
2021年末の「SONY α7IV ILCE-7M4」発売から早5年と少し。
月日の過ぎるのはとても早いもので、ついこの間のように記憶している当時の盛り上がりも、もう5年前と聞くと驚きです。
そう思うのは筆者が年を取ったからというのはもちろんあるかと思いますが、それ以上に当時のスタンダードの常識を塗り替えるスペックの高さ、そしてそのスペックが現在の視点から見ても未だ一線級で活躍できるものだからだと思います。
先日ついにさらに性能を高めた後継機種である「α7V ILCE-7M5」が発売されましたが、それと同時にこのα7IVの持つ基本性能の高さも再注目されています。

今回レンズはG MASTERシリーズの望遠ズームレンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を装着しました。こちらも2021年発売で今なお人気の高いレンズです。
α7IVの有効画素数は約3300万画素となっています。スタンダードモデルといえば2400万画素クラス、高画素モデルといえば4000万画素オーバーというのがこれまでの図式だったところ、その中間を担うスタンダードモデルとして誕生したのがα7IV。1.3倍以上に増加した画素数のおかげで、よりシャープな画像が得られるようになりました。
レンズ性能の向上に伴ってそれに見合うスペックのボディが欲しくなる頃合い、画質とデータの取り回しを天秤にかけたときそれがちょうど釣り合うのが3300万画素という絶妙な画素数だと感じます。


こちらの画像、ピントの合った部分を等倍で切り抜くとここまでシャープな写りです。何とカメラを構えた筆者の影までも見えてしまいます。開放で撮影してもこの写りというレンズの圧倒的な解像性能もさることながら、まさに画素数が増えたことによる恩恵となります。
同時にカメラのピント精度の高さにも驚かされます。

前ボケに草木の緑を取り入れたカットです。この構図でもカメラの自動選択AFは迷わず動物を捕捉しました。

このあと右手前へ歩いてくる様子をAF-Cで追尾しました。前ボケを横切るような移動でしたがピントが持っていかれることはありませんでした。最新世代に搭載されているようなAIプロセシングユニットは搭載されていませんが、満足な結果を得ることができます。
またこちらのカットは前ボケを入れるためにローアングルで撮影しています。そこで便利なのがバリアングル液晶。ハイアングルからローアングルまで自由自在に構図を決めることができます。アイレベルでの撮影に比べて構図に変化もつけやすく、何より動物の目線に合わせることで躍動感ある写真に仕上がります。

さて、高画素モデルにとって切っても切れない宿命、それが高感度耐性です。
動物園ではいつ動くか分からない被写体のためにシャッタースピードを上げることが多く、また影で暗い場所も多いためどうしてもISO感度を高く設定しがちです。ここでは屋内展示されている夜行性動物を撮ってみます。ISO1600での撮影となりましたが、毛並みの描写も崩れることなく、カラーノイズ輝度ノイズともに目立ちません。

ではさらに厳しい条件ではどうでしょうか。暗いところでもよく見える大きな目を持つサルの仲間を撮影しました。赤い光で満たされているのは、強い光に極端に弱い動物に配慮しての工夫です。この大きな目は一体どれほどの大口径なのだろうかなどと考えながら開放F値2.8のレンズを向けました。シャッタースピードを切り詰めて1/13秒まで落としましたが、ISO感度は5000となっています。しかしこれでもノイズは目立ちません。拡大すればわずかに見えますが、シャドウ部やボケの部分にもノイズが強く主張してこないのは驚きです。

明るい地上へ戻ってきました。一際筆者が惹かれたのがクマタカです。凛々しく力強い目に吸い込まれそうです。


時折奥から手前へと飛んできていたので、その様子を撮ってみました。α7IVの連写速度はAF/AE追従では最高10コマで、これは近年のフラッグシップのような上位機種と比較すれば少なく感じますが、一眼レフ時代からカメラを扱っている筆者からすれば高速連写と呼んで差し支えない領域にいると思います。実際秒間10コマでも狙ったカットを収めることができました。連写した全カットにピントがばっちり、とは残念ながらいきませんが、近接に近い領域での急激な、しかもコントラストの高くない被写体の前後移動ですので無理はありません。むしろ2枚目のカットはよくぞピントが合ってくれたという気持ちです。

こちらのカットも同じく手前に飛んでくる瞬間を連写で撮影したのですが、腕前が足らず思い切り画面下に。本来諦めてしまうところですが、画素数の高さを活かして大きくトリミングしてみます。

4K解像度を保ったままここまでトリミングで構図を詰めることができました。ここまで画面端に近づいてもピントを掴み続けたα7IVと、周辺部までシャープな描写のレンズの組み合わせはまさに鬼に金棒です。画面中央を切り抜いたと言われても疑うことのない写りは見事です。迫力あるシーンとなりました。

実は普段筆者はカメラを2台持っていくことが多いです。というのも4000万画素オーバーの高画素機と2400万画素程度の低画素機で、それぞれ得意不得意を補い合って撮影をしています。ですが今回α7IVで撮影をしていて、「もっと画素数が欲しい」とも「もっと高感度耐性が欲しい」とも思わなかったのは、このカメラの万能性の証明だと思いました。スタンダードと呼ばれるカメラの特徴として、何でもそつなくこなせるというのは重要な項目だと思います。
スタンダードクラスに3000万画素台という新たな世界を見せたα7IV。世代をリードするエポックメイキングな機種として、今からでも是非おすすめしたい1台です。
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