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【Nikon】最新デジタルと伝統のフィルムで辿るニコンの美学。半世紀の時を越えて共鳴する「写真」の魅力

【Nikon】最新デジタルと伝統のフィルムで辿るニコンの美学。半世紀の時を越えて共鳴する「写真」の魅力

マップカメラは日頃より多くのお客様にご愛顧いただき、今年で32周年を迎えることができました。

創業祭にあわせて毎年お届けしている、マップカメラスタッフによる特別企画。2026年のテーマは「夏旅」です。

旅に出るなら、どんな機材を持って、どこへ行きたいだろう。
いつか使ってみたかったカメラやレンズを手に、スタッフそれぞれが思い描く場所へ向かい、夏ならではの景色や出会いを撮影します。

憧れの機材を実際に使って感じた魅力や、旅先で気づいた新たな一面。写真とともに、撮影の楽しさを余すことなくお届けします。
この夏、皆さまもお気に入りの機材を持って旅に出たくなる。
そんなきっかけとなるシリーズを、どうぞお楽しみください。


■1日目

Nkon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct イメージングレシピ:CineBias_RED

梅雨も明けた7月のある日。
在来線を乗り継いで伊豆の先端までやってきました。
駅を降りた瞬間からわずかに香る磯の香り、植生もどことなく南の海を感じさせます。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak PORTRA400

首から常に提げているフィルムカメラでも1枚。大都会東京から特急一本でここまでやってきました。フィルムカメラは普段からアクセサリー感覚で身に着けています。

 今旅のお供

ここで今回の旅に連れて行ったカメラたちをご紹介いたします。

まずはデジタルカメラを。Nikonの技術を結集した最新機種「Z8」に、レンズは圧倒的な存在感を放つ「NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct」を装着しました。

そしてファッション感覚で日々持ち歩いているのが、Nikon初のフィルム一眼レフカメラ「Nikon F」です。
発売は1959年で、この個体は製造のもっとも古い640Fと呼ばれるものです。
レンズもカメラに合わせて、1959年当時に同時に発売された「NIKKOR-S Auto 50mm F2」をチョイスしています。
7枚玉の初期のモデルです。
レンズフードまで当時物で揃えているのがお気に入りポイント。AR-1も装着して準備万端です。

 水族館へ

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

行く先々でその土地の水族館を巡る筆者。これほどまでに水族館が各地にあるのは世界を見ても日本だけだそうです。
恵まれた土地に生まれたことに感謝をしながら、大水槽へ足を運びます。
自然光が煌めく日中の水槽。
目の前の海へ飛び込めばこんな光景が広がっているのだろうか、そのようなことを考えながらシャッターを切ります。
肉眼で見ると水面の揺らめきによって刻一刻と光の筋の姿がゆらゆらと変化するのが綺麗なのですが、
一瞬を切り取る写真においても、レンズの表現力によってその感動をそのまま閉じ込められました。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

デジタルカメラの最近の進化は、主に便利になることに重きが置かれていると感じます。
その点今回のZ8とNoctという組み合わせは、確かに最新の技術を搭載していますが決して便利とは言えないものです。
それは主に、レンズにオートフォーカスが搭載されておらずマニュアルフォーカスのみという仕様の点。
ただしその足枷は徹底的に研ぎ澄まされた描写力のため。そう思えばレンズすらも可愛く見えてきます。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

この2枚、イルカショーの写真も当然ですがマニュアルフォーカスで撮影しています。
F0.95の被写界深度内に、水中から飛び出してくるイルカを収めるのは至難の業ですが、神経を研ぎ澄ませてイルカの動きを追っていくと自然とピントが合うようになりました。
イルカの肌の光沢感ある質感、水飛沫の表情。F0.95の被写界深度の中に、イルカに感じる魅力を詰め込むことができました。
撮影している様子はさながら人馬一体といったところでしょうか。カメラと息を合わせて撮影をしていくのは緊張感がありつつも、写真を撮る楽しさを思い出させてくれました。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

大水槽というものに特に惹かれ、時に1時間ほどぼーっと眺めて過ごすこともあります。
これもまた旅の醍醐味と自分を納得させつつ、そうこうしているうちに餌やりが始まりました。
ウエットスーツに身をまとい水槽を泳ぐ姿に憧れてしまいます。
実は私は全くと言っていいほど泳ぐことができないので憧れに留めていますが、いつかは魚たちと共に海を漂ってみたいものです。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak PORTRA400

こうしてデジタルとフィルム両方を向けてみると、デジタルの暗所耐性の高さは目を見張るものがあります。
特にそれが超大口径レンズとフラッグシップボディの組み合わせであれば尚更です。
それと同時に、フィルムカメラで工夫して撮影をする楽しみも味わうことができました。
相当に暗いのでフィルムの仕上がりまで写りを心配していたのですが、よく耐えてくれました。

 下岡蓮杖に会いに行く

下田を訪れたら是非行きたかったのが下岡蓮杖の碑です。
下岡蓮杖はここ下田に生まれ、のちに日本で初めての商業写真館を開いた人物です。

Digital (Nikon Z8)Film (Nikon F)

Film (Nikon F)
Digital (Nikon Z8)

スライダーを左右に動かすと、デジタルとフィルムの写りを比較できます。

デジタルとフィルム、同じ位置から機材を変えて撮影しました。スライダーを動かして、写りの違いを是非ご覧ください。
当時ダゲレオタイプで写真を撮った下岡蓮杖は、Nikon Fを見て、そしてミラーレス一眼を見て、何を思うのでしょうか。

 Noctと夜を撮る

Noctという響き。夜想曲を意味するノクターンに由来するそのレンズ。日帰りで行こうと思っていた私が下田に一泊するに至った理由が、夜をNoctで撮りたいからというもの。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

