外の気温が肌にちょうど良くなったかな?と淡い期待を抱きながら玄関を開ける季節になりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
暑いとお出かけする気分に中々なれませんが、涼しくなったら紅葉狩りやハイキングなど屋外でのレジャーも増えてゆくのではないでしょうか。
今回はそんな待ち遠しい季節の前に、ぜひ手に入れたい広角レンズについて触れていこうと思います。
広角レンズでもたくさんのライナップがあるSONYのEマウント。それぞれのメーカーの違いやレンズの個性についても、気になってる方は多いと思います。
そこで広角の中でもメジャーな画角の24mm相当の画角を持つレンズについて比較を行っていきます。
今回比較させていただくのは「SONY FE 24mm F2.8G」「SIGMA Contemporary 24mm F2 DG DN」「TAMRON 24mm F2.8 Di-III OSD」
それぞれの強みや個性について、①サイズや特徴②周辺部の解像度③玉ボケ④逆光耐性⑤最短撮影距離⑥ブリージングの6つの項目を比較しながらご紹介させていただきます。
①サイズやレンズの特徴
大きな違いとしてはやはりサイズ感。SONYの「FE 24mm F2.8G」はパッと見ただけでもその小ささがわかります。重量も162gと飛び抜けて軽量で、カバンにしまう時に邪魔にならないサイズ感です。
メタリックな鏡胴に絞りリングも付いていて、スマートな一本です。AFとMFを切り替えるスイッチや絞りリングのクリック感の有無を変更できるスイッチが鏡胴部にあり、動画撮影なども役に立つ機能がこの小柄なレンズに集結しています。
SIGMA「Contemporary 24mm F2 DG DN」は絞りが最大で2まで開けることができ、夜間の撮影で大活躍。鏡胴部にはSONYと同じく絞りリングがあり、直感的な操作が可能となっています。Iシリーズ特有のメタリックな作りはカメラ好きには堪らないデザインです。
TAMRON「24mm F2.8 Di III OSD」は鏡胴部にフォーカスリングのみのデザインとなっており、シンプルな操作が可能です。見た目とは裏腹に215gととても軽量設計となっており、持ち運びやすくなっております。
さらに、新品の価格は2024/9/17日現在で税込¥37,620と3本の中で最も抑えめな金額で、コストパフォーマンスも高く、初心者でも気軽に使用できるレンズです。
②周辺解像度比較
解放であれば光をより多く取り入れることができますが、画質に若干の影響が出てしまいます。さらに広角レンズですと、より四隅の画質は低下する傾向があります。
ここでは絞り解放での比較と、一番ディテールが出るといわれる絞り値のF8で比較を行います。
__解放絞り__
1⃣「SONY FE 24mm F2.8G」 F2.8 SS:1/500 ISO:160
2⃣「SIGMA Contemporary 24mm F2 DG DN」 F2 SS:1/500 ISO:100
3⃣「TAMRON 24mm F2.8 Di-III OSD」 F2.8 SS:1/500 ISO:200
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開放時の解像力はSONYとSIGMAに軍配が上がります。TAMRONも必要十分な解像力ではありますが、他2本のレンズと比べると多少甘い写りです。とはいえTAMRONのレンズが悪いというわけではなく、実写においては必要十分な解像力だと感じました。
SONYとSIGMAについては甲乙つけがたい描写です。SIGMAは開放がF2と両者に比べ明るいですが、開放値から非常にシャープな写り。大口径広角系レンズは開放値で撮影すると周辺部の解像力が低下してしまうレンズもありますが、その点も踏まえるとSIGMAは非常に高解像力なレンズであることが分かります。
__F8__
1⃣「SONY FE 24mm F2.8G」 F8 SS:1/500 ISO:1250
2⃣「SIGMA Contemporary 24mm F2 DG DN」 F8 SS:1/500 ISO:1250
3⃣「TAMRON 24mm F2.8 Di-III OSD」 F8 SS:1/500 ISO:1600
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F8まで絞り込むと3レンズ共に解像力は申し分なく、細かな部分までシャープで鮮明に描写されています。 SONYとSIGMAについては開放値に比べワンランクほどシャープになっている印象ですが、TAMRONについてはグッと解像力が上がっています。
日中の風景やスナップ撮影などの環境下であればF8程度まで絞ってもシャッタースピードに余裕があるので、絞って撮影することを前提にするのであればTAMRONの価格を考えるとコストパフォーマンスに優れていると言えるかもしれません。
③玉ボケ比較
1⃣「SONY FE 24mm F2.8G」 F2.8 SS:1/500 ISO:800
2⃣「SIGMA Contemporary 24mm F2 DG DN」 F2.8 SS:1/500 ISO:320
