
【TAMRON】純正レンズ至上主義な私が安心してお勧めできる、サードパーティーイチ推しのズームレンズ。
かれこれ20年ほどNikonユーザーの筆者は、デジタルカメラの黎明期からミラーレス全盛の現在まで、いつの時代も純正レンズで撮影してきました。
その理由は、ひとえにNIKKORレンズの性能を信頼しているからです。
月並みな表現ではありますが、NIKKORはとにかく良く写る。
エントリークラスのレンズでも手を抜かず、しっかりと開発してくるその姿勢には、長きにわたって絶対の信頼を置いていました。
それはもちろん今も変わらないのですが、今回の記事はそんな筆者がおすすめするイチ推しのサードパーティーレンズについてです。

ここ最近時間をみつけては、あちらこちらに散歩がてらにふらふらとしているのですが、今回は「海の駅九十九里」といわれるところに立ち寄りました。
撮影のお供に選んだ機材は「Nikon Z5」と 「TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD / Model A067Z」です。
Z5についてはもはや説明の必要はないでしょう。
NikonZシリーズのフルサイズの中で、エントリー機として愛される名機です。
TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXDについては「人間の視野から、双眼鏡の世界まで」一本でカバーできるレンズという説明がしっくりくるでしょうか。
広角側である50mm側では、自分の目で見ている景色そのままの広さでスナップでき、400mm側では遠くの被写体をグッと引き寄せることができる。
「もっと大きく撮りたいのに届かない」「もっと引きたいのに下がれない」 そんな初心者が最初にぶつかる壁を、このレンズはすべて解決してくれます。
足を使わずに多彩なバリエーションの写真を撮ることができるのです。
その恩恵により、風が吹きゴミの混入の不安のある環境下でも、レンズ交換なくこの一本で賄える心強さがあります。
※ちなみに冒頭で筆者は生粋のNikonユーザーと申しましたが、TAMRONは一眼レフカメラの時代から気になっていました。
その理由は高性能な手ブレ補正「VC」の存在です。
風が強めの状況でもファインダーの画像がぴたりと「張り付くように」止まるので、安定して撮影に臨めます。こればかりは純正レンズでも真似できないと思ったものです。

さて、「海の駅九十九里」1階のお土産売り場は品揃えが豊富で、海産物や地元の特産品があり、2階には片貝漁港から水揚げされた新鮮なイワシなどの新鮮な海産物の食事が楽しめる食事処があり、九十九里浜の味覚を満喫できます。
筆者は撮影前に海鮮料理を満喫したのですが、その感想だけで1つの記事が書けてしまいそうなので、それはまたの機会に。
その代わりに撮影した写真をご紹介いたします。

この「海の駅九十九里」は千葉県、九十九里浜のほぼ中央に位置しており「片貝漁港」を目の前に臨む場所になります。
せっかくの機会なので、漁港まで足を伸ばしてみることにしました。
どこまでも続く水平線と、無機質なコンクリートの堤防、そして港に係留された力強い漁船たち。
その独特な空気感に酔いしれながら、ふらりふらりと港を歩きます。
正午近くの太陽が真上から照りつける晴天の日。
この日は風の強い日で、堤防から遠くの片貝海岸に目をやれば、激しい風で巻き上げられた砂煙が景色を白く霞ませていました。
幸いなことに、筆者がいる場所までは砂煙は届かず、快適に撮影することができました。

今回は「日常と非日常を繋ぐレンズ」として、TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXDを選びましたが、その判断は正しかったようです。
漁港のような場所では、足場が限られていたり、被写体(漁船群や建物など)まで距離があったりします。
お仕事の場所でもあるので、敷地内に踏み入らぬよう周囲の車道沿いから、少し引いた位置で撮影することにしました。
ここで400mmという焦点距離が真価を発揮します。
物理的な距離は離れていても、ファインダーを覗けば、まるで目の前に被写体があるかのような臨場感。
少し離れた車道という敷地外からの撮影でも、船上のディテールを克明に引き寄せることができます。 道路越しでも、このレンズがあれば「近寄れない」「撮れない」というストレスを感じることはありません。
50mmで複数の漁船や建物の景色などの雰囲気をスナップする。
400mmで遠くのディテールを引き寄せる。
この一本があれば、レンズ交換の煩わしさから解放され、ただひたすらに「被写体」と向き合える。フルサイズミラーレスのZ5とのバランスも良好で、潮風の中を歩くには最適なセットアップです。