肉眼で見れば真っ暗な空も、Noctを通してみればまだわずかに光が残っています。
Exifを見返すと、ISO感度は20000に設定していました。Noctでなければ撮れなかったと断言できる1枚です。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

今回連れて行ったNikon Fが生まれる少し前に日本で巻き起こっていた、大口径レンズを巡るカメラメーカーによる熾烈な競争。
結果的に1961年にはF0.95を実現したドリームレンズが誕生しているのですが、現代に生まれた超大口径レンズがこれまでの明るいレンズと一線を画すところが、開放から実用的である点です。
ある種余裕を持ったF0.95だと撮影していて感じます。明るさが欲しいとき、またボケ量が欲しいとき、F0.95を臆することなく使うことができるというのは、このレンズが唯一無二です。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

まだ夜は始まったばかりですが、明日も撮りたいものが沢山。今日はこのあたりでゆっくり休みたいと思います。

■2日目

Digital (Nikon Z8)Film (Nikon F)

Film (Nikon F)
Digital (Nikon Z8)

スライダーを左右に動かすと、デジタルとフィルムの写りを比較できます。

昨日の曇りから一転、清々しいほどの晴れです。
朝から日差しが痛いほどの暑さですが、そんなこともお構いなしに撮影を始めます。水分を多めに取り歩みを進めます。

 碧い海へ

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

せっかくの晴れなので、海を写真に収めたいという一心でバスに乗り込み20分ほど、海岸へやってきました。
流石は伊豆半島の先端、透き通る海と青い空が映えます。ここまで来てよかったと思いました。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak PORTRA400

フィルムでも雄大な海を写します。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak PORTRA400

清々しいほどの晴れ空にエメラルドグリーンの海。肉眼で見た海の色が、フィルムでも蘇ってきます。
F8まで絞ると画面全域でシャープな写りで、拡大してよく見ると、人がいることまでも確認できます。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak Ektachrome E100

ここで最初の36枚を撮り終え、自宅から持ってきた虎の子「Kodak Ektachrome E100」を装填しました。夏の海をポジフィルムで残したい。これはかねてからの夢でした。
一口にフィルムと言っても先程までのPORTRA400とは全く異なる系統の透明感のある写り、私はずっとこれが見たかったのです。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak Ektachrome E100

今回使用しているカメラはNikon Fのアイレベル、つまり露出計のないモデルになります。
ラチチュードの狭いポジフィルムにおいては通常露出計などを用いて露出を見てからシャッターを切るのが推奨されますが、
私はどうしても露出計を使うときの一旦ファインダーから目を離す動作が撮影のテンポに合わず、勘露出に頼っての撮影をしています。
今回もドキドキでしたが結果は大成功。フィルムのワクワクする感じが好きで、私はフィルムカメラを手放せずにいます。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

Z8に戻ってまいりました。デジタル機は素晴らしいなと感心してしまいます。ミラーレスのZマウントになって、さらに透明度が上がった気がします。
ベールを1枚剥いだような、その場の空気ごと持って帰ってきたような写りはNikonにしか出せないと思っています。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak Ektachrome E100

帰りのバスに乗り込んだ折の1枚。車窓から見えるバス停は、私にはそんな思い出はないのですが、青春のあの日を思い出します。

 北上

Digital (Nikon Z8)Film (Nikon F)

Film (Nikon F)
Digital (Nikon Z8)

スライダーを左右に動かすと、デジタルとフィルムの写りを比較できます。

楽しかった時間はあっという間で、そろそろ帰路につこうかというところ。
名残惜しいというのはもちろんですが、カメラに詰めたフィルムもまだ残り枚数があったので、最後まで撮り切ろうと決意し途中下車しました。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak Ektachrome E100

途中レトロな建築を発見したのでフィルムの雰囲気に合いそうと思い入館。
画面左から差し込む夕方の日光が障子によって柔らかな光となり、屋内を照らしていました。

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak Ektachrome E100

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

館内であんみつが頂けるということで早速。2日間暑さの中を歩き回った身体に染み渡ります。
現像から上がったフィルムを見て、透明感と言うでしょうか。そこに被写体が実在しているような、デジタルとはまた違った質感の高さを感じました。現像から上がってきたポジフィルムを見ると、撮影時の思い出が鮮明によみがえってきます。

 旅の終わりに

Nikon F + NIKKOR-S Auto 50mm F2 フィルム:Kodak Ektachrome E100

最後にもう一度海が見たくなり、帰りの電車の時間も近づく中足早に海岸へ向かいました。
ここでちょうどフィルム36枚。我ながら有意義なフィルムの使い方でした。

Nikon Z8 + NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct

512GBのメモリーカードを装填し残り撮影枚数はおよそ13,000枚を示しているZ8でも最後の1枚を。
半世紀以上の時を経てNikonの歴史も積み重ね、今でもこうして光を届け続けてくれているということ。
どんどんとカメラの性能は”良く”なっています。デジタルは圧倒的に便利でした。
ただし一つ感じたのは、本当に優れたものは時代を経ても色褪せないということ。
半世紀後も、さらにその先もNikonを愛していきたいと誓いました。この素晴らしい機材と共に。


帰りの電車に揺られながらあれこれ考えていました。
この夏、もう少しだけ写真と向き合いたい。カメラとこれから先もずっと添い遂げたい。
そう思いながら、また次の旅行の予定を立て始めます。
いつか人生を振り返ったとき、カメラのことを生涯の伴侶と呼べたらいいなと思いながら。

ポジフィルムをライトボックス越しに見ている様子
現像から上がってきたポジフィルム。これを見ると、また撮りたいと思わされます。

 

▼使用したカメラ・レンズはこちら▼

[ Category:Nikon | 掲載日時:26年08月01日 11時48分 ]

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