新年、あけましておめでとうございます。
ソニーを愛し、ソニーに愛されたいスタッフが綴る「α Like」シリーズ。
元旦に投稿する本ブログ、初心を取り戻すにふさわしいある一本のレンズにフォーカスを当てて紹介したいと思います。
一年半ほど前、まだカメラのいろはが何も分からなかった中。
ただ漠然とあった「ミラーレスって、良さそう!」という気持ちだけで購入した初めてのカメラが「SONY α7III レンズキット」でした。
購入時点で発売から1年半ほど経っていましたが、「フルサイズミラーレスの新基準」を謳う本機はかなり人気が高く
せっかくなら買って後悔しないモデルが良いと考えていた私にとってはベストチョイスだったと今でも思います。
初めての一台にしては高級すぎるだろう!という言葉が飛んできそうでもありますが・・・
絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:25600
キットレンズの「SEL2870」を使ってファーストシャッターを切ったのが、こちらの写真。
フレンチホルンという金管楽器の、ロータリーと呼ばれる心臓部分です。
今見ると設定がめちゃくちゃでピントも甘く、光も工夫できただろうと反省点は多いのですが
撮った当時は、真鍮の艶やかな質感が描き出されていて「綺麗だ・・・」とうっとりしたことを覚えています。
ところが、撮影を続けていくうちに強欲な私はだんだんと物足りなさを感じるようになります。
同じカメラのはずなのに、他の方の写真と自分が撮った写真は、見応えが全然違うのです。
「そうか・・・レンズを交換すればいいのか・・・」
今になって考えてみれば、ちゃんとした設定で良い画角、良い光量で撮っていなかったことの方が原因なのですが、
己の未熟さを棚に上げ、転げ落ちるようにレンズ沼にはまっていった典型的な初心者です。
偶然見つけた、運命的な出会い。
ある日、友人の用事に同行して訪れたカメラ店で何の気なしに見ていたのが、やっと本題!「SEL5518Z」です。
「単焦点ってズーム出来なくて不便じゃない?」と思ってほとんど眼中になかったのですが
青い「ZEISS」バッジがとんでもなく格好良く見えて、思わず店員さんを呼び止め、試させてもらいました。
このレンズの魅力はあーだこーだと理屈をこねるより、実際に装着してもらうのが一番効果的でしょう。
レンズ越しに覗いた世界の見え方が、全然違う!痺れました。
単焦点なんて・・・と思っていた数分前の自分はどこへやら、その勢いのままに購入してしまったのです。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:8000
レンズを購入した次の日はあいにくの雨。
しかし、はやる気持ちが抑えられず家を出てすぐの場所に出来ていた水たまりを連写!
この時初めて「ISO感度上げると写真が明るくなるのか・・・」と感動したことも覚えています。
些細な雨の様子が、こんなに良い感じになるなんて!
この日の三週間後に当時の職場を退職した私は、ぽっかり空いた時間でこのレンズだけを携えてひたすらいろいろな物を撮影して回りました。
絞り:F8 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:400
愛おしい地元、長野県の景色を収めたり。
絞り:F3.2 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:250
散歩中に見つけた、気になったものを撮ってみたり。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:1600
人物撮影に挑戦したり。
絞り:F10 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:320
お気に入りのアイテムを、少し作品みたく見えるように配置してみたり。
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:800
旅先の思い出を残すのにもやはりこのレンズ。
絞り:F2.2 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:2500
絞り:F1.8 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:125
モノクロ縛りにして夜道を練り歩くこともしばしば。
絞り:F1.8 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:500
「開放」の描写の面白さを教えてくれたのもこのレンズでした。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:320
そうして充電期間をカメラと過ごし、写真の魅力にどっぷりハマった事で
紆余曲折を経て現在マップカメラスタッフとして働いているというのですから、驚きです。
いくつかの写真を見て頂きましたが、開放からシャープ、そして絞るほどに緻密な描写。
何よりαシリーズにこれ以上ないほどしっくりくるデザインとサイズ感が、私は大好きです。
「SEL5518Z」を使い始めたことで、露出や絞りが写真に与える影響を考えるようになり、
単焦点ゆえに足を使って画角を見つけ、自分の感覚で切り撮っていく楽しみを覚えました。
私のカメラライフは、まさにこのレンズと共にはじまったと言っても過言ではないでしょう。
新しい年を迎え、これから写真をやっていこうという方は是非。
自分の感覚にピタリと合致するレンズを見つけて、最高のカメラライフをはじめてみては。
それでは、次の「α Like」でお会いしましょう。