
【SONY×Carl Zeiss】引き締まる「影」と、浮き立つ立体感
最近は夕方になると涼しい風が吹き抜け、「もう夏も終わりか」とどこかしんみりした気持ちになります。そんな季節の境目に訪れたのは、人もまばらで静まり返った大きな公園。
聞こえるのは風にそよぐ葉の音と、小川や小さな滝から聞こえる水音だけ。人影のない静寂はファインダーを覗くのに最高のロケーションでしたが、その代償として大量の蚊の洗礼を受けることになりました。それでも、目の前に広がる自然と光のコントラストに惹かれ、シャッターを切る手が止まりません。

今回の相棒はSONYの超高画素機「α7RV」と、Carl ZeissのEマウント単焦点「Batis 40mm F2 CF」。 約6100万画素の解像力を誇るボディに、ツァイス独自のコントラストと透明感を備えた本レンズの組み合わせは、いつもの街歩きを特別な描写力で記録してくれます。今回はこのペアで撮影してきた写真とともに、その魅力をご紹介します。


木漏れ日が差し込む小川へカメラを向けると、ツァイスが生み出す高いコントラスト性能が遺憾なく発揮されます。
跳ね上がる水滴や水面の明るいハイライトを破綻させず捉えつつ、濡れた岩肌や日陰になった水底は、濁りのない澄んだ陰影として深く引き締めます。内面反射がしっかりと抑えられているため、光を受ける水のきらめきが背景からくっきりと浮き上がり、静寂の中に響く水音まで聴こえてきそうな立体感が生まれます。


さらに本レンズの最大の強みは、名前に冠された「CF(Close Focus)」。 最短撮影距離24cmという寄りの強さにより、スナップの道中で見つけた足元のきのこや公園の隅にポツンと佇む金属の蛇口。こうした被写体にも一歩踏み込んでスムーズに対応できるのが、このレンズの大きな魅力です。


ピント面のシャープネスはもちろんのこと、T*(ティースター)コーティングによる高いコントラストとヌケの良さはまさにツァイスならでは。暗部の粘り強さやハイライトの階調表現が豊かで、被写体の立体感やその場の「空気感」までも鮮やかに切り取ってくれます。α7RVのAIプロセッシングユニットによる高精度なAFも相まって、テンポ良く撮影に集中することができました。

また、Batisシリーズの特徴である鏡胴上の「OLEDディスプレイ」には、暗がりでも撮影距離や被写界深度がはっきりと表示され、パンフォーカス気味にスナップを撮りたい場面でも直感的に範囲を把握できます。




陽が傾き、周囲の光量が少しずつ落ち始めると、このレンズはいよいよ本領を発揮し始めました。
ただ明るい場所を綺麗に撮るのではなく、影をしっかりと落とし込んで光と影のメリハリを強く打ち出す。ファインダーを覗いている時点で「私好みの、キリッとした写真になる」と確信できるほど、強いコントラストと力強い描写力に魅了されました。
薄暗くなった木々の影や奥まった暗部は、濁ることなくどこまでも「深く、締まった影」として落ち込む。その引き締まった陰影があるからこそ、夕日を浴びて黄金色に輝く木々の葉や、枝葉の隙間から射し込む最後の光線が、画面の中で鋭く浮き上がるように際立ちます。



撮影を終えて帰路につく途中、ふと見上げた空はどこまでも優しく澄んだ青色をしていました。夏の刺さるような青とは違う、どこか柔らかく穏やかな色合い。思わずレンズを空へ向けて撮影しましたが、ツァイスならではの豊かな表現力は、そんな帰り道の些細で美しいグラデーションまで、空気感ごと繊細に残してくれました。
少し涼しくなった夕方、皆様もぜひカメラを片手に、秋の気配を探しに出かけてみてはいかがでしょうか。




