
【FUJIFILM/SIGMA】SIGMA 17-40mm F1.8 DC | Artで巡る富山|旅行もアウトドアもこれ一本
小学生の頃に見てからずっと好きな映画のモデルとなった場所として、いつか訪れてみたいと思っていた立山。今回、ようやくその景色を見に行くことができました。
せっかく訪れるなら、目の前に広がる景色を写真にもしっかり残したい。そこで旅行の計画と一緒に考えたのが、今回持っていくカメラとレンズの機材選びです。立山でも絶対広大な風景を撮りたいと思いました。とはいえ、旅行中に撮りたくなるのは風景だけではありません。道中でふと目に留まったものにもカメラを向けたいし、たくさん歩くなら荷物もなるべく軽くしたいところです。
そこで選んだのが、「FUJIFILM X-T5」と「SIGMA Art 17-40mm F1.8 DC(フジフイルムX用)」の組み合わせです。
結果から言えば、旅行やアウトドア撮影でこの一本を選んだのは大正解でした。雨晴海岸から立山まで、次々と変わっていく景色を追いながら、実際に撮影した作例や使い勝手とともにその理由を振り返っていきます。

夜行バスで富山に向かい、その足で雨晴海岸へ向かいました。お盆明けということもあってか人も少なく、静かな海を眺めながらひたすら歩きます。あいにくの曇り空でしたが、雲の下には北アルプスの山々がうっすらと見えていました。
「日本の渚百選」にも選ばれている雨晴海岸。 遠浅で、足を水に浸けながら歩いていてもなかなか深くなりません。水の中を覗いてみるとカニや小さな魚が泳いでいて、さらにはアサリまで発見しました。
こうした広い景色では、17mmから使える広角側が早速活躍してくれました。FUJIFILM X-T5装着時は広角端17mm(35mm判換算約26mm相当の画角)。海だけでなく空まで大きく入れて、目の前に広がっていた景色を一枚の作例として収められます。

早朝の静かな海を満喫したところで、そろそろコーヒーが恋しくなってきました。
夜行バスでの移動は思っていた以上に体に響き、眠気はなかなか取れません。ちょっと前まではもう少し元気だった気がするのですが、こういうところで少しずつ年齢を感じます。
そんなことを思いながら、近くの道の駅でひと休み。窓の外には先ほどまで歩いていた海が見えて、ようやく朝が始まったような気がしました。

海岸のすぐそばを走る氷見線。しばらく待っていると、やってきたのは真っ赤な車両。
東京ではなかなか見かけない鮮やかな色で、思わずカメラを向けました。曇り空だったこの日も、この赤だけはかなり目立ちます。

そして旅の2日目。
いよいよ今回一番楽しみにしていた、立山黒部アルペンルートへ向かいます。旅行前にずっと見ていた天気では曇り予報だったので心配していたのですが、いい感じに晴れてくれて山日和となりました。
まず途中下車したのは、標高1,930mに広がる弥陀ヶ原です。ラムサール条約にも登録されている湿原で、せっかくなので今回は長い方の散策コースを歩いてみることにしました。
この日は驚くほど人が少なく、周りを気にすることなく自分たちのペースでゆっくり散策。木道を歩いていると高山植物があちこちに咲いていたり、足元ではバッタがずっと飛び回っていました。

散策していると、花のまわりにはたくさんの蝶が飛んでいました。近づいてもなかなか逃げず、むしろこちらが心配になるほど。せっかくなので、かなり近くまで寄って一枚。
この写真は望遠端の40mm、35mm判換算で約61mm相当で撮影しました。「SIGMA Art 17-40mm F1.8 DC」は、最短撮影距離がズーム全域で28cmとかなり寄れるレンズです。広い景色を撮ったと思えば、次はこんな小さな被写体にもぐっと近づいて写せるので、散策しながら撮っているとこの焦点距離の幅がかなり便利です。

今回歩いたのは、所要時間約2時間の長めの散策コース。湿原の中を歩くだけでなく途中には階段もあり、後半になるとさすがにカメラの重さを感じる場面もありました。
「SIGMA Art 17-40mm F1.8 DC」は約530g。決してものすごく軽いレンズではないので、長時間歩くとなるとそれなりに重さは感じます。それでもレンズ交換なしで一本でカバーできる万能さを考えると、十分持っていく価値がありました。

弥陀ヶ原をあとにして、次はバスで室堂へ。室堂に到着してまず驚いたのが、雲との距離でした。山の向こうに大きな雲が浮かんでいるのですが、よく見るとほとんど自分と同じ目線。標高2,450mという数字は知っていたものの、「本当にこんなところまで来たんだ」と景色を見て初めて実感しました。

そして、今回一番楽しみにしていた「みくりが池」へ。今回の富山旅行のメインです。周囲約630m、水深約15mの火山湖で、周りには約3,000m級の山々。長年見てみたかった景色ということもあり、写真では何度も見ていた場所ですが、実際に目の前にするとやっぱり違います。

今回持って行った「SIGMA Art 17-40mm F1.8 DC」は、光学性能を第一に設計されたArtラインの一本です。遠くの山肌から手前の草木まで細かな部分がしっかりと残っていて、こういう景色でこそArtラインの描写の良さがよく分かります。個人的にも、このしっかり写してくれる解像感がかなり好きです。
さらに今回使っていて好きだったのが、FUJIFILMのフィルムシミュレーションの色との組み合わせ。山の緑や空の青もきれいに出ていて、この景色にはかなり合っていた気がします。

室堂を歩き回っているとだんだんと天気が変わってきて雲が増えてきました。晴れている時よりも雲が低いところにあるので山に沿うように雲が流れていました。山肌を這うように流れていく雲をこんなに近くで見るのは初めてで、ベンチで少し休憩しながらしばらく眺めていました。これだけ雲が近いと、今いる場所も雲の中なのだろうかと気になりましたが実際はどうだったのか、わからずじまいです。

今回使っていて非常に便利だと感じたのがインナーズームです。17-40mmまでズームをしてもレンズの全長が変わらないので、撮影中もレンズのサイズ感が変わりません。今回組み合わせたX-T5のようなコンパクトなボディでも、ズームによる重心の変化が少ないので、構えたときのバランスは思っていたより気になりませんでした。また、人の多い場所でも鏡筒の伸びを気にせず使えるのは、旅行中かなり便利だったポイントです。

室堂を満喫したあとは、アルペンルートをさらに進んで黒部ダムへ。立山ホテルのレストランで昼食を食べた後に向かいました。
写真やニュース番組ではよく見ていましたが実際にその場を訪れると圧倒的な迫力がありました。ちょうどこの時期は放水もしているようで上からのぞきましたが、風が強く思わずカメラを落としてしまいそうなほどの恐怖がありました。

ダムの反対側に広がる黒部湖は、先ほどの放水とは一転してとても静かでした。朝に訪れた雨晴海岸から始まり、この日だけでも本当にいろいろな景色を見ることができました。
朝の雨晴海岸から立山、黒部ダムまで、一日中「SIGMA Art 17-40mm F1.8 DC」を肩から提げて歩きました。弥陀ヶ原を長く歩いたときにはさすがに約530gの重さを感じましたが、それでも今回このレンズを持ってきてよかったと思っています。海から山まで景色が大きく変わる今回の旅行でも、最後まで一本で撮り続けられました。
そして何より、帰ってから写真を見返していると、やっぱりこのレンズを持ってきてよかったなと思います。




