
季節のグラデーションがなくなりつつあるこの現代において、今年の梅雨は比較的涼しく、そしてあまりにも長かったためについ夏の暑さなど忘れかけておりました。しかし関東もいよいよ梅雨明け。なんでも昨年より22日も遅い夏の始まりを迎えた今日、あれよあれよという間に気温は40度目前に迫ります。
こうも暑いと写真を撮りに出かけることすら億劫になってしまいますが、この暑さがあるからこそ積乱雲は発達し、セミが鳴き、西瓜が実るもの。さらばカメラを構えぬわけには行きません。ただし、なるべく簡単に、なるべく軽く。ああそしてどうやったって素敵な写真を写すことができる機材を是非とも知りたいところ。わがまま?それくらいしてもらわないと、この夏は乗り切れません。

さて、私からご提案するのは【SIGMA Contemporary 45mm F2.8 DG】というレンズ。カメラは同じく【SIGMA BF】です。
まずは何といってもカメラもレンズも小型であることがありがたいポイント。それでありながら45mm、しかもF2.8なので万能レンズと言って差し支えありません。小型レンズの最たるもので言えば28mmF5.6といったスペックや、あって35mmF2.8などなど。写したいところはちゃんと写り、ボケや周辺部は優しく画をまとめて、それでいて小型であるというところがこのレンズを万能たらしめている理由です。
百聞は一見に如かず。




水辺の難しい涼やかな描写はお手の物。
せせらぎは絶えず流れ続け、人間の目ではその一瞬を捉えて記憶することはできませんが、このレンズは流体の艶やかしさ、冷たさを思いのままに昇華。今回使用しているカラーモード【CALM】の表現力も相まり、影から木漏れ日まで広いダイナミックレンジで描き切っている様もぜひご覧いただきたい魅力。
このレンズ、カメラの魅力はまだまだあります。



シネマスコープとも称されるパノラマ比率の写真。
アスペクト比は「65:24」です。

どこか少しまとまりに欠ける場面も…

この通り、整理されてその呼称の通り映画のような物語を思い起こさせる1枚に。果たして人間がこのような横長比率を潜在的に好きなのか、はたまた映画という感動の刷り込みによってそう思わせているのか。いずれにしても多用して損は無い機能です。なぜなら「RAW+JPEG」で撮っておけば後から好きなアスペクト比に戻すことができるから。私は専らこのパノラマを常用しています。
さて、閑話休題。
皆様は45mmという焦点距離にどのような印象をお持ちでしょうか。例えば標準レンズの王様とも言える50mm、あるいは広角標準などとも呼ばれる35mmの間に挟まった画角。中途半端、使いやすい、どっちつかず、良いとこ取り。様々な評価があると思います。
しかしそんなこのレンズ、ご覧いただいたようにアスペクト比の変更や構図の工夫によって単焦点という画角の幅を超えた活躍をしてくれるのです。
例えばちょっと広いな、と感じる場面では「16:9」で少し視野を絞る感覚。


ちょっと狭すぎる、というときは敢えて構図を縦にすることで奥行き感や高さにおける空間の広がりを演出できるため、以外にも狭さの解消に。


前後の空間を広げて撮ることで気づいていただけることがもう一つ。
このレンズは特に手前ボケに緩く渦を巻くようなクセがあります。
この海辺の写真であれば手前の岩場の部分。
ただ素直にボケることが優秀とされるのはその通りですが、私個人的にはこういったレンズのクセがあったほうが見ごたえがあるというか、肉眼ではそうはならない、そうは感じられない演出のおかげでむしろ被写体が際立つ感覚があって好印象。
対照的に右の写真のように手前ボケが無ければ、全く気になる要素ではありません。
もしその要素が欲しければ右の写真の前ボケになるような植物を気にしてみるとか、物を置いてみたり、人に立ってもらったり。ON,OFFが効く個性のように捉え、都度足し引きをしながら作品作りを楽しむことができます。
魅力、伝わっておりますでしょうか。
カラーモードについても少し触れておきましょう。

私は万能【CALM】ばかりを使用して撮影を行いますが、たとえあとから変えてみたくなったとしてもこのカメラはカメラ内でカラーモードもアスペクト比も変更が可能です。






左上から右下へかけて【CALM】【RICH】【T&O】【SUN.R】【MONO】【709】 を使用して撮影。
どれも個性があり、多くのシチュエーションで簡単に雰囲気を選んで撮影することができます。レンズ交換の手間なく色で雰囲気を整えるというアプローチ。
やはり【CALM】が好みですが、たまには【MONO】や【709】も自然な色味で多用したくなります。


色が変わるだけでここまで雰囲気を変えて楽しむことができてしまうので、暑い夏でもお構いなし。とりあえずこの1本のレンズだけ携えて、後から涼しいところで編集してあげればよいのです。
(記録設定を忘れていて泣きを見たことがあるので何度でもお伝えします。ぜひ「RAW+JPEG」どっちも記録しておくことを強くおススメします。)

いかがでしたでしょうか。
駆け足でお伝えしてきたSIGMAの最新製品の魅力的な一面の数々、少しでもお伝えできておりましたら幸いです。
【SIGMA】発売1周年。実際に使った SIGMA BF1年レビュー。