港の内側に目を向けると、一仕事を終えたと思われる漁船たちが並んでいます。
広角端〜中間域でシャッターを切れば、幾重にも塗り重ねられた塗装の厚み、海風に晒されて浮き出た赤錆や塗装の剥がれた質感、太いロープの繊維がしっかりと描き出されました。
それらはまるで、その船が海で過ごしてきた時間を物語るかのようです。
そうして物思いにふけってファインダーから目を離せば、空の広さ、係留された船の並び、そして足元に感じられる浜砂のたまり・・・。
今自分が特別な場所にいるのだと実感します。

レンズのすばらしさについて述べてきましたが、Z5の素直な色作りも良い仕事をしています。
派手すぎず、使い込まれた船体の「渋み」をありのままに表現してくれます。
晴天の強い日差しの中でも、船体の白飛びを抑えつつ、影になった部分の階調も豊かに残す。厳しい海という場でお仕事をこなしながらもたじろがない、凛とした船の佇まいを切り取ることができました。
このお仕事に使い込まれながらも丁寧に手入れされている質感こそ、漁港スナップの醍醐味かもしれません。

長く伸びる堤防にて。 テレ端(望遠側)の400mmまでズームすると、強烈な圧縮効果が生まれます。 肉眼では遠く長く感じる堤防が、ギュッと凝縮されてちょっとした絵画のように見えるのです。
コンクリートの冷たい質感や、経年劣化で少し欠けた角のディテールまでもしっかりと階調豊かに残してくれました。
※曇天や逆光でも粘ってくれるダイナミックレンジの広さは、さすがニコン機といったところです。

今回の撮影で唯一、最新機種である「Z5II」がほしいかなと思った場面があります。それは、強風に乗って上空を舞う海鳥を狙った時です。
予測不能な動きで飛び回る鳥に対しAFを追従させるのは難しく、撮影した中でピントの芯を捉えていたのは、飛び去っていく鳥の「後ろ姿」の一枚だけでした。
勿論、短時間で何気なく捉えようとして上手く撮影できなかった面もありますが、最新の性能があればもっと容易に撮影できていたかと思います。


少しばかりご不安にさせてしまったかもしれませんが、ご安心ください。
「日中・晴天・風景(静止物)」という条件において、Z5が不足を感じる瞬間があったか?と問われれば、自信をもって無いと言えます。
最新機種の進化は、先程述べた被写体認識をはじめ、「高感度ノイズの低減」や「連写性能」などに現れます。
しかし、今回は晴天の片貝漁港。
ISO感度は常に低感度をキープできましたし、フルサイズセンサーが本来持っているダイナミックレンジの広さは、初代Z5の時点で十二分の内容だと思います。
船体の白飛びしそうなハイライトから、影になった船底のディテールまで、RAW現像で粘り強く色が戻ってくる感覚は、最新機と比べても遜色がありません。
むしろ低感度域での画質差はほぼ無いように感じます。
シングルポイントAFで構図を決め、じっくりピントを合わせる。
Z5の落ち着いた挙動は、一枚一枚丁寧に撮るスナップのリズムを作ってくれました。
上位機種と同等の約369万ドットの電子ビューファインダー(EVF)の素晴らしさも全く色褪せません。
晴天の屋外、背面モニターが見づらい状況下でも、ファインダーを覗けばそこにはクリアで緻密な世界が広がっています。
ピントの山を掴む、露出の過不足を見る。この「撮るための基本性能」において、Z5は現在でも第一級の実力を持っています。

Z5とTAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXDの組み合わせは、これからカメラを始めてみようという方に自信をもってお勧めできるセットです。
機材を探している方は、是非ご検討されてみてはいかがでしょうか。
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