
オールドレンズの柔らかさだったり、個性的な描写に魅了されている今日この頃。
何の機材を撮影に持って行くのか悩んだのですが、今回目を付けたのは「Leica ズミルックス M50mm F1.4 11714」。
1962年に登場したズミルックスM50mm F1.4の2ndモデルをベースに作られており、歴史に名を刻むライカMレンズの復刻版「クラシックシリーズ」の5機種目として発売されたレンズです。
復刻レンズはオールドレンズに近い描写なのか、はたまた現代的なレンズなのか気になったので実際に使ってみることにしました。
使用したボディは「Leica M11-P」。
トリプルレゾリューションによる最大6000万画素の描写力と、先進のコンテンツクレデンシャル機能を搭載したフルサイズM型レンジファインダー機です。



夏真っ盛りの今、暑さから逃れつつ写真も撮りたかったので都内の洋館へ。
展示されているものたちを被写体に撮影していきます。
日常の街中のスナップも好きですが、歴史に触れつつ非日常感を味わえる空間へと足を運ぶのもわくわくします。


ライカのカメラやレンズで撮影した時のガラスの描写がとても好きです。
反射が白く飛び過ぎることなく後ろにある物体の存在を感じさせてくれ、ガラスの艶やかさや壊れやすい繊細な質感をしっかりと残してくれるからです。
「ライカのレンズは空気まで写す」とも言われるようですが、撮影した写真を見返すとその言葉に納得がいくような、やはりどこかその言葉を彷彿とさせるようなライカらしさを感じる写りになっています。


最短撮影距離0.7m付近で花瓶に生けられた花を撮影しました。
オリジナルのレンズが最短撮影距離1mであったのに対して0.3m短くなり、被写体に一歩近づくことができるようになっているのも復刻レンズの違いの1つです。
F1.4の明るい開放F値を持っているため被写界深度は浅く、ズミルックスらしい大きく滑らかなボケを楽しむことができます。


描写力に関してもオリジナルほどの柔らかさはありませんが、非球面レンズを使用した現行レンズ「ズミルックス M50mm F1.4 ASPH. 11728/11729」と比較するとピント面のきっちりと解像するような鋭さはなく、程よく優しい印象を受けます。
ハイライト部分に滲みが見えたり、ふわりとベールをかけたような写真が出てくることも。
かと言って癖が強すぎる事はなく「いいとこどり」のレンズです。


オールドレンズでは逆光でのゴーストやフレアがでるのも楽しみの1つ。
復刻ズミルックスでの逆光耐性を確かめるべく、木漏れ日を絞り開放で撮影してみました。
似たような環境下で撮影した写真を二枚連続でのご紹介となります。
一枚目の緑の梅の葉を撮影した環境ではゴーストが出るかと予想しましたが、現代のコーティング技術が使われているためか、フレアこそ少し出ていますがあまり目立つようなことはありませんでした。
それよりもパープルフリンジが目立つ結果となりました。
また、二枚目の紅葉を撮影した写真でも同じようにパープルフリンジが出ていますが、周辺部のボケ方にも注目です。
写真の中央を中心にぐるぐると回転しているようなボケが見られ、このレンズはやはりオリジナルをオマージュしたものだと実感しました。


「Leica ズミルックス M50mm F1.4 11714」は、コーティング技術やレンズの硝材のM11-Pの6000万画素という高画素センサーでも、そのポテンシャルを存分に発揮してくれます。
絞り込んだ際に得られる解像感や描写力の高さはとても見事で、目を見張るものがあります。
一方で、光の状況や開放付近ではオールドレンズのような柔らかさを覗かせる瞬間もあり、現代の高精細さとオリジナルから受け継いだクラシカルな揺らぎの両方を楽しむことのできる、唯一無二のレンズだと感じました。