3⃣「TAMRON 24mm F2.8 Di-III OSD」 F2.8 SS:1/500 ISO:640
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ボケ味についてはSONYが若干口径食が見られるような印象を持ち、TAMRONも周辺部はレモン型に。同F値で検証するため、SIGMAは1/
TAMRONの最大の特徴として最短撮影距離が非常に短く、ボケを生み出す光源とピント面との距離が生まれるので、結果として大きくて綺麗なボケを生み出すことが出来ます。
このメリットは思っている以上に強力で、広角レンズで背景を大きくぼかしたい構図を多用する方にとってはTAMRONがこの3本の中ではベストな選択肢に入ると思います。
④逆光耐性比較
1⃣「SONY FE 24mm F2.8G」 F2.8 SS:1/1000 ISO:100
2⃣「SIGMA Contemporary 24mm F2 DG DN」 F2.8 SS:1/1000 ISO:100
3⃣「TAMRON 24mm F2.8 Di-III OSD」 F2.8 SS:1/500 ISO:100
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逆光耐性についてはSONYが一番自然でフレア、ゴーストが少ない印象です。TAMRONも健闘していますが少しカラーが入ったフレア/ゴーストが発生しており、後加工での補正が難しいことを考えるとSONYに軍配が上がります。
撮影環境によって変わってくる部分もあるかと思いますが、SIGMAについてはこの3本の中では一番フレアが発生してしまいました。解像力が高い反面、逆光耐性についてはウィークポイントになってしまうかもしれません。
⑤最短撮影比較
1⃣「SONY FE 24mm F2.8G」 F2.8 SS:1/500 ISO:160
2⃣「SIGMA Contemporary 24mm F2 DG DN」 F2 SS:1/500 ISO:100
3⃣「TAMRON 24mm F2.8 Di-III OSD」 F2.8 SS:1/500 ISO:200
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SONYのマニュアルフォーカス使用時の最短撮影距離は約0.18m。
SIGMAでは約0.24mと公式サイトに記載がありましたが、マニュアルフォーカスで最短撮影をした際、0.2mまで寄せることが出来ました。ですので、画像で見るとSONYと比較しても大きな違いは感じられませんでした。
実際にどれほどかというと、
⑥ブリージング比較
SONYのカメラを使用される方の中には動画で使用したいという方も多くいらっしゃることと思います。
実際に動画で使用した時のブリージングの有無を動画にて比較させていただきましたので、ぜひご覧ください。
SONYは驚くほどブリージングがでず、ピント面が滑らかに移動しているのが分かります。SONYが動画向けレンズの開発に力を入れている事もあり、その技術力が本レンズにもしっかりと落とし込まれています。
TAMRONは最短撮影距離から無限遠までのピント幅が大きいため、ブリージングも大きく発生してしまっています。今回の比較では最短撮影距離からという縛りを設けましたが、他レンズと同様の距離から無限遠で比較すると、そこまで大きな差はないかもしれません。
SIGMAもブリージングは多少発生してしまっていますが、見ていて不自然なレベルではないので動画撮影でも十分使用可能です。絞り値がF2からとボケ量が大きく、より立体的な撮影が可能です。
静止画の撮影+たまに動画を撮影するようなスタイルであればどのレンズでも大きな不満を感じることはないと思いますが、動画メインで運用するのであればSONY一択です。サイズが小さくジンバルに乗せやすい、バランスが取りやすい部分も大きなメリットです。
—まとめ–
SONYは軽量で小型でありながらGレンズを冠しているだけあり安定の描写力とスムーズなAF、動画撮影時のブリージングも少なくオールマイティに活躍できる一本。サイズも他レンズに比べ一回り以上小さく、小型化が得意なSONYならではのメリットが詰まったレンズといえます。
SIGMAはF2解放から非常にシャープネスであり、さすがSIGMAと思わせてくれる1本です。解放から描写撮影ができるので夕暮れ時から夜景、星景撮影でも隅々まで綺麗な星空を切り抜いてくれることでしょう。“プレミアムコンパクトプライム”Iシリーズならではの洗練された外観の質感、高級感も所有欲を満たしてくれます。
TAMRONは何といっても低価格でありながらハーフマクロ(1:2)撮影ができる部分が他レンズにない大きな魅力。本体も軽量で持ち運びしやすく、スナップ撮影においては近いものは寄って大きくしてみたり、広々とした景色を切り取ったりと広角レンズならではのパースペクティブを活かした撮影が魅力です。そしてボケ味を得にくい広角レンズでありながら、被写体に近づくことで背景を大きくぼかし、個性溢れる写真を撮影することが出来ます。
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