【SIGMA】2013年発売のF1.8通しの奇跡のズームレンズがミラーレス時代に蘇る。Art 18-35mm F1.8 DC HSM
2024年6月20日にフルサイズ用としては初のF1.8通しのレンズ『SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN』が発売した事はご存じの方も多いかと思います。
革命的なレンズで筆者も静止画、動画共に利用し、こちらのレンズに感動した一人です。
そして先程お伝えしたように「フルサイズ用としては初」という事でこのF1.8通しのレンズには歴史があり、実はデジタル一眼レフカメラのAPS-C用レンズとして初めの大きな一歩をすでに踏み出していたのです。
2013年6月28日発売
一眼レフが主流の2013年に登場した当レンズはズームレンズでありながらF1.8通しという偉業を成し遂げ、レンズ業界に絶大なインパクトを与えました。
対応マウントはシグマSA、キヤノンEF、ニコンF、ソニーA、ペンタックスKの5種類となっております。
そして、今回はキヤノンEFマウントをEF-EOS Rのコントロールリングマウントアダプターを使用しEOS R7に装着し撮影を行いました。
そうです。ミラーレス時代となった今、当レンズが返り咲く時がやってきたのです。
ではまず最初にSIGMA Art 18-35mm F1.8 DC HSMがどのような描写を見せてくれるのか一緒に確認していきましょう。
キヤノンのAPS-Cは焦点距離が約1.6倍になりますので実質29〜56mmの標準ズームレンズです。
しかしボケ感は実際の18-35mmの広角ズームレンズになりますので、F1.8でもボケすぎないちょうどいい写りとなります。
そしてなんと言ってもF1.8から解像力の高さが素晴らしく絞り開放からしっかりと使える光学性能を持っています。
ズームレンズはどうしてもズーム全域でトータルバランスの取れた解像性能を求められるため単焦点レンズと比較すると描写力が落ちる傾向があります。
しかし当レンズは解像力が非常に高く設計されているため単焦点レンズが複数本入っていると言っても過言ではないレベルです。
コントラストも非常に高いためメリハリのある写真を撮影する事が可能な当レンズですが、なんと言っても発色の良さが素晴らしいところもオススメポイントです。
筆者も以前SIGMAの28mm F1.8のレンズを所有していたのですが、空の青をとても綺麗に写し出してくれる特徴があり晴れの日は特に撮影欲を駆り立ててくれました。
当レンズも発色の良さは健在だったので少し懐かしい気持ちを感じながら撮影できました。
今回の撮影は全てJPEG撮って出しなのですが、撮影結果をモニターで確認する際にコントラストや発色が良いとそれだけで気分が上がり次の撮影への意欲に繋がりますのでそういった意味でも素晴らしいレンズと言えます。
そして、今回なぜミラーレス時代にオススメしたいのか。
それはAFの精度と動画性能の向上が理由となります。
一眼レフ時代は中央1点のフォーカス精度が特に高いためそこでピントを合わせた上で構図を決めて撮影する事が一般的でした。
そこで問題になるのがコサイン誤差です。
構図変更の為にカメラの向きを変えるとピント位置が変わってしまいピントがズレてしまいます。
これがF1.8だと被写界深度が浅い関係で顕著に現れてしまい撮影時には注意を払わなければいけなかったのですが、ミラーレス時代では画面のほぼ全域で高精度のAFが可能となりますので好きなところにフォーカスポイントを設定し撮影できるため構図によってピントが合っているかどうかを気にしなくてもよくなったのです。
これは他の一眼レフ時代のレンズ全般で言える事なのでCanon純正マウントアダプターのEF-EOS Rを使用して快適な撮影体験をしてみてください。
同じ場所から18mmと35mmで撮影を行いましたので、画角の違いにも触れておこうかと思います。
最初にもお伝えしたように35mm判換算だと広角端が約29mm、望遠端が約56mmとなっており日常使いするにあたっても非常に使いやすい画角になっています。
広角端はスマートフォンの標準レンズでよく使われている28mmに似ており、更に望遠端はカメラ界隈で標準と言われる画角になりますので、見慣れた画角をF1.8という大口径で撮影することができるのも大きなメリットになるかと思います。
大口径レンズの強みと言えば暗所撮影です。
フルサイズと比べるとどうしても高感度耐性が落ちるAPS- Cですが、F1.8のおかげでISO感度を下げて撮影することが可能となります。
実際に上の写真でもISO2500で撮影していますが、F2.8の大三元ズームを使用していた場合ISO6400まで上がっていたことになりノイズ感がかなり増えていた事でしょう。
しかしそのために単焦点レンズを複数本持ち歩いたり、レンズ交換をするのはどうしても億劫になってしまう方も多いかと思いますので大きさ重さを許容できる方は是非ご利用いただきたいレンズです。
気になる重量は810gとズッシリしていますがCanonのカメラ側のグリップは握り込みやすいように人体構造を良く考えた造りとなっていますので撮影時のバランスはとてもよかったです。
太陽の位置の問題で左右の明るさに違いが出ておりますが、それぞれの角を見ながら周辺減光についてご確認頂ければと思います。
結論から申し上げますと、他の大口径のレンズと比較しても周辺減光はかなり少ないレンズです。
こういった空のような単色の場面だとどうしても周辺減光は目立って見えてしまいますが、F4だとほぼ解消されるので、気になる場面では少し絞って撮影していくと良いかと思います。
ただ通常使用時は絞り開放でもほとんど気になることはありませんのでご安心ください。
中心画質だけでなく周辺画質も良い当レンズですが少し絞るだけで更に向上します。
今回は大きく絞って撮影してみましたが被写界深度の調節が必要なければ1段絞るだけで十分と感じる程です。
二枚目の立体駐車場の鉄骨部分も細かくしっかり描写してくれているのでEOS R7の約3250万画素がしっかり活かされた相性抜群なセットであると実感します。
更に焦点距離が広角になればなるほどパンフォーカスを作りやすくなるため全体にピントを合わせたい場面でも効果的に働いてくれますので集合写真などでも活用しやすくなっています。
最後に動画撮影でもオススメしたい理由もお話しておきましょう。
F1.8だと被写界深度が浅いため被写体が少しでも動くとピントが外れたように見えてしまうのですが、動画撮影時のボディ側のAF反応速度や追従性が良くなったためF1.8でもしっかり使えるようになりました。
当レンズ自体のフォーカススピードも速く滑らかで、更にフォーカスブリージングもほぼないので安定した動画撮影が可能となっています。
更に当レンズはインナーズームですのでズームしてもレンズの長さが変わりません。
そのためジンバルに乗せて運用する場合も重心が変わることはありませんので様々な環境でご利用頂けます。
SIGMA Art 18-35mm F1.8 DC HSMはF1.8通しのハイスペックズームレンズですのでどうしても重い、大きいというところは否めません。
しかしそれ以上に今回ご紹介したようなメリットがたくさんあります。
・使いやすい画角
・コントラストが高く発色も良い
・単焦点レンズと同様の豊かなボケ感
・絞り開放から非常に高い解像性能
・ほとんどないフォーカスブリージング
こういったメリットに魅力を感じて頂けたのであれば是非一度この”単焦点ズームレンズ”をお試しいただき楽しい刺激を味わってみてください。
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