【SIGMA】写真にタイトルをつける楽しさ
撮るときと、撮ったものを見返すとき。
2回楽しめるのが写真の魅力のひとつだと私は思います。
シャッターを切るのは一瞬ですが、後で写真を見ながら他愛もないことをあれこれ考えるのはいくらでも時間を費やすことができてしまいます。
例えばこのサボテンの写真のタイトルを考えてみます。
「サボテン一家」「仲良しサボテン兄弟」なんてタイトルが浮かびそうでしょうか。
しかしよく観察すると種類が様々なので「たまたま一緒になっただけの他人詰め合わせ」だと気づきます。
そして隣のサボテンとの距離がまた近い。
これから大きく育つことを想定しておらず、つまりは一時的にここにいるようです。
それらを踏まえてタイトルを考えると……
「サボテン保育園のお散歩」
保育園の小さい子のお散歩では、数人ずつ「お散歩カート」という乗り物で運ばれます。
小さなサボテンの子たちが「お散歩カート」で運ばれている。
そんな風に見えたのです。
こちらは幼い蔦の葉。
開放で得られたとろけるようなボケが美しいです。
葉は太陽の方を向くものですが、いまこの葉は食堂の温かな灯りに向いています。
寒空のもとひとりぼっちでちょっぴり寂しそう!?
でも蔦ですから繋がっている仲間がいるのです。
仲間はいるけど孤独を感じる夜。
そんなことからこのタイトルを思いつきました。
「子ども食堂にいらっしゃい」
いくらお友だちとSNSで繋がっていても小さな子がひとりでは淋しいでしょうから、誘ってあげたいというイメージです。
お次は建物の新旧対決です。
左の歴史ある建物はひびが入ったりシミができたり、補修の跡が見受けられます。
一方右にある建物はカラフルで現代的。
広角レンズの歪みも相まって迫力のある睨み合いに見えます。
ガス燈風の電灯を挟んで……ファイッ!
そんな風に見えたことからタイトルを考えました。
「不易流行」
夜、道の正面に立ちはだかる大きなホテル。
横から見るとヨットの帆のような形をしていますが、この角度からだとまた違った趣です。
なんだか仮面に見えて、『13日の金曜日』のジェイソンや、『千と千尋の神隠し』のカオナシが頭をよぎります。
でも一番しっくりきたのは巨大なお地蔵さん。
もちろんホテルが人の形をしているわけではありません。
でもその地に根ざしている様や存在感がそれと通じると感じました。
夜に見るとちょっと怖いような怖くないような雰囲気も似ています。
そこで考えたタイトルはこれです。
「横浜地蔵」
横浜の街を見守ってくれてありがとう。
お店の白熱灯に照らされたボリューム満点のハンバーガー。
ファストフードチェーン店のハンバーガーもいいですが、少しお高めのハンバーガーはやっぱりおいしいです。
特にアボカドが入っているとそれだけで笑みがこぼれてしまいます。
こちらのハンバーガーはおいしかったのですが写真写りがイマイチだと感じて観察開始。
すると、できたてにもかかわらず表面がお風呂上がりのようにさっぱりしていることに気づきました。
もう少し油や汁っけでテカテカしているとジューシーでおいしそうに見えると思うのです。
カフェのウェブサイトを見てみると、新しさやマイノリティを謳っていました。
それならばマットな質感を個性と受け容れましょう。
写真のタイトルはこうです。
「ジューシーが正義と誰が決めた?」
タイトルを考えると脳のどこかが鍛えられ感受性が豊かになるような気がしました。
最近はあまり出かけられませんから、みなさんも過去に撮った写真にタイトルをつけて楽しんでみてはいかがでしょうか。
それではごきげんよう。
使用機材:SONY α7 III + SIGMA Contemporary 24mm F3.5 DG DN E-Mount