
【Voigtlander】50mm派の私が心惹かれた、絶妙な中望遠の世界
”APO”(アポ)と聞くとカメラ好きの我々にとってはVoightlanderの「アポランター」やLeicaの「アポズミクロン」。はたまた旧シリーズのSIGMA「APOレンズ」を想像するでしょう。銘玉揃いで開放F値からくっきり・シャープかつ色収差がほぼないレンズたちです。
さて今回は2026年にリリースされたVoightlander製レンズ『APO-SKOPAR 75mm F2.8 VM』をご紹介いたします。搭載マウントはライカMマウントになります。撮影に使用したボディはLeica M11-Dになります。RAW(DNG)形式で撮影を行い、適用したプロファイルはPROFAILE M11を設定しています。
実際に撮影した作例を元にご紹介いたします。

製品名に”APO”が付く通り、レンズにはアポクロマート設計を採用しています。つまり軸上色収差をほぼ発生させないような設計がされていることを意味します。軸上色収差とは様々な説明を省いて簡単に表現するとパープルフリンジやシアンの色ずれのような現象です。

今回は都庁周辺を撮影しました。あまり良い天候ではありませんでしたが、それでも発色・コントラストも良く基本性能が高いレンズだと感じました。画像の中央・周辺部どこをとっても均一な描写性能で、ビル群の微細なディテールまで崩れることなくきっちりと解像しています。周辺光量落ちもなだらかで、その場の空気感をそのまま描き切ってくれました。
開放F2.8という明すぎず暗すぎない絶妙なスペックがもたらす描写の安定感は、流石の一言です。

少し意地悪にあえて色収差が発生するシーンを狙って撮影しました。画面中央部にはっきりと収差が確認出来ます。
しかしながら上記の作例が発生する色収差の上限でよほど条件が悪いシーンで撮影しなければフリンジの発生はほぼありませんでした。

作例中央部の花にピントを合わせています。ピント精度も完璧でライブビュー機能がないLeica M11-Dでも問題なくピント合わせが可能でした。
Voightlander製レンズを数本持つ筆者ですが、どのレンズもピント精度・ヘリコイドのトルク感も完璧で価格に対しての描写性と操作感の気持ちよさにはいつも驚かされています。『APO-SKOPAR 75mm F2.8 VM』も同様にトルクムラのないヘリコイドと完璧なピント精度。特にヘリコイドにツノが付いていることでシビアなフォーカシングも難なく行えました。

普段50mmレンズを主として撮影をする筆者ですが、75mmという中望遠は思いのほかすぐに順応できました。
一般的なLeicaのレンジファインダーに映し出されるブライトフレーム(ファインダーを覗いたときに、写真として写る範囲を示す枠)が50mm/75mmが同時に映し出されます。普段から75mmのブライトフレームを見ていたからでしょう。

『APO-SKOPAR 75mm F2.8 VM』は建物や細かな描写が求められるシーンでとても良好な描写を発揮してくれました。レンズの解像力が非常に高く約6000万画素のLeica M11-Dに使用しても全く解像感に問題ありません。また、色収差に関しても上記の作例のようなシビアなシーンでなければ十分に補正してくれます。

同じ場所から構図を変えた1枚。ボケ感も過剰すぎずなだらかです。75mmという焦点距離ということもあって圧縮効果も効き、写真の説得力が上がったように感じます。

Leicaを使っていると自然と光と影のコントラストを撮影したくなります。明確な根拠こそないですが、『APO-SKOPAR 75mm F2.8 VM』光と影を撮影するレンズにピッタリだと感じました。

レンズが持つ解像感と天候を問わず発揮されるコントラストの強さ。75mmという絶妙な焦点距離による若干の圧縮効果。これらが全て『APO-SKOPAR 75mm F2.8 VM』には揃っています。だからこそコントラストが映える光と影のスナップで活きるレンズでしょう。

いかがでしょうか。
今回は簡単ではありますが『APO-SKOPAR 75mm F2.8 VM』を」実際の作例を元にご紹介いたしました。
ほとんどのシーンで発生しない色収差の補正度と良好な解像感は現行M型Leicaに使用しても全く問題ありませんでした。
今回はご紹介しておりませんが、外装も非常にコンパクトでまるで50mm標準レンズを装着していると勘違いするほどでした。下記の弊社スタッフブログにて実際のレンズの外観と他レンズとの大きさ比較がありますのでそちらもぜひご覧ください。



