
【SIGMA】16-300mm F3.5-6.7 DC OS 高倍率ズームで軽快に切り取る上野・浅草お散歩スナップ
若かりし頃は、「大三元」と呼ばれるズッシリ重い大口径ズームレンズを何本もカメラバッグに詰め込んで出かけていましたが、ここ最近、どうにもその重さが身に応えるようになってきました。 気づけばカメラを持ち出す気力すら薄れかけていたため、一念発起して機材の徹底的な軽量化を敢行することにしました。
ミラーレスカメラが登場して以降、軽量で魅力的なボディが続々と登場しているため、カメラ側の軽量化にはさほど悩みません。しかし、肝心なのがレンズ選びです。
実はこれまでにも、利便性の高さから何度か高倍率ズームレンズを試したことがありました。しかし、どうしても単焦点や大口径ズームと比べると描写にどこかザラっとした荒さが目立ち、「やっぱり画質は妥協しちゃダメだ」と重いレンズに戻る……という経験を繰り返してきたのです。
そんな中で出会ったのが、今回ご紹介する『SIGMA Contemporary 16-300mm F3.5-6.7 DC OS』です。
これまで気になっていた荒さも目立たず、高倍率ズームレンズにありがちな「画面全体が暗く沈むような印象」もありません。 今回は『FUJIFILM X-E5』に装着して撮影しました。メーカーが異なる組み合わせですが、「フジフイルムXマウント用」として最適に調整されていることもあり、歪曲収差なども見事に補正されています。
ファーストカットから確かな好感触を得られたので、この軽快なコンビを手に、夏めく上野・浅草界隈をのんびりスナップ散歩してきました。

不忍の池では、ちょうど見頃を迎えた蓮の花が出迎えてくれました。 手元からは遠く離れた被写体も、超望遠域を使えば一瞬で目の前に引き寄せることができます。拡大して見ると、蓮の花びらの繊細な質感はもちろん、大きな葉に走る細かな葉脈まで緻密に描き出されていて、その解像力の高さに思わず唸りました。

池のほとりには、涼やかな音を立てる風鈴がたくさん飾られていました。 広角ではバラけて見えてしまう被写体も、望遠の圧縮効果を生かして捉えることで、画面いっぱいに風鈴が凝縮された迫力ある夏の一コマに仕上がります。強力な手ブレ補正のおかげで、風に揺れる被写体でもピントを狙いやすかったです。


上野公園ではイベントが開催されていて、ステージには印象的なオブジェが飾られていました。 35mm判換算で24-450mmをカバーするこのレンズは、レンズ交換の手間を一切挟まず、見たものを感じたまま瞬時に切り取ることができます。

X-E5の4020万画素という高画素な画像を等倍近くまで拡大すると、周辺部に若干の甘さを感じるものの、開放F値からこれだけシャープに、タイルの目まで細かく描き出す解像力には驚かされました。

上野界隈には、有名な寛永寺のほかにもたくさんの神社仏閣があります。 その中で訪れたのが「小野照崎神社」です。周囲を高い建物に囲まれていますが、1860年代に建てられた本殿のある境内に入ると、一転して静けさと厳かな空気が漂います。

境内では、富士山の溶岩石で作られたという「富士塚」も見ることができました。江戸時代に流行した富士信仰の名残を今に伝える、歴史の深さを感じる描写です。

どんなに短い散歩であっても、夏場はこまめな休息が必要です。というわけで次に向かったのは、廃業した銭湯をそのまま利用したという話題の喫茶店。 入口はなんと元の「女湯口」。銭湯ではないと分かってはいても、入るのには少し勇気がいります。


元・銭湯という特殊な空間でカメラを向けるのはちょっとドキドキしましたが、年季の入った番台など、ノスタルジックで温かみのある雰囲気をそのまま切り取ることができました。
また、近接撮影能力が高いため、席に座ったままテーブルのメニューをサッとハーフマクロ的に撮影できるのも実にスマート。室内のような薄暗い場所でも、ワイド端6段・テレ端4.5段相当の強力な手ブレ補正が非常に頼もしく感じられました。

浅草に到着しました。浅草寺の大きな山門と五重塔を、広角端でダイナミックに切り取ります。 実は、高倍率ズームで「広角端が24mm相当(16mm)」から始まるレンズは意外と貴重で、本レンズを選んだ大きなポイントの1つです。これまで持ち歩いていたレンズの焦点距離を完全にカバーしてくれるため、「もう少し広く撮りたかった」という後悔が生まれません。

足取りを軽くしてくれる優れた携帯性のおかげで、浅草を通り抜け、そのままスカイツリーまで歩いてしまいました。
かつては「妥協の選択肢」だと思い込んでいた高倍率ズームレンズでしたが、このSIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OSは、そんな私の先入観を見事に吹き飛ばしてくれました。
レンズ交換の手間から解放され、画角を自由にコントロールして街を切り取る快適さ。そして何より、肩や首への負担がない軽さのおかげで、「撮影することそのものが素直に楽しい!」という感覚を久しぶりに思い出すことができました。
旅行や日常スナップを一本でスマートにこなしたい方はもちろんのこと、私と同じように「機材の軽量化を図りたいけれど画質も諦めたくない」という方にもおすすめできる万能レンズです。ぜひお試しください。



