
【Canon】EOS R6 mark IIIの新機能「カラーフィルター」はフィルムシミュレーションの夢をみるか?
これまでのCanonは基本性能の高さや色味の良さ、使い勝手の良さで高い評価を受けてきましたが、こと「エモい絵作り」というところに関しては未開拓だったように思います。
Canonユーザーのお客様とお話しすると、FUJIFILMのフィルムシミュレーションやNikonのイメージングレシピが羨ましいという話をよく聞くことからもその事実がうかがえます。
実際それが理由となってマウント交換を検討される方も多く、そういったご相談をいただくことが決して少なくありませんでした。
さて、そんな中いよいよ発売間近となった「EOS R6 mark III」から「カラーフィルター」機能が搭載され、FUJIFILMユーザーである筆者は気になってたまりません。
早速その使い心地を体験してみました。
普段慣れ親しんでいるフィルムシミュレーションと比較した写りや特徴について、率直な感想をご紹介できればと思います。
使用したレンズは「RF35mm F1.4 L VCM」、撮影スタイルは主にスナップを中心とした作例です。
「カラーフィルター」はフィルムシミュレーションの夢を見るか。
ぜひご覧ください。

まずは本機の外観からです。
これまでのR6シリーズを踏襲したボディデザインやボタンの配置ながら、ファインダーなどの細部のデザインがよりシャープにブラッシュアップされました。左肩にはタリーランプが新たに採用され、動画ユーザーにとってよりフレンドリーな仕様になっています。

ボタンの配置は特に変更ありませんが、左上のRATEボタンに新たに「カラーフィルター」の機能が割り当てられています(シャッターボタン横のM-Fnボタンからも変更可)。
これまでのボディでは汎用性の高い「ピクチャースタイル」や、モードダイヤルに「クリエイティブフィルターモード」が搭載されていましたが、それらを一新して搭載された本機能。
筆者の感覚としましては、より直感的に、手軽に絵作りの変更ができるようになったかと感じました。
ちなみに、CINEMA EOSシリーズと共通のカラープリセットである「カスタムピクチャー」も搭載されているため、こちらは動画での使用やより画作りを追い込みたい場合に真価を発揮してくれることでしょう。

今回使用したレンズについて、大口径ながら収まりのいいサイズ感にまとめられたVCMシリーズの35mmを選択しました。
こちらは絞りリングが搭載されているため、普段FUJIFILMの操作感に慣れ親しんだ筆者にとっても違和感のない操作感で撮影が可能でした。(絞りリングにはクリック感はありません)
もちろんA位置に固定すればボディ側からの絞りの操作も可能です。
カラーフィルター:StoryTeal&Orange
カラーフィルター:PaleTeal&Orange
ここからは実際の作例をご紹介いたします。まずは秋の風物詩である紅葉やもみじの葉を撮影。
ホワイトバランスを暖色系に変え、クラシックネガをイメージした色味を再現してみました。最新のボディと癖のない写りのレンズを使用しているにもかかわらず、ここまで味のある描写が可能であることに驚きを隠せません。
この2枚、同じTeal&Orange系のフィルターですがアンダー部の色の転び方が違っていたりと、被写体の色合いや光の具合によって使い分けることで、より自分の表現したい色合いに近付けることが可能です。
カラーフィルター:StoryBlue
こちらは水回りのひんやりとした空気感を演出したく、露出を少し下げ気味にして仕上げました。
筆者の場合、フィルムシミュレーションのPro Neg.Stdやリアラエースからアプローチをかけていくことが多いですが、FUJIFILMではブルー系のフィルターのラインナップが無いのが現状です。似たところで探すと、SIGMAのパウダーブルーあたりでしょうか。
「カラーフィルター」では青系のフィルターだけでもStoryBlue, TastyCool, ClearLightBlueの3種類が用意されています。上の作例の様に陰影を強調したい場合にはStoryBlueがイメージにピッタリでした。
カラーフィルター:StoryTeal&Orange
こちらはクラシッククロームを意識して撮った1枚。古びた小型テレビの質感や色味をより印象的に仕上げたく、カラーフィルターをいろいろと試した結果、先ほどクラシックネガ風の際に使用したStoryTeal&Orangeがしっくりくる結果に。
どうやらコントラストの具合によってアンダーやハイライトに乗ってくる色味の出方が変わるようで、落ち着いた光の中では比較的柔らかな描写も得意とするようです。
カラーフィルター:RetroGreen
シネマティックな描写を目指して撮った1枚。室内に差した陽の光が印象的です。
フィルムシミュレーションではエテルナやエテルナブリーチバイパスが代表的ですが、このRetroGreenもかなり良い雰囲気を醸し出しています。
明るめに撮影すれば透明感のある描写に、アンダー気味にすればこういった重厚感のある写りも再現可能です。
最近はGRIVなどにもグリーン系のフィルターが追加されたりと、筆者的にはかなりアツいグリーン系フィルター。必見です。
カラーフィルター:TastyWarm
カラーフィルター:TastyWarm
カラーフィルター:TastyWarm
こちらはノスタルジックネガ風に撮ってみようと試行錯誤した結果。
TastyWarmは彩度を上げつつも落ち着いた色合いを残してくれて、全体的にアンバーを感じる風合いを演出してくれます。
ノスタルジックネガはもう少しコントラストが抑えめになるので、感覚的にはNikonのリッチトーンポートレートの方がこちらに近い色合いだと感じました。
カラーフィルター:StoryMagenta
こちらはフィルムシミュレーションには無いマゼンタ系のカラーフィルター。
室内の柔らかい光を少しレトロな感じに演出したい時など、汎用的ではないですがしっかりと出番のある色味も用意されており、飽きが来ません。
カラーフィルター:StoryTeal&Orange
カラーフィルター:StoryTeal&Orange
冒頭にもありましたが、「カラーフィルター」はフィルムシミュレーションの夢を見るか、という問いに対して、筆者の結論はYesです。
もちろん、フィルムシミュレーション以外のグレインエフェクト(フィルムのような粒状性の再現)の有無や、カラークロームエフェクト・ブルーなどのより細かな色調調整など、FUJIFILMが勝っている部分はまだまだあります。
ただ、手軽に色味を変えて思い通りの表現を得ることができるという撮影体験は、もうFUJIFILMだけのものではなくなってきたのかもしれません。
そう感じさせるほどに、今回の作例撮影を通じて筆者はこの「カラーフィルター」機能を気に入ってしまいました。
もし今からCanonに足を踏み入れるなら、「カラーフィルター」の有無はボディを選ぶ上で重要なファクターに成り得ると、そう言っても過言ではなさそうです。
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