: S1はプロ向けに妥協のない機能・性能を有したカメラであり、ファインダーや手ブレ補正、シャッターや堅牢性、耐環境性という面において、S5よりも1ランク上の性能になります。 一方、S5は小型軽量ボディに静止画・動画両面において高い性能を搭載したモデルで、アマチュアからプロまでの幅広いクリエイターの方々をターゲットとしています。 動画のスペックでは、S5がS1を上回る部分などもありますが、静止画撮影の用途などに応じ、選択いただければと思います。
■今回のインタビューはここまでです。最後まで読んで頂きありがとうございました。■